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龍王の娘としての1日(2)

ドラグノスとの団欒が終わった俺は、さっきの部屋に戻ってきていた。

ここは俺が目を覚ました部屋と同じ、要するに俺の自室だ。

親父とは言え王様だからな、ずっと一緒にいる事は難しい。

だから、俺は基本セレンに身の回りを世話してもらっている状況です。


さて、状況整理も踏まえて今度は俺が生まれてから今まで、どんな生活をしているか教えよう。

まず、朝になって俺が目を覚ますとセレンが俺の服を着替えさせてくれる。

ヒラヒラのワンピースみたいな服だけど肌に優しくて着心地は最&高。

お次は朝食、と言ってもまだ赤ん坊だからミルクなんだけどね。

これを哺乳瓶で抱っこされながら飲ませてもらう。

吸うのに結構力がいるけどこれも赤ん坊となった今の俺にとっては一種の運動だ。


「んぐ…うぅ…んっ」ゴクっ


これがなかなか美味い。

なんて言うかほんのり甘いし飲みやすいし…粉ミルクとは違うのかな?

固形物を食べられない今の俺にとっては唯一の御馳走だ。


「ふふ、そんなに慌てないでゆっくりお飲みください。」


飲み終わると吐かないようにゲップをさせられて再度ベッドへIN。

これも前世の赤ん坊と同じ。

吐き戻しは体に負担がかかるし、何よりミルクを飲まなくなるかもしれないから必要な事なんだってさ。

基本これの繰り返し。俺が思ったことはただ一つ…暇だっ!!

暇すぎる!!何もすることがねぇ!!退屈で死にそうだぜ!!

…と言っても生まれたばかりの赤ん坊だから自分では何もできないし…

セレンやドラグノスがくれたおもちゃもそろそろ飽きたし…

体は赤ん坊でも心は男子高校生のままだもんな。

前世にはゲームやらアニメやらいろいろあってなまじその知識を持っている分余計に退屈を感じてしまう。


セレーン、セレンさーん。暇だよぉ、遊んでくれよぉ。


「あぁ、ううぁっ…むぅ」

「フィーシャ様?どうされました?セレンはここに居りますよ?」


分かってんだよ!だから呼んだのっ!遊んでくれっ!!


「うぅっ!!」バタバタ

「セレン様、姫殿下は退屈されているのでは?」


ん?知らない声だな、誰だ?

セレンに抱っこされながらドアの方に視線を向けると、

まるで炎を思わせる赤髪をゆったりと結わえた男が扉の前に立っていた。

うわぁ、何だあのイケメンは。


「あら、リオラ。そう言えば今日からフィーシャ様の側付きとなったのでしたね。」

「はい、遅くなり申し訳ございません。龍王陛下より姫殿下のお話を伺っていたところ長引いてしまい…」

「そうでしたか。フィーシャ様、この者はリオラ。本日よりフィーシャ様に仕える騎士です。」


紹介された後、リオラは優雅な動作で俺の前に膝を着いた。

王子様と言われても疑いようが無い立ち居振る舞い。

気品溢れる顔立ち。髪は炎を思わせ、瞳はまるでルビーの様な真紅色。

軍服にも似た服をさも当然のごとく着こなすエレガントさ。

その姿はまさに紳士だと思わざるを得なかった。


「ご紹介いただきました赤龍騎士団所属のリオラと申します。姫殿下フィラルシェーラ様、以後お見知りおきを。このリオラ、龍と騎士の誇りにかけまして姫殿下の御身をお護り致します。」


あぁ…眩しいっ。そんなキラキラした顔で俺を見るなぁ…。

前世が陰キャだっただけにこういう聖属性の陽キャには耐性が無いんだよ。

でも、悪いヤツじゃない事は確かだ。イケメンだし。

こんな礼儀正しいイケメン、いや紳士が悪いヤツだなんてあり得ないだろ。イケメンだし。

正直、前世の俺のまわりにいた連中があまりにもこいつとかけ離れていて比べる事自体おこがましいと思う。

とりあえずこちらこそよろしくな。えっと名前がリオラだっけ…


「いぃ…うぅ…」


あぁ、やっぱうまく言えないわ…ごめん。

何から何まで俺は赤ん坊なんだな、これからが大変だ…


「あぁ、私の名前を呼ぼうとしてくださるとは…なんと心優しきお方でしょうか。是非、立派なレディとなられたときに改めて…」


リオラは俺の手に口付けるとやっぱり優雅に後ろに下がった。

わぁ、手にチューされたぁ…これってすべての女の子の憧れってやつじゃねっ?

心は男のままだから正直すごく複雑だけど…

でも、リオラが側付きになったってことは…少しずつでも生活が変わるってことかな。

少し…いやかなりワクワクしてきたかも…!!!

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