表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界探求者の色探し  作者: 西木 草成
第2章 青の色
68/264

第66話 弱肉強食の色

みなさん、アニメが面白すぎるのがいけないんよね。


「イマイシキ ショウ。貴様はここを離れろ」


「....断るといったら?」


「そしたら、この街で逃げ遅れた人間が少し死ぬだけだ」


「....っ、わかりました。必ず助けに戻ります」


 後ろに立っていたイマイシキ ショウの気配が消える。どうやら言ってくれたみたいだ。監視のして良い判断ではないな、まったく。


「後ろ人間は逃したか」


「あぁ、人殺しをしたことのない人間がそばにいると戦いづらいのでね」


 腰に差しているスペルビアをゆっくりと引き抜く間、相手の出方を伺う。背後に控えている、二つの大きな炎の腕。魔術で作り上げられていることから考えて魔術の色は赤、持久戦に持ち込む方が有利。短期決戦での戦闘はリスクが高い。


 相手の狙いは私。どこでその情報を知ったのかを吐かせた後殺す。


「魔術師が剣士と戦って勝てると思ってるのか? 今ならまだ殺しはしないが」


「命乞いをすると思っているのか『戦場のコンダクター』。貴殿こそ、その両手両足、惜しいと思うのならおとなしく剣を捨てろ」


「両者共に引かず、か」


 剣を握る手に力を込める。


 地面のめり込む勢いで魔術師は地面を蹴って一飛びで間合いに迫ってくる。おそらく身体強化術の類だろう。


 とっさに剣の腹を相手に向け攻撃に備える。


 魔術師は右腕を大きく振りかぶるのと同時に背後に控えている炎の右腕も連携して振りかぶり、思い切り剣に炎の拳がぶつかり合う。


「く....っ」


 炎のくせに質量を持って殴りかかっている。そして余計なことにその一撃はかなり重い。


 右へと受け流すが、続いて左腕の炎の拳が剣を打ち付ける。


「魔術師に持久戦は戦略的に正しい判断だ。だがそれは並の魔術師だということを覚えておけ」


 剣に当たった瞬間、剣と拳の間で爆発が起き、思わず後ろに弾き飛ばされる。なんとか転倒せずに踏みとどまることはできたが、あれだけの爆発を起こしていたのにもかかわらず、魔術師は無傷であり、炎の拳も削れていない。


「持久戦で行くのだとしたら、あと二日は戦える。さて、どうする『戦場のコンダクター』」


 持久戦でダメなのならば、短期決戦へ変更。


 足に魔力を流し身体強化術を行う。


 地面を蹴り出し、剣は下に構え迎撃に備える。


「短期決戦に変更、か」


 炎の拳がしたから斬り上げた剣とぶつかり火花を散らす。すかさず剣を分解、左手で拳を受け、右手に持った剣を思いっきり魔術師に向けて放つ。


「双剣か、確かに短期決戦向きだな」


「っ!」


 放たれた右手の剣はあっけなく右の拳で受け止められる。


 だがそれ以上にだ。


 炎の左腕と右腕。その両腕は私の剣が抑えている。では、魔術師の頭上にあるもう一つの炎の腕は一体なんなのだというのだ。


「短期決戦で行うのならそれなりの対策も備えている」


 すかさず離脱、一気に間合いを取り相手を観察する。


 魔術師の背後には3本の炎の腕が存在している。それは右腕と左腕、そして頭上にある腕だ。


「二本の剣と、三本の腕。いや、まだまだ増やすことはできるが、どうする」


 状況的に言えば不利であるということに変わりはない。


 ならば。


 両手の剣を逆手に持つ。そして再び間合いを詰め、降りかかってくる炎の拳を交わしたり、さばいたりしながらだんだんと近づいてくる。


 そして拳が間合いより内側、そして機能できなくなる場所まで近づくと同時に


 両手に持った剣の柄を脇のあばらに叩き込む。


「か....っ」


「魔術師、甲冑くらいは着ておけ」


 前のめりになったところをすかさず蹴りを入れる、そしてそのまま剣で串刺しにしようと思ったところで後ろに下がり離れられた。


「生きたまま連れて来いとは言われたが....甘かったようだな」


「!?」


 建物の炎の動きが変わり、それが背中の腕に収束し三本から四本へと、そして最終的には八本となり、そして魔術師人の両手からは炎の槍が出現する。


「殺す気で向かう。防いで生きろ『戦場のコンダクター』」


「....」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 今日買ったばかりの甲冑はまだボロボロではあるにしろ、体を守るというところで考えればギリギリ機能している。


