十二話目
第39話目~41話目
茨木のその綺麗な太刀筋に見惚れそうになるも気をしっかりと持ち自分にかせられた物を消化する。
1匹目の首を左斜めの振り上げで対処しかし。
三雲「くっ浅いやはり石の槍戈では力不足か」
そもそもいくら気力撃で強化し鰻包丁の形を模していると言っても槍 本来の役割は打撃と刺突がおもそれに刃渡りも20cm未満なので当たり判定も短剣並み。
代案として角大刀を出そうと思ったか折角犬鬼から押収した腰の歩兵用小剣を試す事とした。
持っていた槍戈をひとまずワンタッチで仕舞えるPSDに一時的にしまい小剣の鞘の留め具を外し引き抜く。
引き抜いた小剣に某サイボーグ忍者の事を考えながら雷属性の魔力撃を付与し切り損ねた首を上から斬り下ろす今度はまるで空振りしたかの様に手応えがなく不思議に思っているとずるり首が落ちる。
どうやらイメージ強度が良過ぎて小剣が超振動してしまっているようだった。
一先ずはしっかりと止めが刺せると気持ちを切り換えて2体目、3体目と次々と処理していき4体目の首を斬った所で他狂った鬣犬は茨木とマキナそれに玄龍が倒しきっていた。
成績で言えば自分が4体、茨木が5体、マキナが2体、玄龍1体を倒し残りの2人は、というとアナグマは洋弓銃を構え、ラベンは、魔術を2、3発術式待機をして後続が来ないか警戒をしていてくれた。
アナグマ「後続は...無いようやな」
ラベン「えぇそうみたいね」
2人は一先ず警戒のレベルを少し下げアナグマは、番えていた矢弾を外し弦も前に戻すが洋弓銃は構えたままにラベンも待機状態の魔術も解除するしかし杖は構えたままに。
そんな2人を横目に自分は自身が倒した分だけでも血抜きをしようと1体目の狂った鬣犬に近付くとそこには灰の様なものが山に変わったおりその上には倒した狂った鬣犬と同じ大きさの1枚の毛皮の敷物様なものが置かれていた。
その光景やや戦々恐々しつつも一先ず回収はしないとと思い〔しゅっパット〕毛皮を引き上げると今度は灰の上の〔コロコロ〕っと直径数cmの濁りのある半透明で黒と紫のマーブル柄の石が転がり落ちた。
それも念のため回収し自分の分は全部回り同じ様に灰になっているか確認した。
結果で言えば2体目4体目は石のみ、3体目は牙が数本と石1個となった。
それから2~4体目全部どころか倒した狂った鬣犬は全てドロップ品?を残して全部灰と貸していた。
『うぅーんここまで警戒の方ばかり気を取られて他のグループの戦闘前後なんて気にしてなかったなもしかしたら周辺を観察していたらこんなに驚かなかったかな?』
と悶々とドロップを両手にややベテランなチームメンバーの2人と護衛のもとに歩いている。
アナグマ「最初は石器で止めを差しに行ってハラハラしとったけど浅いと分かると直ぐ変更したところ好感がもてるのー」
アナグマ「剣でもそつなくこなせる所を見るに三雲はんは結構器用貧乏やのーそれに少し離れていても良く見える武器の発光...そろそろ皆はん戻って来るやろうからこれ以上言わんときますわぁ」
その後自分と同じ自身が手を下した分は回収した茨木と護衛をしながら遠くから手持ちの兵装で倒したマキナの代わりに戦闘スタイルの都合で前線に来た玄龍はマキナの倒した分も回収し2人も戻ってき再び移動を開始した講習者の列に着いて行きつつもパーティーメンバーとドロップ品の山分けについて相談する。
ドロップ品の種類分けは石12個、毛皮4枚、牙5setとなっていた。
ただアナグマがレアドロップが無いことに悔しがっていたが山分けに関しては一度リーダーであるアナグマが一括管理したこのダンジョンからでたら全て冒険者ギルドに売却しそのお金を6人で分ける事となった 。
一先ずは山分けの話も終わり前のグループに離れない様について行き前方の風景からそろそろ目的地の草原環境の端に着きそうな雰囲気がしてきた。
