番外編 双子の少女
「あなたが、都子?」
それが私と千夜との出会いだった。
「うん。あなたは、誰?」
私と千夜は、6歳。小学校入学したての頃だった。その頃はまさか私と千夜が双子だなんて思いも知らなかった。
「せーちゃんの名前は、千夜って言うんだよ。都子ちゃん、よろしくね。」
「うん。みっちゃんの名前は、都子って言うの。よろしく。」
「うん!」
この頃は、自分のことをみっちゃん。千夜は、せーちゃんと言っていた。
「都子ちゃん、これ貸して?」
「いいよ。」
2人は、小学校の児童会でお人形ごっこをして座っている。
「せーちゃんあのね、明日みっちゃんのお母さんが来るんだよ。」
「そーなんだ。せーちゃんのところはお父さんがくるよ。」
「みっちゃんと、おなじだね。楽しみだね。」
「うん!」
2人は小学校の中でも、一際大切にされていた。
いや、どちらかとゆうと「千夜」といるから都子「も」大切にされていた。
夕方になり、子供達のお迎えに来る人がおおくなった。
「都子、こっちにおいで。」
「なぁに、お母さん?」
都子は養母に呼ばれて、養母の元へと行く。
「帰るよ、都子。」
「うん。せーちゃんまたね。」
「じゃあね、都子ちゃん。」
都子は、手をブンブン振りながら千代に別れの挨拶をすると養母と手を繋いで帰る。
帰り道、養母が都子に尋ねた。
「ねぇ、都子。一緒に遊んでいた子なんてゆう名前なの?」
「うん?せーちゃんだよ。」
「そうじゃなくて、本当の名前。あだ名じゃなくてね。」
「本当の名前?千夜ちゃんって言うんだよ」
その名前を聞いた途端、養母の顔色が悪くなったのを都子は今でも覚えてる。
(まっ、まさか。そんな偶然。でも、あまりにも都子と似てすぎている。)
「都子、大事な話があるの。家に帰ったら、ちゃんと聞いてね。」
「うん。」と返事をすると、何かに楽しくなったのか突然都子は、走り出した。
「ただいま。」
「都子、ちゃんと手を洗ってね。」
「分かった。」
家に着くなり、都子は手を洗う。
「手、洗ったよ。えらいでしょ?」
「そうだね。」
養母は都子の頭を撫でる。
養母は、帰ってきても浮かない顔をしている。そして、都子の両肩に手をおき、話し始めた。
「都子、実はね。都子はね、私達の本当の子供…。お母さんは都子の本当のお母さんじゃないのよ。」
「え?じゃあ、みっちゃんはもらわれの子なの?」
「そうなの。」
その途端、都子の目から涙が溢れてきて泣きはじめた。
「嫌だよー。お母さんは、本当のお母さんじゃないなんて嫌だよー!」
養母は、都子を抱きしめ慰める。
「そうだね。お母さんも嫌だよ。でも、都子。血は繋がってなくても、お母さんと都子は家族だから、ね。」
それでも、泣き続ける都子。だけど、話をここで止めまいと、そのまま、養母は話をすすめる。
「でもね、もしかしたらね。都子の双子の妹が、血の繋がっている妹がいるかもしれないんだよ。」
「え?みっちゃんは、1人じゃないの?」
都子は一旦泣くのをやめ、話を聞く。
「うん。そのね、その子はね。都子が話している、せーちゃんなんだよ。」
「せーちゃんが?みっちゃんの妹なの?」
養母は、優しく笑って答える。
「そうだよ、明日一緒に聞こうね。」
都子は一瞬にして元気になり、通り雨のように涙は消えた。
「うん!聞くー!」
「おはようございます。今日は待ちに待った参観日ですね。お母さんやお父さんにいいところ見せれるよう頑張りましょー!」
『はーい』
担任の先生が言うと子供達は元気よく挨拶をした。都子が絵を千夜と書いている間に、都子の養母は千夜の養父に話しかける。2人は、急いで教室から出て行った。
「みんな〜、終わったかな?じゃあ、お母さんお父さんに渡そう!」
そう担任の先生は言い、都子と千夜は行こうとした。だが…
「都子ちゃん、千夜ちゃん!ちょっとこっちに来てね。」
急に先生に呼ばれて2人は、先生のもとに行った。先生は、なぜか2人のカバンを持っていた。
都子は不思議に思い、「先生、どうしてみっちゃんとせーちゃんの帰りのバッグを持っているの?」と言った。
「都子ちゃん、千夜ちゃん。今からあなたたちは帰るのよ。」
「え?」
「都子!帰るよ!」
「待って、お母さん!」
急に手を引かれて、都子は戸惑いながらもついていく。
「千夜も、来なさい!」
「え?はい、お父様」
2人は突然連れ出され、園の門の前で千夜の家の大きい車に乗せられる。
「お母さん、どうしたの?」
都子の質問に養母の答えは、「着いたらわかるわよ。」の一点張り。
車は止まり、ドアが開く。ドアの先は、お墓だった。
「ここはどこですか、お父様。」
「ここは千夜、都子。お前たちの本当のお母さんとお父さんのお墓だ。」
「本当のお母さんとお父さん?」
「そうだ、千夜。そして千夜と都子。お前たちは、血の繋がった姉妹…つまり双子なんだ。」
千夜の養父の話に2人はキョトンとなった。
「つまりね、2人は家族ってことなの。」
「本当?都子ちゃん!都子ちゃんはせーちゃんと家族なんだよ!」
そう千夜は言い、都子に抱きつく。
「せーちゃん痛いよー。」
2人は笑う。そして、千夜の養父に言われ自分たちの本当の両親に手を合わせ、立ち去る。
帰りの車の時千夜は、都子に話した。
「都子ちゃん今度、せーちゃんのあっ!違った。私の7歳の誕生日パーティーやるから、都子ちゃんも来てね!」
「うん!行くね!」
双子の少女達は笑う、誕生日パーティーが待ち遠しいのだ。
でもこの時はまだ、知らなかった。この千夜の誘いが、いや、2人が出会ったしまった時から始まっていたのかもしれない。のちに、「あの事件」に繋がることを。




