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旅人の噺  作者: 海迷
2/2

兄妹との小噺


古びた道場だった。

看板にはおどろおどろしく、『シキ道場』とあった。





「おーい。ハル、ナツ!」


「あっ! ナギちゃんだ!」


「・・・久々だな、クソガキ。」


「ハル兄! クソガキはナギちゃんがかわいそうって言ったでしょ!」


「・・・いやそのナギちゃんの方をやめてほしいんだが。」


「2か月ぶりだねー。今度はどこいってたの?」


「そこは無視なのか。」


「・・・で、どこに行ってたんだ、クソガキ。」


「あー。とおいところの知り合い。というか、変人。」


「・・・そうか。」


「変人って、ナギちゃんそれはひどいよ。」


「いや都合のいいとこだけ無視するナツよりはマシだろ。」








ハル。


ナツという11歳ぐらいの少女の兄である。


年齢は16~18ぐらいだろうか。


ハルとナツの髪と瞳の色は、ド派手である。


ハルは青い髪に青い瞳。


ナツは緑の髪に緑の瞳。


2人はこの『シキ道場』を守っている。


とはいえ、もう門下生はいないのだが。


彼らは、トアナ族という一族である。


悲しい種族であった。


戦争によって遺伝子が変化し、人間離れした子どもが生まれるようになってしまった者、またその子どもを、トアナ族と言う。


トアナ族はずっと迫害されていた。


ハルとナツはこの道場を守りながら、同じ種族が現れるのを待っている。








「んで? トアナ族は見つかったか?」


「・・・様子をみてわからんか。」


「見つかってない・・・。」


「そうか。」


「・・・クソガキはなにか掴んだか?」


「ああ。」


「「!!」」


「東のほうに、ユキと名乗る、占い師がトアナ族だという情報を手に入れた。」


「ほんとっ!?」


「まあ情報というか噂だけどな。よく当たるらしいぜ。」


「・・・ユキ、か。」


「おう。」


「・・・行ってみる価値はありそうか?」


「ある、とは言い切れねえが損はねえと思うぜ。」


「なんでー?」


「占い師だからなっ! ユキがトアナ族じゃなくても楽しめるだろ。」


「・・・単純だな。」


「ナギちゃんだもん・・・」


「・・・お前ら・・・ケンカ売ってんのか?」


「・・・ナツ。支度をしろ。すぐに出るぞ。」


「はあーい!」


「もう行くのか?」


「・・・ああ。」


「おれもついてっていいか?」


「・・・勝手にしろ。」


「ハル兄! 準備できたよ!!」


「はえーなナツ。」


「・・・どうせナツは玩具しか持っていかないからな。」


「玩具もってってなにするつもりなんだ、ナツは・・・。」















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