なぜ分かったかというと大気の流れと言うべきか左からはやや熱風が逆に右からは、冷風が進行方向に向かって風が少し吹いており頭上に雨雲が少し立ち込めてる上に目の前にどーんと突然区切られた様に森があった。
ただそうこうしているうちに草原環境の端にたどり着き講師がこの体験会に来たもののみに追加で補足適度の講習をしてくれた。
講師「この体験会に参加し此処まで来てくれた講習者達に追加の補足説明をさせて貰うよ。気が付いてる者もいるだろう」
講師「私は、野生の伏魔殿は、階層の無く様々な環境にその環境に合わせた様々な獣型魔物が生息していると講習で言ったね」
講師「でここからが補足と成るのだけれども一つ一つの環境が蜂の巣構造状にに分かれているだと言っても一応は徐々に環境が変わっている時もあれば今目の前にあるように突然切り取られて貼り付けられた様に環境が変わっている場所もあるんだ」
講師「例えばの話、雪原と砂漠に火山の環境が隣あっていたり湿地の隣に砂浜の海岸環境があったとかね」
講師「それと階層は無いけれども環境毎の高低差があって山脈や洞窟にテーブルマウンテンとか渓谷とかね殆どこのダンジョンがもうひとつの世界さながらにね」
講師「うちの冒険者ギルドでもこのダンジョン出来て50年以上経つけど全体像もダンジョンボスも迷宮核も把握しきれていないんだ」
講師「それでもある程度の傾向は長年の調査で分かっている事は恐らくは迷宮中央付近にある我々が入って来た入口近くの魔物は、我々人類種で言う所の能力の総合値が低く入口から遠くのブロック程高くなることや方位に合わせたように南に向かえば火属性の魔物や環境が東に向かえば風属性の魔物や風や木にまつわる環境が出やすい事が分かって来てはいるんだ」
講師「この方向と魔物や環境の属性に関しては東方の国の四神という説や錬金術の4元素という説があるが野生の伏魔殿は4週間でダンジョンのリセット現象が起きてしまい隣合った環境の組み合わせたも変わってしまい西と北それと中央の属性が変わっていまい特定が長い間出来ていないんだ」
講師「さてこれで補足情報は、一応この迷宮例に漏れず移動用の術式が2、3ブロック毎あり行き帰りの心配が無いことと帰り用の術式に乗った時は1番最後入ったり入出口に送られるって事位かなではこれからギルドに戻りギルドの入口で解散、なので誰1人欠けずに戻れる事を祈るよ」
――――――
と講師は、補足の解説?をすると爪先を左右トントンと地面を叩き軽くストレッチをすると
講師「では軽く試験の様なもの物を開始しますこれから私は先に走って出口まで戻っています。あなた方はチームメンバーでこの先の左右どちらかの環境に入り帰還術式を使い出口に戻って来て下さい」
講師「念のため先輩冒険者のチームが遠目から護衛はしてくれますが緊急時以外は手を貸してくれません」
講師「それとヒントとして現状は、右側の環境は、【森林環境】左側の環境は【密林環境】になってるよ」
講師「ヒント2として帰還術式がある場所には、フィールド式迷宮では共通して祠の様な建造物があるから目印にするといいよ」
講師「では私は先に出口で待ってるよ一応ダンジョン探索の試験擬きとして来たときの時間2時間半に少し余裕を持たせて3時間以内に出口に戻って来て下さいそれでは」
その言葉を最後に講師は物凄い速度で出口方向に走り抜け消え去ってしまった。
この体験会に来ていた冒険者は皆「環境の境界まで来てただ帰るだけじゃないのかよ」とから「普通に帰るんじゃだめなのかよ」とからやや発狂気味に泣き喚いているがその声で今まで先輩冒険者達が抑え込んでいた魔物達がじわりじわりと距離を縮めて来ている。
自分は気配察知で寄って来ることを察知し自分より感知範囲が広く年上の二人も分かっているようで互いに頷きパーティーメンバーと早期の決断をするため円陣を組み相談する。
