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プロローグ

本作は、筆者が書いている連載小説『アウトドア系男子が、自宅警備員になる方法』のクロスオーバー作品となります。

本作だけでも十分楽しめる内容にはなっていますが、ご興味がある方はぜひそちらも一緒に読んでいただければ幸いです。


※本作はストレートな卑猥な言葉がいくつか登場します。苦手な方はご了承ください。

「やっぱりあんたなんか、大っ嫌いだ!!」


 彼女に向かって泣き叫ぶ。そんな私の戯言に、目の前の彼女はただジッと、見下すような目で私のことを見つめていた。


「偶然だね。私も嫌いだよ、あなたのこと」


「そんなだからあんたは、中学校の時も、小学校の時もずっとみんなから嫌われるんだ! もっと自覚したらどう!?」


「……あなたなんかに言われなくても、そんなこと分かってるよ。自分がどれほど人間のクズかなんて、自分が一番よく知ってる」


 冷たい目線をこちらに向けながら、淡々と言葉を口にしてみせる。昔も今も、彼女の胸糞悪い性格は、全く変わっていないらしい。


「じゃあもうこんなことやめたら!? 他人の恋愛にまで手を出して、一体何が目的なの!?」


「……恋愛? 待って、なんのこと?」


 すると咄嗟に彼女が表情を変えて、眉をひそめながら首を傾げてみせる。今更惚けてみせたって、こっちはもう分かりきっていることだ。


「惚けないでよ!! どうせ全部あんたなんでしょ? 私のことをずっと監視して、変なメール送りつけてきて、彼氏にワケ分かんない話吹き込んで!」


 再び彼女に向かって叫ぶ。これ以上はもう、私の心が耐えられない。終始誰かの目に追われ、彼氏ともケンカし、更にはこいつに再会までしてしまった。こいつに会ってからずっと、悪いことしか起こってない。

 どれもこれも、全部こいつのせいに決まっている。こいつと再会したタイミングと、嫌なことばかり起こり始めたタイミングは、異様にも一致している。誰がこの一連の犯人かなど、間違いないはずなのだ。


「『(エー)』って名乗って私のことをずっとストーカーしてる女って、あんたなんでしょ!?」」


 三度目となる私の叫びが、夜の町中に鈍く響いた――。

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