老け顔だったんですね
「ではルディア・ゾディック君入って来てください。」
「失礼します。」
ガラガラとドアを開け中に入り、教室を見渡す。
この学校の教室は大学のような作りだが、1つ1つの列の間が広い。何のためだろうか?
「ルディア・ゾディック君自己紹介を。」
俺が疑問に思いながらグスタフさんの隣に辿り着くとそう言われた。よし、やるか。
「初めましてルディア・ゾディックです。 王立リーデンブルグ学園から来ました、1ヶ月の短い間ですが宜しくお願いします。」
そう言ってクラスを見回し右手を左手胸に当てお辞儀をする。しかし、見たことがあるような無いような顔があったが、ん〜思い出せない。
「ルディア君は学園都市で魔族を単身で倒した功績で王都に叙勲式に参加するために来ました。皆さんも仲良くしてくださいね。」
「「「はい! 」」」
しかし、貴族なのに素直で性根が良さそうな子達だ。この学校は俺の思っていた貴族達とは違うのが集まっているのか? 怪しいぞ。 あ、そうか。俺がクソジジイに色々言ったからまともなクラスにしてくれたのか。言ってみるものだな。
「じゃあルディア君。あそこの窓際の席に座ってください。」
俺がうんうんと頷いているとグスタフさんにそう言われる。お!? あそこか! 何て眠り甲斐がありそうな席なんだ! よっしゃ!
俺が席に着き密かにガッヅポーズ取っていると、グスタフさんがホームルームを始めた。
「今日の予定ですが‥‥」
グスタフさんが長々としたホームルームを終え教室から出て行った所で俺は質問攻めにあう。質問攻めはこう言ったイベントにつきものらしい。
「なあなあ、魔族を倒したって本当か!? 凄いな! どうやって倒したのか聞かせてくれよ! 」
「そうだね。 今度時間があったら。」
正直自分の武勇伝を長々と話したくない。俺に話している時の父さんの顔を見てそう決めたのだ。
「ルディア君の着ている制服ってZクラスのだよね? かっこいいなぁ〜 」
俺の着ている制服を見てそう言う女の子。 そうなのだ、今着ている俺の制服はZクラスの制服だ。 そもそも俺は学校を辞めて転入した訳ではないのでこれを着るようにとクソジジイが言ってた。
「それが、そうでもないだ。1人だけ別の制服ってかなり恥ずかしいよ。」
俺は冗談めかす様に首を振る。
「で、でもいいと思うよ? なんか特別って感じで。」
「有り難う。 君に言われて嬉しいよ。」
もじもじとしながら言ってくる女の子に俺は笑顔でお礼を言う。
俺の笑顔を受けた女の子はプシューと音を立ててショートしてしまった。かわいい。
俺がそんなやり取りをしていると突然人ごみが割れ、さっき見覚えがあるなと思った子達が近ずいてきた。何だろうか貴族の子共達が揃いも揃って道を開けるとはそれほど地位が高いのか?
「ルディア・ゾディック様。 初めまして私は第1王女アリウシア・フォン・リーデンブルグ
です。以後、よしなに。」
‥‥え? うそ、でしょ? ア、ア、アリウシア様!? 同い年だったのか!?
「俺はラインハルト・ルーバーン。 ルーバーン侯爵次期当主だ。宜しくなルディア。」
ラインハルトさんあなたもですか。 というより老け顔だったんですね。 20代とか思ってすいません。というよりいつもはキャラ作っていたんですね。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
俺は一瞬驚愕した表情を瞬時に隠し笑顔で先程と同じ様にお辞儀をする。
それを見たアリウシア様は手をパンパンと叩いた。
「皆さん。 ルディア様が気になるのは分かりますが自己紹介をしないのは無礼に当たりますよ? 」
それを聴いた俺に質問攻めをしてきていた子達が一斉に自己紹介を始めた。
「俺は、マーク・スター。 スター伯爵次期当主だぜ! 」
「わ、私はエミリア・グラッツ。 グラッツ辺境伯令嬢です。」
い、いやな予感がするぞ。背中に冷や汗が伝うのがわかる。
「私はモリル・ヌワエリア。 ヌワエリア伯爵令嬢ですわ! 」
「僕は‥‥公爵の次男です。」
この後も全員に自己紹介されたが全員が伯爵以上だった。これは一体どういう事だろうか?
伯爵以上と言えば上流貴族だぞ。 次世代の王国を担う子達じゃないか。ここはそう言うクラスなのか?
「へ、へ〜宜しくね。」
「ルディア様1時間目は闘技場で実習科目です行きましょう。」
俺は顔が引きつるのを感じながらそう返すと、アリウシア様がニコッと笑ってそう言ってくる。
「そうなんですか。 有り難う御座います。」
俺はまだ闘技場の場所が分からないのでアリウシア様達に連れられ闘技場に向かうのだった。
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