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異世界探求者の色探し  作者: 西木 草成
序章 序章の色
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第15話 武の色

 取り出してきた槍の長さは2メートルほどはある、それに槍の後ろについているのは鎖か?


「さて戦闘訓練だ、殺す気でかかってこい」


「いや、いきなり殺す気でってうおっ!」


 顔先を槍の右薙がかすめる、かろうじてギリギリでかわすが。


「ッ!」


 槍の先端が来たと思ったら、次には鎖が追撃で入ってくる。


『スクトゥム!』


 ガシャン!


 嫌な音を立てて鎖と盾が衝突をする、例によって展開した盾は左腕に装着される。


「うん、なかなかいい反応速度だ、その調子で行くぞっ!」


「ちょ!ちょっとまってくださいってっ!」


 いきなり殺す気でって何考えてんだよあのおっさん!しかもただの槍ならまだしも鎖付きとかやりずれぇ、あっ、槍だけに。


「ほらほら、逃げてばかりだと攻め手に廻れなくなるぞ!」


「っ!避けるだけでも精一杯ですよ!」


 槍は遠距離での攻撃に向いておりそのリーチが長いため軌道が読みやすい、よって懐に入り込みやすく剣にとっては攻めに廻りやすい、しかしこれはあくまで普通の槍だったらの話だ、今回の獲物はそのリーチの差を埋めるため鎖を用いて追撃してくるためなかなか懐に入り込めない・・・ならば!


「そらっ!」


「くっ!」


 まず一撃目、右薙(みぎなぎ


 それをかわす!


 そして!


 その後に鎖!


 それを盾で防いだ後!


 ガキン!


「ウオラッ!」


「!?」


 一気に前進して剣で突く!


「フッ・・・」


「!?」


 剣先が当たる寸前、ガルシアの頬がなぜか緩む。


『フレイムグラーモ!』


 ガルシアが呪文を言った瞬間、彼を中心にものすごい勢いの炎が現れ、とっさに鎖で防いでた盾を使い正面を防御する。


「クハッ!」


「近距離戦でこられたらかなわない武器だってことは俺は30年前からわかってる、だから武器に改造を施しリーチの差を埋め、差を埋められた時の魔術も開発したのさ!」


 俺はというと、先ほどの熱量と熱波に押し負け、吹き飛ばされ地面に転がっていた。


「さぁ、立てお前の技量はその程度ではないだろう?」


 そうだ、俺の技量はこの程度じゃあないっ!


「今一色流・・・」


「・・・!」


 とっさに地面を殴り、人間とは思えない跳躍を生み出す、これは身体強化術の賜物だ、そしてガルシアは瞬間的に頭上に槍を横に持ち防御体制をとる、そこで縦にすれば俺はくし刺しだったが命を取るつもりはないのだろう、俺も剣を落下速度に乗せて槍に向かって叩きつける、そして


『今一色流 剣術 時雨(しぐれ <(ごう>!』


 ガガガがガガガガガッ!


 連続的に剣を細かく切りかえし何度も槍に打ち付ける、もちろん当然これで倒せるとは思っていないあくまで体力を削るためだ。


「グッ!・・・ウオッラッ!」


 槍を押し返し剣の連続の切りつけを断ち切る、にしても身体強化術様様だ、切り返しの速度が滞空時間で連続にあそこまで行えるなんて、地球で言うなら漫画に出てくる、例の十字傷の男に少しは近づけたのではないかと感動すらする。


「・・・これはこの前見せた技と同じか?」


「あれは一対多数ですが、今回は一対一専用の技です」


 そう、性質は同じだが一対多数の方は相手を殺傷するのが目的ではなく、戦闘不能に持ち込むのが目的な『今一色流 剣術 時雨(しぐれ 』、そして相手一人を確実に殺傷させるのが目的な技が『今一色流 剣術 時雨(しぐれ <ごう>』ということである。


「ということは、俺殺されるところだったの?」


「殺す気でって言ったのはあなたでしょう?」


 またさりげなく心を読まれた、もしかして俺って読まれやすいのかな?


