今日は晴れるかな? 一話 後編
Twitterに次にあげる情報を載せますので、
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「んー、今日もよい天気じゃな、」
窓から見える快晴に 笑う
ざっざっざっ
雑草を抜いていく
今年は、ずっと天気が良いから野菜がダメにならずに
済みそうだ、
遠くから人の話し声が聞こえる
作業を、一時やめ、顔をあげて 声のする方を見る
あやつがいた、
集落の住人と上手くやっているようだ、
大勢に囲まれて談笑している、
あやつがきて、もう4日か、時は、はやいのー
「おまさえさん、凄いな、重くねぇのか?」
「私の仕事手伝っておくれよ、」
「はい、構いませんよ」
全く、人が良すぎるのも大変だね
それを聞いてまた、雑草を抜く作業を再開した
5日目
「これで良いですか?」
ガラガラ
儂の家の隣の方から
音がする、
家から出て隣の家の方を見ると薪が
地面に山になって積まれていた
「あ、お婆さん!」
「お主、森に入ったのか!?」
服が汚れている、
「大丈夫ですよ、皆さんも来て下さいましたし、
一人では、入ってないですから、」
「ほ、本当ですよ!」
薪拾いを頼んでいたらしい女が言う
全力で手を胸元で動かす、別に怒ってはないんだがね
「お婆さんも要ります?まだ、余ってますから」
「全く、、、じゃあ、もらっておくよ、」
ニコニコしながら、渡してくる
こやつ、大丈夫か?
旅人なんかしてて、
溜め息をついた、
6日目
少し待ち、出てきたと思ったら、
「おや、また来たのか、」
「開口一番にいうことかい?塚爺さんや」
「すまない、で 何かあったのかい?」
「これ、あの子に食べさせてやりたくてね」
籠を渡す
「凄いね、美味しそうだ」
「ひょろひょろ、だからね、
にしても、どっかに行ったのかい?」
あれじゃ、折れそうだ
「あぁ、出掛けてるよ」
「また、頼み事かい?」
「怒らないでくれよ、彼には、ついつい、
頼みたくなるんだ」
「全く、」
「あれ?お婆さん、来てたんですね」
後ろに視線を送ると話していた あやつがきた、
両手に溢れんばかりの果物を持っている
「それは?」
爺さんが聞く
「これは、手伝ってくれたお礼と皆さんから
頂きました」
「そうかい、良かったじゃないか、」
「えぇ、…あれ?
その野菜は、どうしたんですか?」
塚爺さんが持つ籠を見ていう
「あぁ、これはね……」
「……明日は雨だな、」
ボソッと聞こえた声
空を見上げる
雲一つない快晴、
雨が降るとは思えない
顔を下げると、
もう、あやつは、いなかった、
⬜◻️
目をパチパチして、起きる
今日は野菜の収穫がある、
もう、起きないと
布団を畳 押し入れにしまう
にしても、今日は随分と静かだな
布団を片付ける間、誰の声も聞こえなかった
ガラッ
支度を済ませ、戸を開ける
儂は持っていた鎌を落とした
そこには、地獄が広がっていた、
「なっ、、、、」
⬜◻️
籠を背中から放り投げ、久しく走っていなかったが
走った
転びそうになりながら、駆け寄る
「塚爺さんや!!」
死んでいた、、
見れば分かる、生きている訳がない、
周りを見渡す、
辺り一面 死体しかなかった、、
家は、全部無事なのに、そこに住まう集落の住人は
全員死んでいた
・・・・・・・
首がない状態で
「あ、お婆さん」
!?
「はっ、」
聞き覚えのある声に振り向く
「生きていたか、!!お、ぬ、
し、?」
!?
腰が抜ける
バシャッ
何かが、服に付く
いつもの白装束に黒い見慣れない羽織を着ている
奴がいた、、
「っ、、貴様が、やったのか、、」
手にはナイフが、ナイフには、大量の血液が付着して
いて、
地面にポタ、ポタ
時より落ちている、
・・・・・・・・・
「そうですね、雨を降らせたのは俺ですよ、」
!?
【……明日は雨だな】
「っ、、」
鎌を右手に握る
「っ、き、きさまー!!」
あやつに向かって走る
「ふっ、一週間、ありがとうございました、お婆さん」
あやつは、
儂と初めて会った時と同じ笑みを浮かべていた
走っている最中に視界がぐらついて、見えなくなった
⬜◻️
「雨が止んだ訳だし、次の集落に行こうかな」
羽織が濡れたため、手拭いで、拭う
真っ赤に染まった それを眺め、
山から降り、ナイフを懐にしまう、
「ふ、さて
次はどこに雨を降らせようかな?」
ナイフに付いた血を指で取り舐めて笑った、
《西暦1884年》
とある狂人犯罪者がいた
その犯行の惨さから
その犯罪者は、首狩りと呼ばれた
地面には、
真っ白から真っ赤に染まった
タンジーが風に揺られていた
そして、
空には昨日と変わらず、朝から快晴だったとい
1晴れ 【首狩りと呼ばれた男】
次回をお楽しみに




