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このお花畑のお嬢様が

作者: あまね

イライラするお嬢様。

名誉のために言っておくと随分と苦労されている。

浮気性か、はたまた愛のうでが広き婚約者が悪い。


隠れるならもっとこそこそと隠れればいいのに、学園の庭で仲良く睦まじく、ささやきあっているのかと言うぐらい身を寄せ会う。


噂してくださいと言っているようなもの。


慰めなど間に合わぬぐらい、気の迷いと言えぬぐらい、まぁそれは絵画のごとく、綺麗に見えた事でしょう。


他人には、無関係の人たちなら。

あるいは画学生ぐらいなら残して後世に伝える題材ぐらいにはなったでしょう。


まぁ歴史に名を残すかは知りませんけど。


言うじゃありませんか

歴史なんて飾り立てて並べられて、あれがまずい、これがまずいなんてグルメ気取りが、神の視点のごとく綺麗な物語仕立てで批評するにすぎないと。


お嬢様の婚約者だって花に戯れる虫のように時に蝶のように華やかに、時に毒虫が如く描かれるものに過ぎないと考えると幾分かマシと言うものです。


まぁそんな言葉など接点などない私は好き勝手に同情も憐憫も、憤怒も井戸端で行うだけ。


グルメ気取りですもの。

酸いも甘いも 他人の不幸な蜜も

勝手に批評しながら、過ごすのです。


もし、この先お嬢様が。


恋に生きようが

仕事に生きようが


家のために尽くそうが

人のために尽くそうが


誰かを不幸にしようが

自分を不幸にしようが


誰かと幸福になろうが

いつか幸せになろうが


きっと手を差し伸べるのは私ではない。

手を差し伸べたことなんて何時だってないもの。


手折るものでも、愛でるものでもない。

だって住む世界が違うもの。


愛に生きるようなお花畑に住んでいないもの。

名誉で生きる事なんて無縁だもの。


つまるところ私はきっと無意味に生きているもの。

すこしばかりのお金で現実的に生きてるもの。


華やかなドレスを纏いながら喜怒哀楽する人生なんて、味わいたくもない。


あぁ 神様がいるのならば

私を囀ずるだけの卑怯ものと


批評してくださってもかまわない。


酸いも甘いもない。

他人にそんな娯楽など提供したくないほどに


私は無意味に生きていきたい。






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