第1巻 第1章 第4話「協力者との交流、裏方の紹介」
「今日は打ち合わせやで」
蒼月トウカは朝一で編集部へ向かう。作中作『回帰引き継ぎ』の執筆も進んできたが、協力者たちとの連携なしでは質を上げることはできない。
「ウチも同行するわ」桐生さくらが微笑む。彼女の柔らかい京都弁は、どんな緊張感も和らげてくれる。
編集の伏見美琴は、机に並んだ原稿を手に取りながら言った。「トウカさん、このシーン、もう少しキャラクターの個性を出したほうが読者の心に残るかと」
「なるほど…そうやな」ワシを混ぜた口調で頷きながら、トウカはメモを取る。
アシスタントの九条つばめは、どこか落ち着きのある京言葉で、登場人物のデザイン案や背景設定を整理していた。「このシーンの背景は、洛北の町並みにすると雰囲気が出ますえ」
「うん、ええ感じや」トウカは目を輝かせた。59歳の落ち着きと20歳の若さが混ざった頭で、複雑な修正案を整理していく。
その傍ら、男の娘の天音が軽口をたたく。「ワシ、このシーンにちょっとイタズラを加えてもええか?」
「…ええけど、やりすぎたら怒るで」トウカは苦笑しながらも、少し楽しげな心持ちで了承した。天音は男女両方の口調を巧みに使い、会話のバランスを微妙に崩しては和ませる。
「こうしてみると、裏方の力って大きいな…」トウカは静かに呟く。彼一人の力では到底、この長編作品は完成しない。協力者たちの意見や技術が、物語に彩りを加えるのだ。
「ウチも手伝えることあったら言うてな」桐生さくらは控えめに言った。彼女の献身的な性格が、チームの空気を優しく温める。
午後になると、修正や加筆作業が続く。伏見美琴の提案でセリフのトーンを調整し、九条つばめの資料で舞台背景を整え、天音が笑いを交えた小ネタを追加する。
小さな改善が積み重なり、原稿は前よりも鮮やかに生き生きとしたものになっていく。
夕方、作業を終えたトウカは原稿を閉じ、静かに息をついた。「今日も一歩進んだな…」
「ええ感じやで、トウカさん」九条つばめが微笑む。
「ウチも、次回のシーン楽しみや」桐生さくらの言葉に、トウカは自然と頬を緩めた。
こうして、協力者たちとの交流を通して、蒼月トウカの作品は少しずつ形を成していく。笑いと知恵、時には小さな意見のぶつかり合い――すべてが、この作品を完成に導く原動力となるのだった。




