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論破することは果たして正義か?

『論破』――議論して相手の説を破ること。言い負かすこと。


 議論するのはいい。論破するのもいいだろう。

 しかし論破を目的に議論をするのは違う。


 議論の決着が、一方の論破だと決めつけて議論を展開する方がいるがそれは間違いだ。テレビの討論番組の見すぎかもしれない。あれはエンタメだから。あくまでショウに過ぎないのだ。

 もしくは政治家の話に騙されているのかもしれない。あえて()()()と書くが彼等は正しいことをするのが商売ではないのだ。議論の本質とは立ち居地が違う。中には正しく議論したい政治家もいるだろうが、政治屋が渦巻く政界において、その立ち振る舞いは非常に困難なものだろう。


 話を戻したい。

 議論とは何か? 何を目的にして行うものなのか。

 それは『より良いアイデアを出すため』である。


 答えを聞くとシンプルすぎて逆に解らないだろうか?

 それとも納得して頂けただろうか?


 僕は賢い人間ではない。私は賢いぞ、と自信をもって言える人物と議論したとしよう。

 僕が何かトンチンカンなことを言って、賢い人から論破されるとする。そこに生産性はあっただろうか?

 二つの意見がある。一方は僕の珍妙な意見、一方は賢い人の意見。この二つの意見を合体させたらどうなるのか?


 賢い人の意見より悪くなる可能性は十分にある。しかし二人のどの意見よりずっとよくなる可能性もある。

 当然だ。賢くない僕の知識や思考の全てを、いくら賢いからといって他人が全て所持していることなんてありえない。


 他人だから違う意見が出る。


 異なる論理の融合、あるいは化学反応。そういったものが議論の価値なのだ。

 

 発明とは一握りの天才だけが産んだものだろうか?

 否、断じて否だ。


 天才の産んだ発明にはドラマがある。

 僕等は何故かドラマが好きだ、だからドラマと天才の名前は有名になる。


 しかし天才ではない人々が産んだ発明も無数にある。

 毎年のように出る新製品、それらには今までに無い機能が技術が盛り込まれていたり、使いやすくなったり、便利になったり、楽しくなったり、美味しくなったり、安くなったりする。

 それらの元となったアイデアの一部は議論から生まれている。

 議論などと言うから、論破のイメージが先行するのかもしれない。


 議論はイコール話し合いだ。

 参加人数も様々、議題もなんでもいい。直接ではなくネット越しでもいい。大人でも子供でもいい、いっそ相手が人間ではなくてもいい。自然との対話だって議論だ。

 だって独りでは出ない(ころわり)がそこにはあるもの。


 二人いれば二人分の知恵が集まる。

 三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵。

 四人いれば文殊を超えるかもしれない、しかし人数は増せば増すほどまとめるのが難しい。思想や立場も様々、自分の意見だけを押し通す理由がある人もいる。

 それでも言う。断言する。


 論破を目的に議論をすることは不毛。


 今回も話はシンプル。長々と書いてはいるが簡単な話。知ってる人、解っている人はずっと昔から解っていること。


 論破はしてもいい、相手の話が間違っていることだってある。

 でも間違った話の中にも光るものがあるかもしれない、いや全部がゴミかもしれない。でも融合したらどうなん? なんの反応もないの? 革命の起きる可能性は?

 あるの? あるかもしれない。そういう偶然を探すのを目的にすれば議論はずっと有益になる。

 何も起きないかもしれない、でも相手とのコミュニケーションはどうだい?

 彼の知識の一部でも盗むことは出来たかい?

 可愛いあの子の裏の顔を見ることは出来たの?


 それ、論破を目的に話をしてた場合と、より良いアイデアを出す。という目的で動いていた場合で精度や量はどうなりましたか? っていう話。


 もう解るよね。ごめんね、簡単な話を長々書いて。どうもイキって書くのが大好きな性分みたいなんです僕。


 論破することに正義も悪もない。してもいいけどそれを目的にするのはちょっともったいないんじゃない。

 議論というコミュニケーションのスタイルの長所であり、古典的な目的は『よりよいアイデアを出す』だよ。


 今回はそういう話でした。

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