第6巻 第2章 第5話 「作品公開、そして読者の反応」
「ついに……公開やな」
蒼月トウカは画面を前にして深呼吸した。
ワシの手が少し震えるが、机の上にはヒロインたちが並んで見守っている。
桐生さくらがにこっと笑いながら言った。
「ウチ、ドキドキするわ。読んでくれる人、楽しんでくれるかな」
「大丈夫や。みんなの力で完成したんやしな」
ワシは自分に言い聞かせるように答える。
画面に「公開」ボタンを押す指が触れる。
カチリ――。
同時に通知が飛び交い、SNSや掲示板で感想が次々と流れ始めた。
「すごい……みんな絶賛してるで!」
紫苑がスマホを差し出す。そこには「感動した」「回帰の描写が面白い」「キャラクターが生き生きしてる」とコメントが並んでいる。
伏見美琴は目を輝かせて言った。
「ウチ、こんなに多くの人が読んでくれると思わへんかった」
「これで……報われたんやな」
ワシは胸が熱くなるのを感じた。
九条つばめが笑顔で差し入れのコーヒーを手渡す。
「作品も大ヒットやけど、あなた自身もみんなに愛されてるで」
天音とほのかも、楽しそうに通知画面を眺め、歓声を上げる。
男の娘ユイも冗談めかして言った。
「これでワシも、ちょっとは有名になれるんちゃう?」
「いや、ユイのファンは確実に増えるわな」
笑い声が部屋に広がる。
蒼月トウカは画面のコメント欄を眺めながら、ふと思った。
ワシはこの作品を書いて、ヒロインたちと共に成長してきた。
そして、読者がその努力と物語を心から楽しんでくれている――。
「みんな、ありがとう……そして、これからも書き続けるで」
ワシは静かに決意を固め、ヒロインたちの笑顔を胸に刻んだ。
これが、蒼月トウカと『回帰引き継ぎ』の新たな始まりだった。




