第1巻 第3章 第5話「回帰の効果確認、執筆意欲増大」
蒼月トウカは深夜、静かな部屋で机に向かっていた。
「今日の執筆はここまで…」
ワシ、と一瞬つぶやき、肩を伸ばす。身体には昨日より少しだけ自信が宿っていた。回帰を経験したことで、反射や判断力、筆の速度が格段に向上しているのを感じるのだ。
机の上には、ヒロインたちの書き込みメモやアイデアノートが散らばっている。桐生さくらの小さな手書きメモ、伏見美琴の細かい心理描写のアドバイス、九条つばめの鋭い指摘……どれも自分の作品をより良くするための貴重な情報だった。
「ウチ、昨日の文章、ちょっと改良したんやけど…」
柔らかい京都弁でさくらが画面越しに報告してくる。
「おお、見せて見せて!」
トウカは笑顔で応え、文字の修正箇所に目を通す。細かい表現の改善が施されており、思わずうなずく。
そのとき、男の娘がにやりと現れた。
「俺としては、ここでこう動かすと読者が喜ぶんとちゃうかな〜」
「ウチも同意やで」
男性陣と女性陣が口々に提案し、意見が飛び交う。混乱しながらも、楽しげな空気が部屋を包む。
「うーん、なるほど。確かに回帰したからこそ、この心理描写と駆け引きの組み合わせがスムーズに書けるんやな」
ワシ、とつぶやきながら、文字を打ち進める手が止まらない。
気づけば数時間が経過し、画面には完成に近い章の文章が並ぶ。
「これなら読者も楽しんでくれるやろ」
トウカの目は輝き、心の中でモチベーションが大きく膨らむ。
天音がブレスレットを揺らしながら笑う。
「トウカ、筆のノリが前よりずっと良いで!」
「うん、回帰経験のおかげやな。もっと面白い場面を書き込めそうや」
夜が深まる中、笑い声とともに文字が生まれ、トウカの回帰引き継ぎ作品は少しずつ完成形へと近づいていった。
「よし、次の章も全力で書くぞ!」
今日も、新たな物語のページが紡がれる――回帰の力を実感しながら、蒼月トウカの執筆意欲はますます高まっていた。




