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容疑者 山川義郎 〜佐久間警部の策謀〜  作者: 佐久間元三
佐久間の罠
27/29

最終決戦 3

 こちら日下、今ちょうどターゲット庁舎を出ました。


 真っ直ぐ駅方面へ向かうところを見ると電車で新宿に向かうつもりです。


「こちら、佐久間。了解した。斉藤啓二の方はどうだ?」


「こちら、C班。斉藤啓二ですが、まだ出て来ません」


「了解。適宜アナウンスしてくれ。みんな、この無線聴こえるな?本ボシ達は日下が上手くやってくれたおかげで無事に動き出したようだ。配置の最終確認を頼む。所轄警察署の方々もよろしくお願いします」


「A班了解」


「B班了解」


「C班了解」


「D班了解」


「各パトカー部隊了解」


 佐久間たちは万全の体制で吉村たちが来るのを待つことにした。


 〜 一方、その頃 〜


 吉村は電車の車内で、捜査一課への反撃手法を考えていた。


(山川はもう辞めだ。この件が片付いたら次は佐久間を嵌めてやる。まぁ、今朝の部下を見る限り、佐久間の部下管理能力は低そうだ。日下も佐久間ごときにビクビクしやがって)


四十五分後。


「次は新宿。新宿でございます。お出口は左側です。乗り換え案内を・・・」


 車内アナウンスが流れ、降りる準備をしている所に斉藤から連絡が入り、問題なく現地に到着したようである。


(それでは、完全犯罪成立としますか)


 吉村は不敵な表情で、新宿の地に舞い降りる。



「こちら新宿駅。今、ターゲット降車確認。歌舞伎町貴金属店まで徒歩十分」


「わかった。芝﨑、携帯で店主に繋いでくれ」


「わかりました。・・・警部、店主です」


「もしもし」


「店主、佐久間です。予定通りあと十分程でターゲットは店主に接触を試みます。準備大丈夫ですか?」


「・・・おっかないよ。本当に死にはしないよな?」


「大丈夫です。アジトに着くまで我慢してください。接触にあたり、さすがに店内という訳には行かないでしょうから、吉村あたりが店主に何か儲け話でも話して外に出るよう仕向けるでしょう。店主は騙された振りをして、絶対に抵抗しないでついて行ってください。車内にいる限り大丈夫です」


「・・・わかったよ。頼むよ」


 歌舞伎町貴金属店を中心に包囲した部隊に緊張が走る。


「みんな、いよいよだ。ターゲットは車を使用し店主の拉致したらどこかへ移動するはずだ。絶対に見失うな」


「各パトカー部隊より、本部へ」


「どうぞ」


「念のため、各高速出口についても応援の覆面をつけておきますか?」


「・・・頼みます。東京圏内から千葉、横浜、埼玉方面へ抜ける可能性もある。無駄になるかもしれませんが、緊急追加手配を」


「・・・了解」


 佐久間たちの無線応対が完了する頃、ちょうど吉村と斉藤が合流した。


「斉藤、準備はいいな?暴れたり不信に思われ抵抗されたら、構わん。その場で射殺だ。防犯カメラ位置に気をつけろ」


「・・・わかった」


「カランコロン」


「へい、いらっしゃいませ」


 吉村たちが、店主に接触する。


 モニターで店内を監視する佐久間も固唾を飲んで見守る。


「こんにちは。先日、来店した時に店主にぜひ鑑定して欲しいものがあったんですが、持ってこられませんでした。とても価値がある国宝級のツボや絵画が用意出来ましたね。良かったら出張鑑定を依頼したいんですが?」


 店主は目を輝かせながら近づく。


「こ、国宝級!ぜひ見たいもんですな」


「ええ、絶対に損はしないと思います。もしかすると歴史的価値が高いかも」


「くうー。ぜひ鑑定させてください。どこまで、いつ伺えば?」


「そうですね。たまたま私たち二人は今日時間取れそうなんですが、店主は都合如何ですか?」


「今日・・・これから?」


 店主は少し考えてから、快く返事をする。


「わかりました。伺います。どちらへ?」


「横浜方面へ向かいます。大黒ふ頭と生麦の辺りに貸し倉庫がありましてね。良かったら乗せて行きますよ」


「お宝拝見に、同乗まで?甘えて良いんですか?助かります!」


 こうして、三人は意気揚々と車内に乗り込み発車する。


「佐久間より全警察官へ。予定通りターゲット移動開始。横浜方面へ移動。無線連絡で横浜鶴見警察署に至急応援要請を。大黒ふ頭、生麦ジャンクション、山下公園出口等、配車手配してくれ。各方面の班毎にターゲット車両を付かず離れずで追うぞ。二キロ圏内が必須ということを忘れないで頼む。・・・作戦、開始だ」


 こうして、ターゲット車両移動に合わせ佐久間たちの追跡も始まる。

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