ヤマもオチもない。
ファーストフード店とコンビニエンスストアに挟まれた十字路。濡れたアスファルトに、走り去る車の赤い光りが反射する。
通りを挟んで反対側にはレンタルビデオ店やら寂れたラーメン屋やらがあるが、今はその灯りは息をひそめている午前3時。
もう時期春が来ようとしている。
持永はそろそろシーズンオフになるのであろうコートのボタンを閉めながら歩行者用信号機のスイッチを押した。
「クソめんどくせー。今日のは人の形をしていやがる」
深夜の交差点、持永の音量大きめな独り言は誰に聞かれることもなく、その後の行動も誰にも見られることはなかった。
もっとも――その行動を見た者がいたとしても、何一つ理解することは出来なかっただろう。
田舎の交差点。それなりに大きな道路ではあるが、車は走り去った一台を最後に通りかからない。
やがて信号が変わり持永は目標に向かって歩き出す。
横断歩道の中ほどで持永は右手をコートの中に入れ、直後大きく払った。
その手には日本刀の柄だけが握り締められていた。
立ち止まりはしない。持永のやったことは歩きながらコートの中にあった柄を握り、振り払い。そしてコートの中に柄をしまいながら横断歩道をわたりきった。
居合いのように腰を落としもせず、あるく速度にも変わりはない。
「気色悪いんだよ。人の形が一番さ、やっぱ人殺しみたいで気分がなえる」
男の名前は持永明人
別に続きとか存在しない。
ただ書く練習した。それだけ。




