表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/21

最後の博打

家計簿をつけていて、収支を取っていた。勘定の合わない項目に、不審は依然、募っていた。彼氏が同棲前から、していた借金。あと二、三年で返し終わると言っていた頃から、4年くらいは、経っている。ガソリンとか、車検とかと言っていた、返済のみのカードの明細に手を伸ばす。ふと…、ある文字で、視線が止まった。

キャッシングご利用額?月々15000円?

「ただいまぁ」いつもの間延びした声が、玄関から聞こえる。

「ねぇ、この明細のキャッシングって何?こういう機能ないし、返済のみって言ってたよね、これ。」

丞が明細書を受け取るなり、膝から崩れ落ちた。一向に頭を上げてくれない。

「これ、どういう意味?何か借りてたの?」

観念したように、丞が口火を切った。「ごめん。お金が手元にないと不安で、借りてた…」

私の中で、ずっと疑問だった事が、色が合わさるルービックキューブみたいに、音を立て始めた。

「もしかして、この前、不正利用だと思って、キャリアに問い合わせた携帯合算払いの不審な13万、3万しか戻らなかったやつも、ゲームに使ってた?」

「多分。記憶にないものもあるけど。」

「ノートって名目もあったけど、まさか…。」

「競馬予想の有料記事だと思う。ごめん、ごめんなさい。」

「ちょっと待って。記憶にないものもあるって?どういう事。」

「自分でも、使った覚えが無いものがあったのは、本当なんだ。」

正直、この期に及んで嘘を吐くほどの内容ではない。

大本の借金自体、動かない証拠がある限り、彼が憶えていない額は、誤魔化しても微々たる額でしかない。

「私たちの記念日、言ってみて。」

え・・・、と言うなり、彼の言う日付は、正しかった。

「じゃあ、私たちが出会ったのは、何月何日?」

ふと言った彼の日付に、思わず耳を疑う。

何度も繰り返してきた、ケーキまで用意を毎年重ねた日付がおかしい。

かすってもいない。

「違う?」不安が宿る彼の瞳目掛けて、私は言った。


「貴方は誰?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