第1巻 第2章 第3話「執筆ペースが落ちるが、アイデア浮上」
蒼月トウカはデスクに向かい、原稿用紙を前にペンを握った。
だが、今日はどうも筆が進まない。
「うーん、どう書けばいいんやろ…」
深いため息をつくトウカに、桐生さくらがそっと声をかける。
「ウチ、ちょっと手伝おか?」
「ありがとう、さくら…でも、自分で考えたいんや」
トウカは微笑みながら答えるが、手元の原稿は真っ白に近い状態だった。
午前中は試行錯誤の連続だった。どのシーンも、どうしても似たり寄ったりに感じられ、集中力も散漫になっていく。
「こういう時こそ、周りの意見も取り入れるんや」
伏見美琴の声が頭に響く。彼女は冷静な眼差しで、ノートを広げながらアドバイスをくれた。
昼休み、男の娘の朝比奈が現れる。
「ウチ、面白いアイデア思いついたで!」
「ほんまか、聞かせて」
トウカの目が少し輝きを取り戻す。
朝比奈はにやりと笑い、男女どちらの口調も使い分けながらアイデアを披露した。
「主人公が思わぬ失敗をして、それをヒロインたちが助ける…でも最後はギャグで締めるんや」
「なるほど…これは使える!」
トウカはペンを持ち直し、アイデアを書き留めた。
午後になると、男性陣も意見交換に加わり、日常の小ネタやギャグを提案する。
「俺はここでツッコミ入れたいな」「ウチはこういうリアクションがええと思う」
ヒロインたちは微笑みながら観察しつつ、適宜助言をくれる。
少しずつ、原稿の白いページに文字が並び始める。
「やっぱり、アイデアは人とのやり取りから生まれるんやな…」
トウカはそう実感しながら、再び集中力を取り戻していった。
夕方、完成したシーンを読み返しながら、トウカは小さく頷く。「今日も前進できたな…」
ヒロインたちや協力者たちの存在に感謝しつつ、回帰引き継ぎ作品は少しずつ形を成していく。




