第1巻 第3章 第4話「男性陣・男の娘の駆け引きで微笑ましい混乱」
執筆中の蒼月トウカの周囲は、静かな机の灯りに照らされていたが、時折騒がしい声が混じることがある。
「おう、トウカ、今の展開はこうしたらどうや?」
男性陣の一人が、標準語で提案してきた。力強いがどこか陽気な口調に、トウカは思わず笑った。
「うーん…なるほど、でもここは回帰後の心理描写を重視したいねん」
ワシ、と時折混ざる59歳の感覚が、冷静な判断を補助する。
すると男の娘が、にやりと笑いながら話に割り込む。
「せやけど、俺としてはこういう展開のほうがウケるんとちゃう?」
ウチ、と言い換えたり、俺と言ったり。周囲の男性陣も女性陣も、一瞬戸惑いながらも微笑む。
「なんや、その口調…混乱するやん」
伏見美琴がウチ口調で呆れたように言うと、男の娘はまたにやり。
「だから面白いやん、ギャグ回にもなるし」
天音がブレスレットを揺らしながら、楽しそうに笑う。
「せやね、トウカも書きやすいやろ?」
「うん、逆に笑えるしヒントにもなるわ」
九条つばめが京言葉で静かに分析を始める。
「この駆け引き、読者が読んだら自然に笑うやろな」
「せやせや、俺もそう思う」
男性陣が揃って賛同すると、男の娘は少し得意げに胸を張る。
桐生さくらは柔らかい京都弁で囁いた。
「ウチ、こういう場面好きや…トウカの書く話、もっと面白くなりそう」
「ありがとな、さくら」
トウカは微笑みながら、文字を打つ手を止めずに考えた。
周囲の声が混ざり合うこの瞬間こそ、創作の楽しさであり、彼の執筆意欲をさらに引き上げるものだった。
「よし、回帰後の心理描写にこの駆け引きも加えよう!」
笑い声とともに、今日も新しい物語のページが生まれ始める。




