変心事件
早くバトル書きたい。でも適当に進めたくない。あームズイ
勇者たちが退室した謁見の間では、先程とは異なりまるで戦場の様なピリピリした空気で満ちていた。そんな空気の中ベルクリウスは豪華な玉座に座り直し、険しい表情で彼の家臣達に問いかける。
「此度の勇者召喚どう見る?」
「そうですね、魔導書に書かれていた通り殆どの者がlv.1にしては圧倒的な力を有していました。職業は上位職業、最上位職業に着いており、能力値においても平均値より少なくて数倍多くて数十倍です。中には固有スキル持ちもいました。概ね成功といて良いかと。例外も有りますが…。」
その言葉にベルクリウスは渋顔を作る。
「何処にでも例外はある、か。悩み所は処遇だな、勇者(笑)などと言うの職業など聞いたこともないわ。」
目を瞑りながら首を振り溜息を盛大に吐く。その様子に家臣達は苦笑いを浮かべる。
謁見の間の柔み始めた雰囲気を壊すように男が進み出てきた。その男の風貌は眼に鋭さを宿し、青い髪を短く刈り上げワックスの様な物でまとめている様は戦士と言うより獣という表現が合ってるだろう。
「そのことについてなのですが、宜しいですか陛下?」
「良い、して何かな?ルーフェル卿。」
「っは。その勇者(笑)なのですが、しばらくは様子を見て使える様ならそのまま使い、使えない様なら何かしら理由を付け城を追い出すことにが得策かと愚考します。」
「っな!それはいけません!私達の都合で召喚しといて使えないからと追い出せと申すのですか!?貴方に貴族の誇りは無いのですか!?」
アウレシアがルーフェルのあまりの言い草に声を荒げるが、ルーフェルはそんなの関係ないとばかりに
「我が国の財政は、例年増加してる魔族の襲撃や、帝国の対策に、既に火の車です。使えぬ者など養う余裕はありません。それはアウレシア王女殿下もご存知では?」
アウレシアはギリッと歯をくばる。。アウレシアにもそれは分かっているのだ。しかし、理解しているからと言って追い出すようなことはできない。
「ですが!それとこれとは別です!それに龍太様は勇者達の中心人物、そのような真似をしては他の勇者達の反感を買います!」
それに対して、ルーフェルは顔に冷酷な表情を浮かべながら
「いいえ、それは今までの話です。全員力を得れば今まで通りだったかもしれませんが、一人だけ力を得なかった。しかもコミュニティの中心人物ともなれば話は別です。コミュニティは全員が全員何かしらの不満をもっています。その不満を簡単に解決できる方法を年端のいかない子供が持てばどうなるか…分かりましょう?」
アウレシアは顔を赤くし
「貴方ってひとは!」
ドン!
「双方そこまで!彩月龍太の件は保留よいな!」
ベルクリウスが足を踏み鳴らし熱が帯びてきた討論を終わらせる。
「……はい陛下」
「畏まりました」
「問題は帝国だ。恐らく城内にネズミが入り込んでる。帝国に勇者召喚の件が漏れるのは時間の問題だろう。
帝国はどう動くと思う?」
その問いに文官は、頭の中で戦費の計算をし顔を引き攣らせ、武官は血の滾る戦いに思いを馳せ獰猛な笑みをしていた。
「…勇者召喚を大義名分に攻めてくるでしょう。」
「卿もそう思うか。よしラインハルト卿、勇者達の教育を来たるべき時までに完成させよ。」
「っは!仰せのままに。」
「うむでは我々も、晩餐会まで休むとしよう。疲れた顔で友好もへったくれも無いからな。」
そう言って玉座を立つベルクリウス。
「「「はははははは」」」
「ではゆっくりと休みますかな!」
「一眠りしますぞ!」
龍太たちの知らぬまに物語は刻々と進んでいく。
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今俺は、勇者一人一人に当てがわれた部屋のソファーで寛いでいた。部屋はリビング、寝室、バルコニーに分かれており、30畳くらいの広さで、天井からは、高そうなシャンデリアが吊り下がりロウソクの光をキラキラと反射してとても綺麗だ。綺麗だが、余りにも回りにあるのが高そうな物過ぎて落ち着かない。こういう時は寝てしまおうとベットに倒れこむ。
「すご!ふあっふあだな。これならすぐ眠れそうだ。」
あーもう眠くなってきた。これほしい、な。そこで俺は眠りについた。
トントントントン
「龍太様、晩餐会の準備が整いましたので広間までお越しください。」
んあ?もう準備できたのか。どのくらい寝てたんだ?窓から外を見てみると、寝る前はまだまだ昼だったのに、今は完全に夜の帳がおりている。結構寝たな。かなり疲れが取れた。確か広間だったか?どこだっけ?この部屋くる前に説明されたんだよな。確か廊下でて、左に曲がって、此処からおぼえてねーや。まあ、行く途中に誰かに会うだろ。ベットから起き上がりドアまでテクテク歩く。
ガチャ、バタン
「電気通ってないのにずいぶん明るいな?なんだあれ。?」
俺の視線の先には、クリスタルの結晶のようなものが等間隔に並び淡く輝いている。そのあまりの幻想的な情景に思わず時間を忘れて見とれてしまう。そこへ後ろから歩いてきたラインハルトさんが話しかけてくる。
「それは魔灯ですよ。彩月様。」
「魔灯ってなんだ?」
「魔物から取れる魔石を燃料に動かしてるマジックアイテムです。まあ殆どのマジックアイテムは魔石で動かしてるんですけど。」
へーこっちの世界では電気の代わりに、魔石が使われてんのか。
「ふーん。ラインハルトさんなにしてるんですか?」
「貴方を探していました。」
顔を赤らめ息を荒くしながらいってきた。や、ヤバイイイイイイイイイイ!!!俺は乙女ラインハルトとエンカウントしてしまったようだ。
「貴方のこと待ってたんですよ」
こっちをじっと見つめながら恐ろしいことをのたまう乙女ラインハルト。そんな目で見てもダメだぞ!俺はNO言える日本人なんだ!!ラインハルトパニックに陥って無防備になってる俺の手を、乙女ラインハルトがとって駈け出す。
「さあ行きますよ。」
どこに!?やめちょっ!何、この胸のトキメキ?わたしが変わっちゃう!はなして、いや!い、いたい!もう!強引なんだからライン。
いやああああああ!!心の声が侵食されてくうううう。
心をしっかり保つのよ、龍太。
保ててねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
ああ行っちゃうリュウ行っちゃうのーーー!
