一ノ巻:始まり
平成XX年、ある科学者が居た。その科学者は人類の進歩という名目で、政府から多額の援助金を得て研究をしていた。
だが、科学者の屋敷から人とは思えないうめき声やいつまで経っても、計画を発表しない科学者を不信に思った政府は、科学者を捕まえて尋問した。
すると、科学者はこう言ってこの世を去った。
【研究は完成しました。その資料は、私の屋敷の地下室にて厳重に保管しております。】と。政府は、捜索隊を作り至急、科学者の屋敷に資料を探しに行かせた。
だが、屋敷から戻って来た者は誰も居なかった。隊員からの【怪物が居る!】の一言を残して…。
政府は、隊員の言葉を元に屋敷に住む怪物に懸賞金を賭けて、賞金稼ぎに怪物討伐を託した。
そして、ある二人の若い賞金稼ぎがこの屋敷に挑もうとしていた。この二人は、若手の賞金稼ぎで【太刀の修斗&銃の怜】という通り名で、知れ渡っている。
「…で、今回のターゲットは?」
屋敷の前に立って修斗は相方である怜に今回の目的を尋ねていた。
「今回は、屋敷の中に居る怪物の討伐ですね。まずは、ゾンビの上位種【グール】。次に狼の統率者【フェンリル】。巨大昆虫の【タランチュラ&ホーネット】。…これは、はっきりとは言えませんが【ドラゴン】の計五体ですね。」
リストを見ながら、今回の内容をすらすらと読んでいくが最後の【ドラゴン】の部分だけは、怪訝そうな顔をしていた。「は?はっきり言えないって、どういう事だよ?」
「…ドラゴンだけは、誰もはっきりと見た事が無いからですよ。ただ、誰かがドラゴンのような雄叫びと姿を見た。としか、記述がありませんからね。」
お互いに、納得いかない顔をしながらも、既に目線は眼前の屋敷に集中していた。
「準備は?」
「勿論大丈夫です。」
二人は、怪物が住まう屋敷にへの扉を開けると二人の進入を拒む様に風が二人を襲った。だが、二人はそれに臆さずに屋敷の中へと入って行った。