君の役職は‥‥
地面に降り立った俺はレヴィに話しかける。
おい、レヴィ何が同等だ。確かに無詠唱は厄介だけど対して強くなかったぞ。
(そうよ? スキルを使わなければだけどね。 )
はぁ〜そういう落ちかよ。
結構楽しみにしてたのに‥‥。
俺がため息をついていると、生徒会長に生徒会の人たちが駆け寄る。
「会長! 大丈夫ですか!? ぐへ! 」
いち早く生徒会長に駆け寄ったクライストが顔面から地面に突っ込む。
あ、重力解いてないのに迂闊に近寄るなよ。
あいつ結構アホなのか?
「クライストくん!? 」
地面と合体したクライストに他の生徒会が近寄ろうとしているので声をかける。
「待ってください! 今近寄るとあなた方も同じになりますよ? 」
それを聞いて生徒会の人たちは立ち止まった。
俺が言わなかったら全員仲良く地面と合体するところだぜ。
生徒会の人たちが立ち止まったのを見て俺は重力を元に戻す。
するとクライストが勢いよく地面から頭を引き抜いた。
「会長! 大丈夫ですか!? 」
‥‥以外と頑丈だな。かなりの石頭のようだ。
「ああ、大丈夫だよ。 でも生徒会長が負けてしまうとは情けない。」
そう申し訳なさそうに目を伏せる。
かなり悔しいようだ。
「そんなことないですよ! 相手は化け物です。 化け物に人が勝てないのは道理ですので会長は悪くないですよ。」
クライストくん、慰めるふりをして俺と生徒会長を同時にディスるのやめてくれません?
俺、人間なんですけど。
「クライストくん! それは慰めになってないよ! 」
そんなクライストくんを見て生徒会の人もそう思ったのか止めに入る。
それでやっとクライストの暴走は止まった。
「しかし、会長が負けてしまうとは‥‥。これで下手な役職はつけられなくなったな。」
そうメガネをくいっとあげ知的に言う14歳程の男子生徒。
副会長だどうか?
見た目的にそう見えるけれど‥‥。
「それは後で考えよう。 今は対面式だ。 リッカ続きを。 みんな戸惑い始めている。」
そう会長が生徒会のメンバーに言った。
「そ、そうですね。 このオリエンテーションはルディア・ゾディックの勝利です! 」
「「「ウオオオオ!! 」」」
リッカさんの宣言を受け生徒たちは歓声を上げた。
俺は手を振ってくる生徒に向け笑顔で手を振る。
「「「キャーーー!! 」」」
気のせいだろうか? 黄色い声援が試合前より増えた気がする。
「先輩方、僕は戻ります。 また放課後に。 」
笑顔を崩さないで生徒会の人たちに話しかけてから戻っていく。
すると、後ろから生徒会の人たちの声が聞こえてくる。
「会長、私彼に相応しい役職を思いつきました。」
「奇遇だね、私も今思いついたよ。」
面倒な匂いがプンプンとするが気にしても仕方ないだろう。
俺は今だに発動していたスキルを歩きながら解き、1年生の列に戻った。
さてと、俺の帽子はどこかな? ここら辺に投げたはずだけど。
あ! あの子が持ってるな。
俺の帽子を手に顔を赤くし、後ろから他の女の子にホラホラと言われながら押されている女の子に近づく。
「帽子を届けに来てくれたの? ありがとう。」
帽子を受け取り被ってから、頭を撫でお礼をする。
「ど、どう致しまして。」
女の子はプシューと音を立てて頭から湯気が出てしまった。
(慣れたものね、女の敵だわ。)
何言ってるんだ。ちゃんと責任は取るさ。
(それが、女の敵なのよ。)
はいはい。
俺は女の子の頭から手を離して、クロエたちSクラスの元に戻る。
「お疲れ様、さすがの強さね。生徒会長を圧倒じゃない。」
笑顔でお疲れ様と言ってくるクロエ。
「ありがとうクロエ。 もう一仕事終わったって感じだよ。」
