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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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エルさん‥‥あなたって人は

俺は今ヴィオラちゃんに手を引かれ校内を歩いている。


さっきからヴィオラちゃんはスキップしていて楽しそうだ。アリアもそんなヴィオラちゃんを微笑ましそうに見ている。

まあ、俺もだけど。


「あれが、校舎でね。 あれが闘技場で‥‥‥」


ヴィオラちゃんは目につくもの全てを俺に紹介してくる。

最初の方は学校の主要施設だったりしたのだが、途中からベンチやらトイレを紹介されて反応に困った。


トイレはなんて感想を言えばいいんだ。

よく捗りそうなトイレですね、とでもいえばいいのか?


まあそんな事は言えないので、苦笑いで誤魔化しただけだが。


俺が華麗にヴィオラちゃんの猛攻を交わしながら歩いていると大きい建物が見えてきた。


「あれは、モンモンの木でね。あ! あそこが女子寮なの! 」


ただの木の様なものを紹介していたヴィオラちゃんは大きな建物を視界に入れた途端指差し寮と説明してきた。


あそこが寮か、流石にでかいな。

2000人も住むことになればこの大きさは頷ける。


「あそこにヴィオラちゃんは住んでるんだね。 とても大きいな。 」


俺が寮を見上げながら呟いていると早く早くと手を引かれる。

俺を友達に紹介するのが待ち遠しい様だ。


「ルディ早くいこ! いこ! 」


「そうだね。 行こうか。」


手を引いてくるヴィオラちゃんに笑顔で頷き再び歩き出す。

門から受付まででかなり人が多いと判断したがそれは間違いだったようだ。

比べものにならないほど人がいる。


大半の生徒は寮から出ず、若しくは寮の周りで休日を過ごしているらしい。

そして、そこいらからもうお決まりと言えるヒソヒソ声が聞こえてくる。


「学園の生徒よ。 何でも生徒会長と風紀委員を一瞬で倒して、しかも生徒会長に土下座させたらしいわ。」


「嘘だろ!? うちのトップの戦闘集団じゃないか。 流石に学園だな。 」


‥‥噂が流れるのが、早すぎませんかね。ついさっきの事なんだけど。


俺がヒソヒソ話に耳を傾けながら歩いているとどうやら寮に着いたようだ。


「ルディ、ここで待ってて。 みんな呼んでくるから。」


ヴィオラちゃんがそう言って俺から見て右手側の通路に入っていく。

あそこが女子寮への通路のようだ。


「ねえちょっと、僕。」


さてヴィオラちゃんが戻ってくるまで何するか、と考えていると肩を叩かれた。


「何ですか? 」


振り向いて見ると、山脈があった。


何でこんなところにお山が? しかも揺れてる。

不思議なお山だな。


俺はこの不思議なお山の正体を探ろうと更に視線を強くする。


「やっぱりそうよ。 この子、学園の生徒だわ〜可愛い〜♡ 」


な、何だと!? 山が、山が喋ったぞレヴィ!


(アホくさ。)


冗談だよ、冗談。

でも素晴らしいものを拝見させてもらった。


感謝の気持ちを込め、心の中で合掌をする。


「ねえ僕、何か用事? お姉さん達が案内してあげようか? 」


視線を大きなお胸様からお姉さんの顔に向ける。


「お言葉に甘えたいところですが、友人を待っているだけですので大丈夫です。」


非常に残念そうな顔をしながらそう言う。

お手の物だ。


「そう、何か困ったことがあったらお姉さん達に言ってね。 色々してあげるから。」


そう言ってお姉さん達は去って行った。


色々とは、本当に色々と捉えていいのでしょうか!?

俺は鼻血が出そうになるのを堪える。

危なかった。


この学校はとても素晴らしいところだな。


(1日で学校を壊滅させる自信があるんじゃなかったのかしら? )


多分この学校アホ共とお胸様で均衡が保たれてるのだろう。

そうに違いない。


俺がこの学校の真理にたどり着いたところで、ヴィオラちゃんが3名の女生徒を連れて戻ってきた。

しかし明らかに同年代ではないのが混じっているのはどういう事だろうか?


「ルディ! お待たせ〜 みんな連れてきたよ〜! 」


「ああ、その人達がヴィオラちゃんの友達? 初めましてルディア・ゾディックです。

ヴィオラちゃんと仲良くしてくれて有難うございます。 」


俺はキラキラとエフェクトを出しながら右手を左胸に当て、お辞儀をする。


「は、はい。私はヴィオラちゃんと友達してます。 ミリアって言いますです。」


薄緑色の髪をしたリスみたいな子だ。

庇護欲がそそられる。


「私はケイシーです。 ヴィオラからはいつもあなたの事を耳にタコができるくらい聞いてるわ。」


「もう! それは言わないでって言ったじゃん! ケイシーのバカ! 」


ヴィオラちゃんがプンプンと効果音がつきそうな怒り方をしている。

全然怖くない。


それはケイシーちゃんも同じようでアハハと笑っている。


「ごめんごめん。 ルディアと言ったかな、もうメリッサとはあったんだろ? 」


ケイシーちゃんは、ヴィオラちゃんに軽く謝り俺に話しかけてきた。


メリッサといえば、受付のところであった女の子か。


「うん、もうあったよ。」


「そう。 私とミリア、メリッサ、ヴィオラを合わせた4人でいつも仲良くやらせてもらってるわ。 よろしくね。 」


そう言って軽快な笑みを浮かべる。

ヴィオラちゃんはいい友達を持ったな。

あれ? 受付にいた男の子はどうなんだ?


「ねえ、ヴィオラちゃん。 受付にいた男の子は? 」


未だにプンプンと怒っていたヴィオラちゃんはその俺の言葉を聞いてカチンと固まった。

なんだ?


「そ、それはね う〜う〜 」


なぜか知らないが唸り始めた。


「アハハハハ! この子ね。ルディには男の人の話はしないって聞かないんだよ。」


そんなヴィオラちゃんの頭をポンポンと叩いてケイシーちゃんは言った。


「だって、お母さんがルディの前で男の人の話をしちゃいけません、って言ってたんだもん。」


エルさん色々とヴィオラちゃんに教え込んでるな。だから受付では男の子と全く話してなかったのか。


「でもね、偶には他の男の人の話をして気を引きなさいっても言ってたよ。」


エ、エルさん。 なんて凶悪な技術教え込んでいるんですか。

これは他にも色々と隠し持ってると見たほうがいいな。


「そ、そうなんだ。 でも僕はあんまり気にしないよ? ヴィオラちゃんが僕を見ていてくれればね? 」


俺はヴィオラちゃんの頭を撫でながらそう言った。

これで凶悪な技術は発揮されないだろう。

俺はそう願っている。


「えへへへ 」


俺に撫でられヴィオラちゃんは頬を緩ませる。

俺もそれに癒されていると、まだ自己紹介をしていない10歳前後であろう女生徒が話しかけてきた。


「取り込み中、失礼する。 突然で申し訳ないが私と決闘していただきたい。」



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