アナグマ「う~ん茨木はん、マキナはん、玄龍はんちょっとこっち来てもらってええか?」
茨木「何?どっちに進むかって話?それとも」
マキナ「段々ト集マリツツアル魔物ノ事デスカ?」
玄龍「凄く嫌な気配ビンビンね」
三雲「皆さん気が付いてるいたんですね」
茨木「まぁソロで行動していてもこう言う風に集団で行動していても必須の技能だからね」
ラベン「みんな分かっているなら話が早いは、あんまり時間も無さそう出し直感で決めて左右どちらに進むか」
アナグマ「そうやな~多数決をとろかっ森林に進むべきと思うなら右手を、密林に進むべき思うなら左手をあげよか。自分が行きたくない方向でも怨みっこ無しやで」
アナグマの発言に全員文句も言わずお互いの顔を見合せ頷きそれぞれ行きたい方向の手を挙げる。
自分と玄龍は右手を残りの4人マキナ、茨木、ラベン、アナグマは左手を挙げる。
アナグマ「どうやら決まったやね三雲はん玄龍はん かんにんやけども密林環境に進むで」
どちらにしても進ま無ければ臨時試験?の帰還術式での帰還というに合格条件も満たせずなので大人しく進む。
ただここから先はこの今日初顔合わせの臨時パーティー1グループで進ま無ければならず全周囲警戒しやすい様にと輪形陣の隊列を組むことに。
前から前衛の茨木、リーダー兼探索者のアナグマ、遊撃の自分と玄龍がここだけ2列になりその後ろを魔力後方火力のラベンで最後に殿のマキナの順番で隊列を組み進む。
アナグマは、探索者らしく極力遭遇を避ける形でパーティーを誘導もし接敵した場合はマキナに短銃身の魔導式騎兵小銃で援護射撃してもらいながら自分、茨木、玄龍の三人で迎撃し密林環境を帰還術式を捜索しながら進む。
自分は、引き続き小剣を密林内でも使用、玄龍はバトルスタイルの都合問題無さそうだったが茨木は、さすがに鬱蒼と木々や草花が生えている密林内で大太刀を振るうのが難しそうで装備を大脇差に変更したところして戦闘している。
遭遇する魔物もオセロットやジャガー、蜘蛛に蠍後は時折矢毒蛙等地球の密林で生息している生物が魔物化したものが大半だった。
密林の中遭遇戦を時折しつつ帰還術式を探して1時間半も制限時間の半分が過ぎるも中々発見が出来ず、密林特有の視界の悪さや湿度に皆ストレスが溜まって来ていた。
ただ個人的に軍隊蟻や針蟻ベースの魔物が出てこない祈り、ストレス軽減に風のカッパをこっそりと使用した。
『【風のカッパ】っとよしこれでこのジメジメからは暫くおさらばだしかし中々祠の様な建造物が見つからないな』
『何か視力以外の方法で探さないとダメなのか?例えば地脈の流れを感じるとか』
しかし中々解決策が見つからないまま更に30分が過ぎ帰還術式も見つからず奥の手である魔物創造スキルでローラー探索を使用悩む中アナグマが口を開く。
アナグマ「皆はん気が着いておるか分からんがどうやらある地点だけ無意識に避ける様に誘導されているようなんや」
この言葉に比較的に自分と年が近そうなパーティーメンバー驚くもラベンのみやっぱりかーと何処か納得している顔をしていた。
ラベン「やっはりそうだったのねどうにも2時間かけても探索者がいるパーティーで帰還術式が見つからないなんてあり得ないものね」
アナグマ「いやー面目無い、しかしその地点はここからは5分とかからない座標やから直線で行って直ぐに帰還しようや」
皆それしかないと思いお互いの顔を見合わせ頷きその問題の地点に進路を向ける。
そちらに向かい初めて2分たった頃から確かに意識しないと進行方向をずらしたようなそんな意識が頭の片隅に生まれ進めば進む程その意識が強くなっていく。
真っ直ぐ進む意識をしっかりと持ち進むこと更に2分程で急に認識阻害の効力が途切れるがその代わりに急にぽっかりと円形に空いた直径で約25m位木々が何も生えていない場所かあった。
