第1巻 第3章 第3話「ヒロインとの会話・協力シーン」
蒼月トウカは部屋の机に向かい、キーボードを前に考え込んでいた。
「次の展開、どう書こう…」
チラホラとワシの口調が漏れるのは、まだ変身時の感覚が残っているせいか。20歳の身体に、59歳の経験が微かに混ざる感覚に戸惑いながらも、心は前向きだった。
「ウチ、アイデアあるで!」
桐生さくらが隣で膝をつき、ノートを広げる。柔らかい京都弁で提案されると、自然と耳が傾く。
「例えば、主人公が回帰能力を使って失敗を繰り返すんやけど、ヒロインたちがそれぞれ工夫して助けるってどうやろ?」
トウカは目を輝かせた。
「なるほど、それやったら読者に成長や絆を見せられるな」
「せやろ?ワシも手伝うわ」
紫苑が舞鶴弁混じりにそう言って、静かに微笑む。その目は他の人とは少し違い、トウカは不思議と安心感を覚えた。
「ほな、具体的に誰がどの場面でどう動くか決めよか」
伏見美琴が京都寄り関西弁で提案。九条つばめも京言葉でサポートし、天音とほのかは微笑みながら助言する。
「男の娘も絡めたら、ギャグ回としても面白くなるかもな」
「せやな。俺もウチも混ざるで」
男の娘が男女両方の口調で軽口を叩き、場の雰囲気は柔らかくなる。
「ふむ…それならトウカ、回帰した後の心理描写も具体的に描けそうやな」
桔梗が洛北弁で言い、トウカは頷く。
「よし、じゃあ書き始めよう。みんな協力してくれてありがとう」
一つのアイデアが形になり、文字として生まれる瞬間。ヒロインたちと過ごす日常の中で、トウカは次第に作家としての自信と確かな手応えを感じていた。
「今日も書くぞ、俺の物語!」
ワシ、あるいは俺――その混ざる口調が、彼の新たな決意を象徴していた。




