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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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皆さんに任せましょう

「攫った女、子供はここから少し行った森にある洞窟で他のグルーブの奴らと共同で管理してます。」


あれからいくつかこいつらに質問をしてわかった事は、この辺りに集まっているのは凡そ20グループ以上、500人越えの盗賊達が集まっていると言うこととそのグループは幾つかの集団に分かれ攫った人たちを監禁し一定周期で来るヴィクティムの構成員に攫った人達を売り払っているということだ。


よし、これで聞きたいことはすべて聞いたな。

俺は手を振り上げ、上空で見ていた皆さんを下ろす。


「な、なんだこいつらは!? 」


今まで質問に答えていた盗賊達は上空にこれ程の人がいるとは思わなかったのか目を見開いている。


俺は驚いている盗賊達を無視し皆さんに語りかける。


「聞いていたかもしれませんが、こいつらはだいぶ前からこう言ったことをしていた様です。襲ってきた人達の中に皆さんの大切な人が含まれているかも知れません。そこで僕はこいつらを皆さんに任せようと思います。皆さんが手を下した方がスッキリするでしょう。煮るも焼くも自由。動けない様にしておきますのでどうぞ。」


5人の盗賊を重力で抵抗出来ない様にして大勢の人の中におろした。

復讐は自分の手でやった方が良いだろう。 俺も自分の手でやりたいしな。

皆さんは最初は戸惑いを見せていたが直ぐに目に復讐の炎を灯し各々殴り、蹴り始めた。


「この野郎、ぶっ殺してやる! 」


「よくも! よくも! 」


「おら! うちの息子はな、俺によく懐いてたんだよ絶対に許さねえ! 」


これで少しは恨みは晴れるか。 聞くからに、もうヴィクティムに売られてしまった人達も居るだろう。

俺にできるのはこれ以上被害を出さない様にするのと、盗賊、ヴィクティムを皆殺し、又はその手で仇を討たせてやる事だけだ。


盗賊達が、殺されたら早く隠れ家に向かおう。 そこで別の隠れ家の場所も分かるだろうし。


「坊っちゃま、坊っちゃまはお優しいのですね。皆様を連れてきたのはその手で仇を討たせてあげるためだったんですね。 」


俺がこの後の予定を考えながら腕に抱いていた女の子を地面に寝かせ、未だ呆然としている男性に歩み寄っているとアリアが話しかけてきた。


「僕だったら自分の手でやりたいからね。ただそれだけだけど。」


まあ、少しだけ別の思惑があるが。


(嘘つきなさい! 別の思惑の方が本命でしょうが! )


煩いなレヴィ。 嘘も方便だぞ。


「ぼ、坊っちゃま。それ程までお考えに‥‥。」


アリアが顔を赤くしてモジモジとしている。


ほら見てみろレヴィ。 アリアが顔を赤くしているぞ。


(こんの、チョロインが! )


声でレヴィがウガーと怒っているのがわかる。面白いな。


膝立ちになっている男性の所にたどり着いた俺は話しかける。


「あの、大丈夫ですか? 腕痛めている様ですけど。 」


呆然としていた男性は俺に話しかけられハッとなった。


「あ、ああ。ヒビが入っただけだから大丈夫だよ。 それより君は? 」


「僕はルディア・ゾディックです。 盗賊狩りに来ている途中で襲われているのを見て駆けつけました。」


「き、君があの‥‥。 ああ、お礼を言うのが遅れてすまないね。 娘と私を助けてくれてありがとう。」


そう言って深々と頭を下げてきた。


「いえいえ、当たり前の事をしたまでです。それよりこのあとどうしますか? その腕ではエイバまで行けないでしょうし、また盗賊に襲われるかもしれません。 僕がエイバまで運びましょうか? 少しびっくりしますけど。」


「ああ、お願いするよ。さっきの人を浮かべていた力を使うんだね。」


それに対して俺はニコリとだけ笑った。


よし、これでやる事は終わったな。

スカイダイビングは、98回目だし、5人の盗賊は虫の息。この人達を馬車ごとエイバに運んだらちょうど良い具合だな。


俺は地面に寝かせていた女の子を浮かび上げ、馬車の中に入れる。


「さあ、中に入って。」


「ああ、本当にありがとう。」


男性が最後にお礼を言って馬車に入ったのを見て俺は馬ごと馬車にを浮かび上がらせ遠くに見えるエイバへと送る。

どこでどのタイミングで下ろすかはエイバとその周囲を観測眼で対象とする事で分かる。

さっき上空から見ることができたから、思い描くことができるのだ。


えっと、門の前あたりで良いか。 俺はそーっと馬車を門の前に下ろして観測眼を解いた。

ふぅ、と一息ついて盗賊達をボコボコにしていた皆さんを見ると丁度終わったらしい。

スッキリした良い笑顔だ。 顔に血を付けながらなのが怖いが。


俺が少し引いていると、100回目のスカイダイビングが3人の盗賊を地面のシミにしたところで終わりを迎えた。


次は隠れ家か、向かう途中にどんな殺し方が恐怖をより与えるか考えなくちゃな。

腕がなるぜ。

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