「アハハ、確かにそうね。 でもこれから交流会があるじゃない。」
「そうだった‥‥。」
俺はガックリと項垂れる。でもまあ、交流会が終ったら今日は放課後に生徒会だけなんだよな。頑張ろう。
そういえば、明日は学校休みか。ヴィオラちゃんにも会いにいかないと。
疲れるな〜、と思いながらその後の対面式を無難に過ごしたのだった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
俺は今、部活棟と呼ばれるかなり大きいコの字型の建物の廊下を歩いている。
対面式でかなり有名になったのか時折声をかけられるが、笑顔で返しながら生徒会室に向かう。
しかし、この学校はどれだけ金を持っているのだろうか? 部活棟だけで普通の学校くらいあるぞ。
エリート校は部活にも力を入れているらしい。
コツコツと部活棟の階段を登り最上階にたどり着いた。
真正面にある生徒会と書かれたドアをノックする。
コンコンコン
「ルディア・ゾディックです。」
「ああ、来たね。 入っていいよ。」
すると中から生徒会長の声が聞こえた。それに俺も答えドアを開ける。
「失礼します。 」
中に入って生徒会室を見てみるとかなり広い。
ドアから真正面に生徒会長が座る席があり、それを囲むように左右に他の生徒会メンバーが座る席がある。
そこには1つの空席を除き、全員座ってこちらを見ていた。
あの席は俺のだろうか?
生徒会室に視線を巡らせた俺は、真正面に座っている生徒会長に目を向ける。
「それでなんのご用でしょうか? 詳細を聞いていないのですが。」
「いや、大したことじゃないよ。 生徒会メンバーの自己紹介と君の役職の説明と今後の活動についてちょっと話すだけだから。 立ったままっていうのも難だし、そこに空いてる席に座って。」
そう言って空いている席を指す。
やはり俺の席だったようだ。
「はい、失礼します。 」
俺が椅子に座ると包み込むように支えてくる。
この椅子もかなりの高級品だろう。
「では9年生から自己紹介をするよ。 前にも言ったけど私はシリウス・ゲイザー。生徒会長をやっている。」
この人、氷の魔法を使うから青髪なのだろうか?
「私はフェンス・サーフだ。副会長をやっている。」
そうメガネをくいっとあげ自己紹介をするフェンスさん。
灰色の髪をして長身の男性だ。
「俺はクライスト・ジャスティ。 制圧部隊隊長だ。 」
クライストは赤髪をした正義執行してそうな男の子。
「私は、リッカ・ジャスティ。副会長です。よく聞かれるから言っておくけど私、クライストくんの妹なの。よろしくね?」
名前を聞いた時まさか、と思っていたが当たっていたらしい。
しかし似ていない兄弟だ。
リッカは黒髪でおっとりしていてお兄さんとは全く似てない。
「僕はバーギス・ジーザ。会計です。 」
バーギスは前髪で目を隠している男の子だ。
よくそれで前が見えるな。
「私はエリザベス・ティアですわ。 同じく会計してますの。 」
エリザベスは金髪ドリルのお嬢様だ。本当にこんな髪型する人いるんだな。
「僕はイスカ・ボーツ。 補佐をしています。」
イスカは紫髪の大人しめの男の子だ。
「私はクァンジュ・バルムです。同じく補佐です。」
クァンジュは茶髪の女の子だな。
俺は全員の自己紹介を聞いて頭を悩ませる。
お、多い。絶対忘れそうだ。でも覚えないとな。辛いけど。
「さて、みんなの自己紹介も終わったところで君の役職なんだけど‥‥」
なぜそこで溜める? どうせ補佐なんだろ。
でも何故だろう、嫌な予感がする。
「君には広告塔になってもらいたい。」
「‥‥はい? 」
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