 八本の腕は中距離、遠距離での攻撃を可能にし、魔術師の持つ炎の槍は炎の拳をかわす時の隙をついて飛ばされるため回避もままならない。


 先ほどみたいな接近戦を持ち込もうとすれば、今度は魔術師自身の鉄拳仕込みの拳法で防がれる。


 そして持久戦も。先ほどわかったが、周りの炎から補給を受けているため魔力を切らすということはない。


 これを単騎で倒すのはかなり厳しい。


「『戦場のコンダクター』」


「その名で呼ぶな。あまり気に入ってないんだ」


「未だに戦意は消えずか....ここらであきらめないか、私も余分な体力を使いたくわない」


「悪列非道なことを行っている貴様らの元へ着いて来いと? 笑わせるな、こう見えても平和維持のための軍の隊長だ」


 それにだ。


「貴様から、どこで私が無色の持ち主なのかを聞いたかはっきりしなくてはならない」


 剣を突きつけ宣言する。ひた隠しにしていた事実をなぜ、彼らが嗅ぎつけたのか、それはすなわち。


 軍の中に情報を漏らしたものがいるということだ。


「私から聞き出すことができることはないと思うがね....だがそれでも立ち向かおうというのなら、戦力の差を見せてあげよう」


 正面。


 二本の腕が同時に伸びてまっすぐ攻撃をしてくる。


 それを走りながら体を剃らせながら回避する。


 続いて、炎の左腕が左側の地面をえぐる。脅しだ。


 右腕の攻撃を地面を滑りながら両方の剣で裁く。


 そして体を起こし、今度は両腕で挟み込んでくる腕を飛んでかわす。


 魔術師の頭上へと躍り出た、足元から伸びてくる腕を躱し


 魔術師の飛ばす、炎の槍を剣で弾き飛ばす。


 右手の剣を逆手に持ち体をひねりながら重力に身をまかせる。


 しかし、その剣が魔術師にあたる刹那。


「ガァ....ッ!」


 最初に交わした腕が、自身の両腕をぎっちりと掴んでいた。


「アァァァァっっ!」


 炎の両腕が自分の両腕を焼く。自分の腕が今日右列な痛みが襲うのトトにだんだんと焦げてゆく匂いが鼻に入り思わず失いかける意識を必死になって叩き起こした。


「それでは、宣言通り。その両腕をまずもらおうか」


 下にいた魔術師がそう宣言する。


 宣言された途端、自分の方が外れる勢いで引っ張られ今にも外れそうなのが消えかける意識の中ではっきりとわかった。


「レギナさんっ!」


 ....イマイシキ?


 痛みが聞かせた、幻聴にも思えたその言葉が聞こえたのと同時に急に両腕の痛みが消える。


 急な浮遊感、地面へと迫り来る寸前それは誰かに抱えられているような浮遊感へと変わる。


「間に合っては....いないですね」


「なぜ、ここに....」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 街での救出の際、炎に関して詳しいであろうサリーを呼び出し、この炎の中に人はいるのかと問いただしたところ、答えはNO、言うなればこの炎は意思を持っているらしく、人を襲わないようただ広がるというだけの作業しているだけとのことだ。


 その言葉を信じ、レギナのところまで戻ると先ほどの魔術師らしき男がレギナを炎の腕で拘束しているところ見つけ、助けたということだ。


「誰だ....貴様」


「一応あなたよりも先に彼女を誘拐した者、とでもいいましょうか....?」


 突然戦闘を中断されたせいか、かなり怒っているのがわかる。だがそれ以上にだ。


 彼女の体を見る。両腕はひどい火傷を負っており、今日買ったばかりの甲冑はボロボロだ、このような戦い方をする人間はひとを殺すということに何の抵抗を持たない。むしろ楽しんでいる人間のやることだ。


「サリー、出番だ」


 これ以上力を使ったら、せいぜいお前の命は三日といったところだな。


「いいから、出番だと言ってる」


 やれやれ、了解した。準備しな。


 パレットソードに手をかけ、柄を回す。


『染まれ、怒りのままに』


 開戦。


前書きでは失礼を....


さて次回はお休みをいただき、今度こそ真面目に書いていきたいなと。


次回更新は10月16日になりますので、お楽しみにーっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