「にしても、身体強化術をちゃんと使えたじゃないか、でもなぁ・・・よしっ!じゃあこうしよう、次の一瞬で俺にあと一撃を与えたら終わりってことでどぉ?」


 ・・・ヤベェ、この人脳筋だ、でもまぁでもせっかくなんで付き合ってやるとするか実践も兼ねてこの先何があるかわからないし、悪い経験じゃないだろう。


「いいでしょう、乗ります」


「よし、行くぞっ!」


 前に話した通り槍はリーチが長い、その分懐に入りやすいが前のように魔術が入られると以前のようなことが起こる、よって導き出される答えはひとつ。


『レクソス』


 盾は腰に収まり鞘に戻るが、戻った鞘のみをベルトから外し剣を収める。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(見たことのない構えだ・・・しかもこれから攻撃を仕掛けようというのに武器を収めて何をやってるんだ?)


 すでに槍は彼の間合いに入っておりいつ攻撃されてもおかしくない、しかし彼は一向に動くことなく腰の剣に手をかけたまま動こうとしない。


(このまま攻めるぞ!)


 次の瞬間である彼の手が動き剣で槍を払う。


(さて、次は鎖だ、どうするかなショウ?)


 しかし、鎖が当たる瞬間に彼の剣がまた鎖に当たり弾かれる。


(弾かれたのはまだ予想内だ、次に間合いに攻め込まれた時にはまた魔術を発動する)


 呪文を唱えようとしたその時である、その時鎖を弾いたものの正体が目に映った。


(まさか・・・あれは鞘だとっ!しかし鞘である必要性はないはずだ、このままいけば魔術は発動できるっ!)


 しかし、彼の腰に戻った剣はさっきと打って変わってものすごい勢いで抜かれ自分の喉元へと進む、そして。


「フ・・・・はぁ〜、私の負けだ、降参です」


 次の瞬間、呪文を唱える間もなく剣先は喉元でピタリと止まっていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 間合いに攻め込まれたガルシアはまた同じような魔術を使うはずだ、だとしたら発動する前に阻止すればいい、そこで使用するのが日本固有の武術、抜刀術を使うことになる。


 某流浪人系漫画にあるように抜刀術で鞘から出された剣の速度はかなり早い、そうすればガルシアが呪文を言う前に一撃を与えることが可能になる、問題は攻めの時、どうやって攻撃の槍と鎖をかわすか、剣でなぎ払った場合、鞘に戻す時のロスタイムで呪文を言われ負けることになる、だとしたら納剣した状態で防御をし、防御した後に攻撃すれば良い、この二段式抜刀術こそが今一色流の抜刀術。


『今一色流 抜刀術 雷閃(らいせん


 さすがに剣速は日本刀独特の剃りに比べると多少剣の方が劣るがなかなかの速度が出たので良かった、とにかく土壇場だったのでこれでよしとしよう。


「いや〜、にしてもショウの世界の武術は大したものだな、よく精錬された動きだ」


「まぁ、勝ちにしかこだわってない武術ですから」


 日本の武術とはその型とかの美しさなどではなく、とにかく相手を確実に戦闘不能にさせる、まさに必勝の流派が多い、俺のいる流派も一つ一つが必勝を目的として作られた技だ。


「ッイテてててってててえええええっ!」


 ちくしょう!今度は腕かよ!そういえばさっき腕に身体強化術を使ったんだっけ?にしてもこの両手がつる感覚は本当に戦闘中に起きたら致命傷だな。


「そう、戦闘中にも起きないように日々、これを使い慣れていくことが大事なんだな」


「あの、そろそろ聞くんですけど・・・俺の心を読んでます?」


「ん?何の話だ?」


「いや、もう何でもないです・・・・」

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