さんばんめ・ありあ
その後、刈亜とはたまに話すようになった。
刈亜はよくけがをしていた。
私、治癒魔法なんて人並みにしかできなくて、それこそ気休め程度。
だから、既に治癒魔法のかけられた薬とかを塗って、包帯を巻いてあげた。
保健室の常備薬、コッソリいただいて。
けが慣れしてるなら自分で処置すりゃーいいのに。
まるで自分のけがをわかってほしいみたいな。
それかけがをけがだと思わない程、麻痺してるとか。
……孤独なんだ。
綿棒がもったいないから指で塗ってやる。
「このくらい自分でできるでしょ」
「やり始めたのそっち」
「もう」
「言われる筋合いねぇぞ」
……知ってるよ。
知ってて言ってる。
体だけこんなひどいけがで心が傷つかないわけがない。
見えないだけで。
甘えさせてあげる。
ーー『体の中に心があって、心は精神とたましいに分かれてる。
たましいは神さまと、生まれる前からつながってない。
ディスコネクト。
これが罪。
神さまとつながってないたましいは死んでる。
でもね、信じたら』
『うんっ』
『信じたら神さまの聖霊さまがありあのたましいと一緒にいてくれる』
『私?』
『うん。
そして死んでからも、永遠に生きる。
たましいと神さまはずっと一緒。
ハッピー』
ーー幼い頃、母が話してくれた。
母のたましいは神さまと一緒で、だから父がシュウアブに殺されても穏やかでいられた。
天国で再会するんだって。
天使が、サタンを裁かず、ただ神に裁きを委ねたのも知ってる。
きっと神に委ねればシュウアブもいずれ滅びる。
ごめんね、神さま。
でも私、ゆるせない。
「パパは目の前で死んだ。
一瞬だった。
氷の刃。
このキュレッドは炎系」
私は包帯を結び終えると、紅色の小箱、アクセスデバイスを膝の上に乗せる。
「次、会ったらゆるさない」
刈亜が短く息を吐く。
「やめろ」
「心配?」
「別に」
「刈亜は素直?」
「……」
「素直かそうじゃないのかわからない」




