初めて旅をしました。
また少しずつ書いていければと思います。
遺跡の外に出た。
外は少し肌寒いが木々に薄い黄緑色の新芽が見えることから、春が近いことがうかがえた。
遺跡は地下にあり魔法で気温も安定したためやっと外の情報を手にいれることができた。
ちなみに今の格好は伸縮性はあるデニム生地のような黒のパンツに安全靴。
白のシャツにフード付きのポンチョ。シャツの胸ポケットには手のひらサイズの人型シロコ、腰にはシロコの変形により造られた黒いナイフがぶら下がっている。そして、ダミーで鞄を背負うスタイルだ。手ぶらで冒険は有り得ないからね。
向かう方向はシロコが教えてくれる。目的地はナユタと話していた通りエルフの村。『ゼグシストの歩き方(Χ)』のマップページや機能を吸収、解析、記録し、体内にナビシステムを搭載することに成功。本当にありがたい限りです。
遺跡を後にして数時間。太陽が真上に来た事を確認して、お昼を食べることに。
ちょうど近くにか話もあったので、薪を集め火を起こす。この3間の成果その1「着火」の魔法。簡単に火がついた。次に「ロック・クラフト」の魔法で川原の石をコップと皿の形に変化。水魔法の「リンス」でできた食器を濯ぐ。
旅と言うか生活に必要な魔法は覚えたのだけど、戦うために必要な魔法はまだまだ覚えていない。
後は、シロコの変形で魚をとる事にした。
「シロコ、モデル・ネット。」と言うと腰につけていた短剣が直径2mほどの投網に変わった。 後は、投げるだけ。
小さな川ではあったがイワナのような川魚を数匹捕まえる事ができた。
4歳の子供の体では食べれる量はたかだか知れているので、食べきれない分はシロコに預けるシロコのなかに預けたものは腐らないし鮮度も落ちない。一家に一人シロコが居たら便利な世の中になりそう。
魚をシロコナイフモードで捌いていく。腸を出し棒を突き刺して、焚き火にかざす。川魚は寄生虫が多いからあまりなまで食べない方がいい。
魚を焼いている間に、食料庫から持ってきたリンゴの皮を剥いて芯をとる。
半分をシロコにあげてみたら美味しいと喜んでいた。ダークマターの体でも味や香りは判るようだが、食感は感じない。あと火傷もしないので熱いもの冷たいものもガツガツ食べれる。
でも食事はあくまで嗜好品で特に食べなくても生きていけるようだ。
火を消して出発しようとしたら、先ほど捨てたリンゴの皮と芯を角の生えたウサギが食べていた。
一角ウサギというやつだ。比較的大人しいが危険を感じると角を武器に襲ってくる。
割りとどこでも見ることができる。身は美味しく毛皮や角も加工品に使われる。
皮の鞣しや加工はわからないけど、前世でジビエ肉の処理の講習は受けた。猟師が罠で捕まえたところから、止めと血抜き、お肉にブロック話消されるまでの流れを1週間かけて研修。命を奪う怖さと、ある瞬間からお肉に変わってうまそうに見えてくる不思議な瞬間は忘れられない体験だった。
よし、狙ってみるか。
「シロコ、あのウサギの首に、ニードル、刺さったら吸収で一気に血抜きしてもらえるかな?」
「OK旦那様。今夜はウサギですね。」
シロコも嬉しそうだ。
予定通り一角ウサギを捕獲し血抜き。川の側にいたついでに皮を剥いで内蔵を出しシロコの中に保管。やはり便利だ。
予定より遅れて出発。
火が傾き始めた。森の中での夜営はきつい。予定としてはそろそろ村につく予定だったのだけど、森の中は暗くなるのが早い。
安全のため早めにキャンプを張ることにした。
昼より多めの薪を準備、火を起こす。昼間の石の器に水魔法で飲み水を用意。
ウサギの肉を後ろ足1本分に食料庫にあった塩と胡椒をかけて焼く。焼けたら骨から身をほぐしお皿へ。
果物の皮を剥いて盛る。
食準備が一通り終わるとシロコを人サイズの人型にして一緒に食事をとることにした。
血抜きをしっかりしたウサギ肉は臭みが少なく、予想以上に美味しかった。
食事中は道中見た川や動物、風景。異世界で始めてのキャンプ、人生初の野生物捕獲と出来事を振り返りながら盛り上がった。
森の夜は熟睡は難しい。本来は交代で見張りながらの夜営のはずだった。
体力はとんでも数値な僕だけど、体は正直で成長に必要な睡眠欲求に抗えず、シロコにもたれ掛かるように眠っていた。
そして、空が白んできた頃目を覚まして、シロコの膝枕で寝ていたようだ。
一晩中見張りを任せていたことに謝罪をしたが、
シロコな「堪能したから問題ないですよ」と返してきた。
よくわからない。
とにかく無事に森の夜を過ごすことができた。朝食を終え、エルフの村に再出発。
お昼を前に遠目に村の炊事煙が見えた。
良かった。エルフの村に無事に着きそうだ。
次回はエルフの村からスタート。




