第6巻 第3章 第1話 「ヒロインとの感情的クライマックス」
公開から数日が経ち、蒼月トウカの部屋には笑顔と緊張が混ざった空気が流れていた。
ヒロインたちはそれぞれ、彼の完成作を称えながらも、どこか胸の内に言葉をためているようだった。
桐生さくらが、そっとワシの肩に手を置く。
「ウチ……トウカさんのこと、応援してよかったって思うわ」
ワシは目を細め、自然と笑みがこぼれる。
「ありがとう、さくら。ウチの気持ち、ちゃんと受け止めるで」
紫苑は少し離れた位置から、冷静に観察するようにワシを見つめる。
「あなた、最初は不安そうやったけど……よくやりきったわね」
「そやな、紫苑。ワシも驚いてるわ、自分の成長に」
伏見美琴が少し顔を赤らめて小声で言う。
「ワシも……あなたのそばにおれて、よかった」
天音とほのかも恥ずかしそうに微笑む。
「ウチもや……なんか、言葉にできへんけど、嬉しいんや」
九条つばめは、ちょっと大げさに胸を張り、からかうように言う。
「ほら、主人公の座はワシが見張ってるで!……って、あかん、心臓がドキドキしてきた」
男の娘ユイも、いつもの明るさで場を和ませる。
「ワシも……やっぱり、トウカの隣がええんちゃうかな」
ワシは深呼吸を一つして、全員を見渡した。
「みんな……ワシは、ほんまに幸せや。お前らと一緒に、この作品を書けて、そして完成できた。ありがとう」
その瞬間、部屋に静かな時間が流れる。
ヒロインたちの目は、ワシだけを見つめている――そしてそれぞれの気持ちが、言葉にならずとも伝わってくる。
ワシは心の中で思った。
「これが、書くことだけやなく、共に過ごした時間の意味やな……」
その夜、蒼月トウカとヒロインたちは、初めて心からの感情をぶつけ合う時間を過ごした。
友情、信頼、そして恋――すべてが混ざり合い、物語のクライマックスにふさわしい夜となった。




