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交わりの地タナトシェル〜伝説のテリマヨ〜

 再び私の前に香ばしく食欲を刺激する匂いを身にまとった一品が差し出されました。


 大きな三個の肉団子にはたっぷりの野菜あんかけがかけられています。火で炙られ焦げ目が付き独特の香ばしい香りがとにかく印象的です。


 大きな肉団子を二つに割り野菜あんかけをたっぷり絡ませて口に運びます。なんですかこれは? 


 甘辛い餡が肉を包み込み、もう筆舌にしたがい程の旨みと食感が私に降りかかります。お肉の味と絶妙な甘みと塩気、そして外側はしっかりとしていて中はジューシー。


 噛みしめる度に肉汁が中から溢れてくるのがもう堪りません。あっという間に二つに切り分けた肉団子をお腹に収め、二個目を切っているとソフィアさんが話しかけてきました。


 「二個目は是非『テリマヨ』で召し上がってください」


 テリマヨ? 聞き覚えのない単語です。戸惑っていると、同じように隣で二つ目の肉団子を切ったアレンさんがパンを手に取り、切れ目から上下二つに分けて皿にもう一度置きました。


 パンには薄黄色っぽいソースが塗ってあります。アレンさんはそこに葉野菜を置いてから野菜餡をスプーンで乗せ、切った肉団子と共に上のパンで挟み込みました。


 同じようにしてみますが、このソースは見たことがありません。黄色いので卵の黄身でしょうか? 


 ほんのり酸っぱい匂いがするのでお酢も使っていそうです。味は予想できませんね。


 とにかく、この美味しそうの塊をいただきましょう。


 「んっんふ〜っ♥」


 一口かじるとソースと野菜餡の絡んだ複雑な味が、お肉と葉野菜の食感を際出させて何とも言えないハーモニーが口の中に広がりました。


 声にならない、はしたない呻きが口から漏れてしまうほどの私が味わったことがない極上の美味!


 無言で味わい尽くし、二つ目のパンも同じようにいただき、気がつくとお皿には少し野菜餡が残るだけになってしまいました。


 少ししょんぼりしながらフォークでゆっくり餡を集めているとソフィアさんが薄く切ったパンにあのソースを塗ったものを三切れ渡してくださいました。


 『キュピーンと来たら即実行!』


 恐らくですが過去一の笑顔でパンを受け取り、神の御言葉に従い自分を信じてパンで皿を拭って口に運びます。


 これが、テリマヨ!


 餡の甘辛さをソースの何とも言えないまろやかな酸味が包み込みます。もう私テリマヨの虜です。


 「気に入っていただいて良かった。あのまま味が戻らぬまま100年の味を失わせてしまうところでした。ありがとうございます」


 100年、そのような歴史のあるソースでしたか。納得の味です。


 余韻を楽しみながらソフィアさんのご事情を聞いていくと、根本的な原因がわかりました。


 それは、お父様を襲った謎の昏睡。目が覚めぬまま3ヶ月…………この症状も私知っています。

 

 『オアンドルマン』被害者の新陳代謝を極限まで落とし、生きたまま寝かせる魔法毒。


 この毒の恐ろしい所は、知識がない人間には全く理由が理解できないことです。間違いない、あのボンボンの陰謀でしょう。


 完璧に証拠の残らない企みでしたが…………貴方の過ちは一つ。


 テリマヨに手を出したことです。


 愛の神様が使わせし愛の神官アリスが、貴方の陰謀を打ち破りましょう!


 


 



 

 


 


 


 

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