手前に門のようなものが設置されておりその向こうは木々が何も生えていない場所かあったしか分からなく中に何がいるかが分からないようにされていた。
アナグマ「どうやらエリアBOSSのいる場所を引いてしまったようやな」
ラベン「どうやらそのようね運が悪かったみたいね後は問題はBOSS魔物が何が出て来るかね動きの遅いタイプの魔物なら対象しやすいけど道中出てきた猫科の魔物だったら前衛組に頑張って貰わないと大変よ」
アナグマ「そうやね1度ここで休憩と作戦会議をしようやマキナはん、玄龍はん三雲はん、茨木はん1度集まってくれへん」
アナグマに声をかけられるまで自主的にBOSS以外の方向に対して軽い警戒をしていた4人は、その集合の呼び掛けに応じて2人の元に集合する。
その後10分程休憩をしながら二人からBOSSエリアのレクチャーを受ける。
どうやら目的帰還術式がある祠はBOSSエリア内又はその先にあるようだかBOSSエリアを避けて通る事は出来ない事は、フィールドタイプの迷宮のBOSSは数エリア毎にBOSSがいる場合と徘徊してるBOSSがいる事。
徘徊BOSSは、だいたいどの環境でも対応可能な魔物であること。
エリアBOSSの場合はその環境に合わせた魔物が出る事を教わり、大まかなBOSSの出現パターンも教わった。
―――――
1つ目が群集タイプ。
1度に群集の主を筆頭に15体以上の魔物が出て来るらしく主に小鬼種や豚鬼種、原型が蟻や蜂、狼の魔物等が対象。
2つ目が耐久タイプ
高い装甲や防御力又は高い自己回復能力や高い自己再生能力を持つ魔物が多く主に原型が亀系統や鰐系統の魔物やゴーレム種にトロール種盾職系統進化等が対象。
3つ目暗殺タイプ
高い敏捷性又は高い隠密性持つ魔物が多く主に原型が蛸やカメレオン等擬態や隠密に長けた生物や虎やチーターに豹等瞬発力に生物
4つ目が特殊・魔術魔力タイプ
このタイプは上記3タイプの一部だったりと単一ではなかなかいないようでこの括りとなっているただ種族に拘らずまんべんに出て来るよくで最も注意が必要なようだ例に上げると亜人種の魔術師タイプや僧侶タイプに昆虫・動物系統種の特徴特化の亜種進化種に武器動物進化種がこれに該当する。
ややベテランな二人は講師がしなかったBOSS魔物の知識を教え来るれと二人だけでなにやら話込み始める一様はその会話に耳を傾ける。
アナグマ「っと大まかにはこんなもんか?ラベンはん抜け無かろうか」
ラベン「そぉねパッと思い付かないわね、後はこのエリアBOSSがどのタイプかが問題ね1つ目2つ目なら私の魔術で臨機対応出来るし3つ目なら貴方の索敵能力を活用すれば一方的な展開にはなりそうにはならないわね」
アナグマ「そうやろなぁそれにその3択なら環境から考えるにある程度は予測が立てられるから連携しやすいんやろけどしゃあへんけど出たとこ勝負になってまうやろな」
ラベン「そうなってしまうわねはぁこれだからフィールドタイプの迷宮は苦手だわ」(はぁ)
二人は、ある程度作戦?を立てられたようでこちらを向き決定したを伝える。
アナグマ「えぇと4人も聞こえていたやろうけど一様作戦を伝えとくはっ」
ラベン「群集と耐久のタイプは、私が相手に合わせて属性や攻撃範囲を選択して戦う事になるから前衛と遊撃の3人には私の詠唱時間の確保の為に魔物達の誘引をお願いすることになるわ」
アナグマ「そしたら僕がラベンはんが魔術を放つタイミングで声掛けるからそしたら茨木はん達は、魔物達から離れてラベンはんの魔術に当たらない様お願いします」
ラベン「暗殺タイプが出て来たらアナグマが魔物を索敵するからマキナ貴方が手持ちの魔導火器で攻撃し魔物の足を止めて他の3人がダメージもしくは止めを刺すのよ」
アナグマ「問題は4番目の特殊だった場合は魔物を良く観察して出し惜しみせずに有効打を与えて欲しいんや」
最後の言葉に一瞬ドキッとしたがBOSS魔物との戦闘では、手札を隠せている暇も無くなる予感もした
