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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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跪け

俺は受付に向かい歩いていく。

しかし本当にこの学校は生徒が多い様だ。見渡す限り人、人、人だ。

まあ、普段からこんなんじゃないのは分かるが。


「あれがこの学校に来た学園の奴か? なんか制服違うぞ。確か制服は黒だったはずだろ?」


「へ〜そうなんだ〜。じゃあ偽物かな? 」


まさかこの制服のこと知らないのか? 結構有名なんだが。


にわかに俺が学園の偽物じゃないか? と言う話が流れ始めた。ヤバイな、アホが出てきそうな雰囲気だ。


「おい、お前!止まれ! 」


俺がそう危惧していると俺とアリアの進路を塞ぐ子供が複数現れた。

‥‥出てきたよ。


俺とアリアはそれを見て歩みを止める。


「人の進路を塞ぐとは、なにようですか? 」


「お前偽物だろ! 制服が違うからすぐにわかるんだからな! 」


「「そーだ、そーだ! 」」


‥‥なんだこのアホっぽい奴ら。

ああそうか。 普通はこんなんだったな。

最近はあの学園の生徒とばかり話してたから忘れてた。


相手にするのもくだらないので再び歩き始める。


「動くなよ! 偽物が! 俺は貴族で偉いんだぞ! 平民で偽物は跪け! 」


「「そーだ そーだ! 」」


俺はその言葉を聞いて歩みを止める。

こいつ、黙っていれば調子に乗りやがって痛い目を見させてやる。


「そう、そのまま跪いて、学園の生徒のふりしてすいませんでしたって言え! 」


俺が立ち止まったのをなにを勘違いしたのか鼻を膨らませながら得意げに言っている。

周りの野次馬共も俺たちがそうするのを望んでいる顔だ。


胸糞悪い。 こんな学校にヴィオラちゃんはいるのか。

俺だったら1日で学校を壊滅させる自信があるぞ。


「そうだな、お前らが跪け。 」


アリアを除き俺から円を描く様に重力を展開する。


「「「うわあああ!! 」」」 「「「キャァァァ!! 」」」


すると野次馬共が全員膝をつく。

さっきからイライラしているんだ、このまま押し潰してしまおうか。

まあ、冗談は置いといて。

馬鹿共にはお仕置きをするとしよう。


「なにが貴族が偉いだと? 平民は跪けだと? よく見てみろ、今跪いているのは誰だ? 貴族も平民も等しく跪いているぞ。 俺という圧倒的な力の前にな。 調子に乗るのも大概にしろ。 次はお前らの血で綺麗な花を咲かせるからな。」


そう言って重力を元に戻す。

ああ、スッキリした。


「ああ、それと俺の制服なんだがな。これはZクラスの制服だ。偽物じゃないぞ。いくぞアリア。」


そう言って歩き出す。


「坊っちゃまステキでした。 」


頬を染めそんなことを言ってくる。結構過激なことを言ったはずなんだが。


「結構過激なこと言ったはずなんだけど? 」


「その、普段の太陽の様な坊っちゃまもいいんですけど、さっきの様な鋭く研ぎ澄まされた様な坊っちゃまもギャップがあってとってもいいです! 」


「そ、そう。」


握りこぶしを作り力説してくるアリアに少し引いたルディだった。





そんなルディとアリアが立ち去った現場に少しして息を切らして駆けつけた者たちがいた。


「な、なんだこれは!? 」


その者たちは大勢の生徒が跪き冷や汗を流したり、泣いたりしているのを見て驚く。


「大丈夫か!? 何があったんだ! 」


駆けつけた者達の内の黒髪を肩で切り揃えた女生徒が跪いている内の1人に聞く。


「せ、生徒会長。白い学園の制服を着た男の子が‥‥赤い花を咲かせるって。う、うわあああん! 」


どうやらその女生徒は生徒会長らしい。聞かれた生徒は生徒会長を見て安心したのか、泣き出してしまった。


「大丈夫よしよし、白い学園の制服と言えば聖魔ルディアじゃないか! 最悪だ、なんでこんな事をするのか分からないが、下手したらこの学校を潰されかねない。おい! 戦える生徒をありったけ集めてこい! これは戦争だ! 」


生徒会長は一緒にここに来た男子生徒にそう言った。


「はい! 」


こうして勘違いから後に聖魔事件と呼ばれる事件がルディの知らないところで、幕を開けたのだった。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



