幸せな嘘
2012年04月03日 初稿
どんな嘘でもつき続ければ、いつの間にか真実になっているかもしれない。
たとえ嘘でもあなたが信じれば、それは本当のことになるのかもしれない。
私は言います、あなたが好きだと。何度も何度でも言って差し上げます。
それであなたは満足するのでしょう? 疑うこともせず、浅はかですね。
でもそれは私も同じ、もう逃げる気力も失せているのです。だから同じことを繰り返すのです。
永遠、輪廻、メビウス、幾度も幾度も巡回して性と死さえ凌駕して。
それともあなたも倦み切っているのですか。こんなこともう飽き飽きですか。
真実がどこにもないのなら、この虚構さえリアルなのですね。
痛みだけを、残して。今はせめてもの慰めに……おやすみなさい。