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フィラルシェーラ、3歳になりました

高校生で自殺して、龍王国の王女フィラルシェーラに転生し早3年。

俺は今…試練に挑んでいる。


それは…


「はい、王女殿下。少しだけチクっとしますよぉ。」


採血!!注射!!この世界にもやっぱり注射はあるのね!!


「ゔぅぅっ…!」

「すぐ済みますからねぇ。我慢ですよぉ?」



「はぁい!おしまいです!よく頑張りましたねぇ。」

(はぁ、いくつになっても…いや転生しても注射は苦手だ…)


今日は健康診断。正確には成長に伴って成長するある器官の状態を確認する為の検診の様なものだ。


「龍族は3歳になると“龍器”と呼ばれる器官が覚醒します。覚醒直後は龍器に異常が現れやすいのでしっかり検査しなければなりません。」


龍器とは、龍族にとって心臓に等しい物で失ったり深く傷付けたりすると長くは生きられないらしい。また、龍族は基本的に病気にはかからない。だが、宮廷医師のヴェルディ曰く龍器に異常があると病気にかかりやすくなる上、治りにくくなるらしい。


「もうおしまい?」

「次の検査で最後です。この台の上に横になってください。」


ヴェルディの視線の先には線や文字が刻まれたガラスの様な透明な台があった。

少し不安になってセレンとリオラに視線を向けると「大丈夫」という様に静かに頷かれた。

意を決して台に登り、仰向けになるとヴェルディが眼鏡を外して近づいてきた。


「最後に王女殿下の龍器の色や形、動きを確認します。龍器は龍族には誰にでもありますがその色や形はそれぞれです。今回は記録用なのですぐに終わります。では、気を楽にしてくださいね。」


前世でもこんな検査あったなぁと思いつつ、少し気恥ずかしくなって目をキュッと瞑る。

時折、カリカリと何かを書いている様な気配を感じたが特に体に触れられる事も無く「はい、もう起き上がって大丈夫ですよ。」と声をかけられホッと力を抜いた。


「色も形も健康的でした。現段階では特に問題は無いかと思いますが詳しい結果は後日報告いたします。」

「ご苦労だった。これでようやく娘の生誕祭の準備に取り掛かれる。」


生誕祭、ようするに誕生日パーティの事らしい。

ただのパーティでは無く国民に姿を見てもらうパレードがあったり、他の国の偉い人に挨拶する食事会もあるのだとか。


(生誕祭の準備かぁ…ドラグノスも王様として参加するんだよな。)


正装のドラグノスやリオラを見ることができると考えると少しだけウキウキもしてくる。

何よりパレードには騎士団の団長が全員護衛として参加するらしいのだ。


(黒龍騎士団の団長だけまだ会ってないんだよな。どんな人だろ…)


バーネットやセイガ、ハクビは時折見かけるが黒龍騎士団の団長だけはいつも不在だった。


3人にどんな人か聞いた時、バーネットは…


「いい奴さ。きっと姫さんも気にいると思うぜ?」


セイガは…


「ふむ…子供好きな男です。姫君もきっとお気に召すかと。」


ハクビは…


「騎士としても龍としても尊敬に値する方ですわ。姫様もきっと惚れ…ゴホン、何でもありませんわ。」



「楽しみだなぁ…へへっ」

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