茨木「吾は、前衛らしく魔物の注意引き続ければ良いんだろ?」
アナグマ「そぉなるやろなー茨木はん宜しく頼みます」
ラベン「他に質問とかある?一様私とアナグマで状況に合わせて指示は、出すわ」
玄龍「わーは、特に無いヨ」
マキナ「当機モ問題アリマセン」
三雲「自分も大丈夫です」
アナグマ「じゃぁ後5分程したら入ろうか」
それぞれ侵入までの残り5分を使用して万全の準備をしている。
アナグマは、バックパックの中身の整理し回復薬や矢弾等は直ぐ出せる場所に入れ直し。
ラベンは、瞑想をして魔力を高めて。
マキナは、使用火器と弾薬の選択を事前情報を参考に熟孝し。
玄龍は、道中で使用した符の補充と並び替えをし。
茨木は、大太刀と脇差の脂を拭ったり軽く砥石で研いだしとメンテナンスし。
自分は、流石に時間的にステータスの確認はしなかったがBOSS戦闘に向けて手持ちの装備内で選択をする、耐久タイプ向けに石の戦槌が無いので間に合わせで採掘用の柄の長いハンマー暗殺タイプに犬鬼の小剣を選択し其々の短い時間を過ごした。
_____
アナグマ「皆はん準備は出来てはるやろな?」
その台詞に皆頷き門を開けてBOSSエリアに侵入する。
問題のBOSS魔物は体高が3m前後の大嘴で目を瞑り足を畳み地面に座っていた。
ただ特徴と言うべきか相違点と言うべきか魔物狩人の興奮中の彩鳥や求愛中の米国軍艦鳥や雉子尾雷鳥のように胸部が膨らんだり萎んだりを繰り返していた。
念のため作戦の確認の為に後ろを振り返り後衛にいるアナグマとラベンがいる方向に顔を向けると二人の顔にはやや冷や汗のような物が流れまるで想定の範囲外のような顔をしていた。
しかしアナグマはどうにかこうにかしてようやく口を開き言葉を発する。
アナグマ「アカン想定外やあの魔物から漏れでる気配から感じるに恐らくは魔力タイプやろうしかし魔力タイプは言いとして飛行可能な魔物がエリアBOSSでこんな浅いエリアで出るとはどうやら外れを引いたようやな」
ラベン「どうやらそのようね、一先ずは私が初撃入れるから前衛組はそれを合図にダメージの蓄積をマキナ貴方は地対空戦闘を考慮しながら地対地の援護をお願いするわ」
ある程度よ指示を終えると魔術の詠唱を開始するラベン、前衛と遊撃の三人は射線を気にしながら魔力持ちの大嘴に少しずつにじり寄る。
ある程度近づくと後ろからアナグマの声で「そろそろ魔術来るで気を付けるんやでー」と聞こえてきた。
その声で後ろに目線を向けるとラベン服が自身の魔力によりバサバサとはためき、その後方には20をゆうに越える魔法陣がやや上向きに浮かんでいた。
ラベン「【魔力の投擲槍・弾幕】」
その魔術名称を言った後に後方にある魔法陣が反応し魔力製の投擲槍が無数に形成され魔法陣から放物線を描くように大嘴型魔物を中心に着弾する。
無数に射出された魔力の投擲槍・弾幕のいくつかが大嘴型魔物に命中したようでそのダメージで目を覚ましいきなりの魔力ダメージで怒ったようで大きく息を胸部がかなり膨らむ位吸い、吸い込んだ分だけの量の咆哮を放つ。
流石の鳥系統種魔物か比較的に近くにいた自分を含めた近接組はその声量で思わず耳を塞いでしまい怯み、その隙を見逃さなかった大嘴型魔物の咆哮後の一撃目である風属性の榴弾を至近弾で受けてしまい2m程吹き飛ばされてしまう。
アナグマ「お三人はん無事でっか」と三人へ安否の確認をされ。
幸い自分は、外骨格の低いながらも属性抵抗値とダメージ軽減の緊急魔力障壁で致命的な損傷なく直ぐに戦列復帰が出来そうではあった。
三雲「いたたぁー、あっはい何とか大丈夫ですそうです戦列に復帰します」
茨木「こっちも大丈夫だ」
玄龍「わーも大丈夫ヨ」
急ぎ上体を起こし戦況を確認すると吹き飛んだ自分達代わりにマキナが左手の砦盾で防御しつつ右手の散弾砲で牽制砲撃し戦っていた。