受付にたどり着いた俺は受付嬢に話しかける。


「すいません。 ヴィオラと言う今年入った女の子に会いに来たんですけどお取り次ぎ願えませんか? 」


「せ、聖魔‥‥。 い、いえなんでもありません。ヴィオラにはどの様なご用件で? 」


緊張しながらも用を聞いてくる。

それに俺は笑顔で答えた。


「友人です。 ルディが会いに来たと言えば分かりますので。」


「畏まりました。少々お待ちください。」


そう言って恐らく寮の方向に向かって行った。呼びに行ったのだろう。


「アリア、ヴィオラちゃんが来るまで座って待とうか。」


「はい、坊っちゃま。 」


俺とアリアは受付に置かれたソファーに座り寛ぐ。

結構時間かかるかな〜? と思っていると危険察知が武装した集団が此方に近寄って来ているのを察知した。

30人程か? さっきのお礼参りにしては豪華な装備だな。


俺達の脅威にもなりそうにもないので座って待つこととする。


「お前が聖魔ルディアだな。 」


「そうですが、何かご用でも? 」


俺の返答が気に食わなかったのか顔を真っ赤にする。


「‥‥何かご用だと? ふざけているのか? あの子達をあんな目に合わせといて‥‥。」


そう言って剣に手を掛ける。


「覚悟してもらう。総員抜刀! 」


ジャキン!


30人ほどが一斉に剣を抜き放つ。

やる気満々な様だ。しかも先に喧嘩を売ってきたのはあっちにもかかわらずこの言い草。

とことん腹が立つ。

果物屋の店主といい、この学校といい今日は厄日か? と疑いたくなる。


「皆さん、そこから一歩でも動いたら敵対行為と見なし僕も反撃します。」


俺は一応警告する。しかし相手側はそれを嘲笑う。


「まさか、この数相手に勝てるを思っているのか?聖魔と言え1年生。噂は、噂はだったらしい。やれ! 」


そう言って一斉に飛びかかって来た。


馬鹿なのかこいつら? まあ所詮はその程度という事か。

捻り潰すだけだ。


俺は切り掛かってきたやつら目掛け腕を振るい、壁に叩きつける。

弱い、弱すぎる。 なんのスキルも発動してないぞ。


「ば、バカな! 風紀委員の精鋭が一瞬で‥‥。 」


どうやら、彼らは風紀委員らしい。1人だけ残しておいた甲斐があった。


「スキルを発動するまでもありませんでしたね。少し聞きたいのですがどうして僕を攻撃して来たのですか? まさかあのバカ共の敵討ち、なんて言いませんよね? 」


俺の言葉を聞いて青くしていた顔が真っ赤になった。

信号みたいだ。

俺が場違いなことを考えていると最後に残した女生徒が声を荒らげる。


「あの子達が何したっていうの! 聞いたわよ!赤い花を咲かせるって! 」


ん? 何か決定的に食い違っている気がする。頭が痛くなるのを抑えながら俺は質問する。


「一応聞きますが、あのバカどもが俺たちにしたことはご存知で? 」


「‥‥え? 」


はぁ〜、聞いていない様だ。


「あいつらが俺を学園の偽物の生徒と決めつけ、跪く事を要求して来た事ですよ。」


最初は何を言っているのかわかっていない様だったが、次第に青ざめていく。


「う、うそでしょ。」


「いいえ本当です。 言葉で言っても収拾がつきそうになかったので、スキルを使って跪かせ返しました。 忠告に少し過激な事を言いましたが、恐らくそれがさっきあなたが言っていた事でしょう。」


「じゃあ、ここにはどうして来たの。」


「友人に会いに来ただけです。」


「ハハハ、ハハ。 」


乾いた笑みを浮かべる女生徒。


「すいませんでした! 勘違いで襲ってしまい大変申し訳ありません! 」


残像を残すスピードで土下座をする女生徒。

この人やり慣れてないか? 土下座の達人の動きだったぞ。


「ルディ? 何やってるの? 」


するとヴィオラちゃんの声が聞こえた。

そちらを見ると受付嬢の人が顔を引きつらせながら、ヴィオラちゃんと数名の子供を連れて来ていたところだった。


ま、まさかと思い、辺りを見回す。


周りには数十人と倒れた生徒達。そして俺がソファーにすわり女生徒に土下座させている。


うっわ、俺悪役の鏡みたいな状況じゃん。


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