俺があちらの世界に旅立つ直前に
「つきましたよ。龍太様。」
突然立ち止まったライン。どうしたのかしら?
「どうしたのライン?」
「ラ、ライン?い、いえ広間に着きましたよ。」
顔が引きつってるライン。ああその顔もか・わ・い・い〜そこはもともと龍太が行く予定だった広間だった広間には龍太を除く全てのクラスメイトが揃っていることからお察しである。龍太の奇行を見ていたのか、青山がジト目で睨んでる。
「彩月、あんた顔ものすっごい気持ち悪いわよ。」
何かしら?あの子私を睨んでるわ〜こっわ〜い。
「キャ、ラインあの子睨んできてる〜たすけて〜」
龍太がそう言いラインハルトに抱きつく。それを聞いた青山の眉が吊り上がる。
「気持っち悪いわねその辺な言葉ずかい止めなさい!」
「いやーよー、なんであんたに命令されないといけないわけ〜、あり得ないんですけど〜キャハッ☆」
変心してから果てしなくウザくなった龍太に、青山が壊れてしまった。
「コロスコロスコロスコロス。」
「おっせ〜よ龍太。てめえのせいで飯食うの遅れちまってるじゃねいか。」
「なに〜このオバさん?人の名前間違えてんですけどマジウケる〜キャハッ☆わたしにはリョウ♡ってカワイイ名前があるの間違えないでよね〜キャハッ☆」
ピシッと、空間が歪むほどの殺気を受けても、物ともしないリョウ(龍太変心時)ある意味かなりのパワーアップしてると言えるだろう。
「覚悟できてんな。龍太。地平線の彼方まで飛ばしてやがる。『破壊の心得』、『必滅の拳』死ねやアアア!」
悪鬼のごとく髪を揺らしながら、本能でスキルを発動させた柴咲先生の腕からは、黒い蜃気楼が立ち上り目は紫色に変わってる。スキルの恩恵をうけた踏み込みは床にヒビを入れ、瞬きの合間に龍太に接近した。接近した柴咲先生は、正確に顔面ストレートを見舞う。
ドゴンッ!吹っ飛ばされた龍太は、空中を舞いながら俺なにしてたんだけ?と思いながら、だんだんと意識が遠のいていった。
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翌朝目が覚めた龍太は、酷い顔の痛みをおぼえていた。何か思い姿見で見てみると、誰かに殴られたかのような跡ができていた。何があったか思い出してみようとしてみるも、記憶に蓋がしてあるかのように全く思い出せなかった。取り敢えず顔でも洗おうと、立ち上がったところで、おーい起きてるか?龍太?開けるぞ?正義が入ってきた。
「おはよう正義。なんだか俺昨日の記憶抜けてんだけどなんかしらね?」
「いやしらないぞ!強いて言うなら、酒の飲みすぎじゃないか!?ほら!昨日間違えて飲んでただろ!」
キョドりながらごまかす正義。昨日あの場に正義もいたのだ。部屋に運んだのも正義である。ちなみに、龍太の乱心事件は広間に入ったところで起きたためその場にいた3名以外には殴られて吹っ飛ばされたとこしか見られていない。
「それより!朝飯食いに行こうぜ!しっかり食わないと訓練と、座学にもたねーぞ!」
「えっ!?聞いてないんですけど…」
ゲンナリする龍太。訓練はステータスがいっそ清々しいほどに雑魚である龍太に取って何をするにしても地獄になること請け合いだ。座学は、ただもともと嫌いなだけである。
「そりゃ昨日言ってたときお前潰れてたしな!」
はアアアアアアー溜息を吐かないとやってられない。
「飯、行くか。」
「おうよ!」
ちなみに地味に心配していた、異世界食事事情は杞憂に終わった。とても、おいしかった、ですまる
次はバトル書く!(決意)