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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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本日は赤い煙のち魔物の雨

学園都市の門から出た俺は、遠目にエルザちゃん達がいるのが見えた。

どうやらAクラスも魔物狩りに来ているらしい。


「あ、Aクラスも来ていたのね。 」


どうやらクロエも発見したようだ。


「そうみたいだ、負けられないな。」


「当たり前じゃない、手加減しないでよ? 」


「いいのか? 俺が本気でやったらクロエの分がなくなるぞ? 」


俺はニヤリと笑いクロエに聞き返す。


「な! ふん、少しは残しなさいよね。」


腕を組んでソッポを向いてしまった。少しいじめ過ぎたようだ。


「冗談だ、クロエの為なら残すよ。」


そう言って先程とはうって変わって輝くような笑顔で言い頭を撫でる。


「あ、りがとう。ルディ‥‥。」


顔を赤くし俯いてお礼を言ってくるクロエ。

俺が落としてあげた事には気づいていないのだろうか?

まあいいや。


「おいお前ら! 危険を感じたらコレをこうやって握りつぶせ。 赤い煙が出る。 私はコレを見たら直ぐに駆けつけるからそれまでなんとか耐えるように。 まあ、ここいらに其処まで危険な魔物は出ないので安心しろ。」


先頭を歩いていたゼンツさんが振り向いて、ここに来るまでに配られた赤いカラーボールのようなものを握りつぶし、実演する。

するとモクモクと空高く真っ赤な煙が立ち上った。

確かにこれなら直ぐに駆けつけることができるだろう。


俺がカラーボールのようなものを手に取り便利だなと思っていると、そこら中から赤い煙がが吹き出した。


うわっ、けむっ!


「ゴホゴホ! なんだ! どうした! 」


「先生、男子達が投げて遊んでます。」


そう女生徒が手を上げていった。


‥‥‥‥アホだろ。


確かにいい笑顔をして投げ合っているようだ。

青春しているぜ。


「お前ら! 何をやっている! 」


ゼンツさんが叱りにいくが男子生徒達は一斉に赤いカラーボールを握りつぶす。


「ゴホゴホ! なぜまたやった! 」


「「今危険を感じましたので。」」


顔をキリッとさせてそういうアホ達。


‥‥‥‥。


カラーボールを投げあっていた男子生徒達は大きなタンコブを作る事になったのだった。




「さてアホどものおかげで少し予定が狂ったが、それでは各班に分かれて魔物狩りを始めるように。 解散! 」




それを聞いたSクラスのみんなは各々のグループに分かれ散っていった。

俺たちもそろそろ行くか。

俺は未だに撫でていたクロエの頭から手を退ける。

その時クロエが寂しそうな顔をしていたが仕方ない。


「クロエ俺たちもいこう。 最初はクロエが魔物狩っていいぞ? 」


俺の言葉を聞いたクロエは頭を左右に振って気持ちを切り替え、頷いた。


「そうね。手出ししないでよ? 訓練にならないから。」


クロエは人差し指を立て俺に釘を刺してきた。

そんなこと言わなくてもわかっているのに。


「分かってるって、早く行くぞ。 狩り尽くされちゃって出来ませんでした、じゃ笑い話だ。」


そう言って俺は歩き出す。が俺の危険察知スキルがこれまで感じたことがないほどの危険を察知した。


何だこれは!?


俺がこの危険の正体を探ろうとしていると学園都市を全て囲んでなお余りあるほどの巨大な紫色の魔方陣が上空に出現し、其処から魔物が大量に降ってくる。

見たことがある魔物から見たことのない見るからに強いであろう魔物とオールスターズだ。


ハハ、魔物狩りに来たら迎えに来てくれたよ。笑える。

本当に笑えるよ。


「ちょっと待ってよ。 どうしたのルディ? あれ何でいきなり暗くなって‥‥」


降ってくる魔物達に空が覆われ暗くなったことを疑問に思ったのか空を見上げて剣を取り落とした。


「な、によこれ ‥‥」


「クロエ、俺から離れるな。 魔物狩りは中止だ。 行くぞレヴィ【顕現せよ我が力、世界を恐怖のどん底に叩き込め、魔剣レーヴァテイン】 」


(学園都市に落ちてくるまでに何とかしないと大変なことになるわよ! )


そんなことわかってる!


都市に落ちたら俺の能力制御では被害が出てしまうから対処できない。


最早黒い壁のように迫ってくる魔物達に手を翳し手加減なしの重力を全てを飲み込むように発動する。

人工ブラックホールだ。


すると上空を黒く染め上げていた魔物達は光さえ飲み込むブラックホールに飲み込まれ消えていった。



「はぁはぁ、今のでかなり魔力使ったぞ。 焦りすぎて無駄に魔力込めてしまった‥‥。」


まずいな、まだ魔方陣は消えてない。

俺が少し焦り始めていると体に今殺した魔物達の魂が雪崩れ込んできた。

いつも通り、ありとあらゆる味を感じる。

しかし、ここまでがいつも通りだったようだ。


《魂を喰らった数が規定量を越えました。 これより魂喰が発動し、進化を促します。》


頭の中に声が聞こえたと思った瞬間身体中に立っていられない程の激痛が駆け巡る。

何でこんな時に!?


「アアアアア!! 」


こんな痛み、死んだ時も感じたことないぞ!

四肢をもがれ焼いた鉄を埋め込まれたみたいだ。

眼が赤く染まり血が流れ出て落ちていくのがわかる。


ただ呆然と空を眺めていたクロエは俺がもがき苦しみ出し声を荒らげたのを聞いて、駆け寄ってきた。


「ルディ! ねえどうしたの! どこにも怪我はないのに! 」


俺を抱きしめ体のあちこちを弄るがどこにも傷がないのを見て泣きそうだ。


クソ! そうこうしているうちに、また魔方陣から先程と同じくらい魔物が出てくるのが見える。

最悪だ、こんな状態でスキルを発動することなんてできない!


だが、更に状況は悪くなる。


「お前がさっきの攻撃をしたのか。」


何もない空間が歪みその中から頭に山羊のようなツノを生やし、蝙蝠の羽と瓜二つの翼を生やした男が出てきた。


見たことがない俺でも分かる。


こいつは魔族だ。



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