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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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オリエンテーション

俺は今対面式が行われる第一闘技場に来ている。

あの後、直接向かったのだ。

空から降り立った時は先輩方に大変驚かれた。新しい2つ名が出来そうな勢いだった。

クロエは大勢にお姫様抱っこを見られて顔を赤くし、ポオポコと叩いてきて宥めるのに手間取ったものだ。


「これより対面式を開催します。 はじめに生徒会長シリウス・ゲイザーから挨拶があります。生徒会長お願いします。」


恐らく生徒会のメンバーの1人だろう人がそう言って生徒会長に場を譲る。


「初めまして、私が生徒会長シリウス・ゲイザーです。 1年生の皆さん、今日は顔合わせということで対面式を開催することになりました。 ですがいきなり、はい顔合わせと言われても何をしていいのか分からないでしょう。 そこで、オリエンテーションとして9年生と1年生の代表が試合を行います。 この試合を通して親睦を深めましょう。 私からは以上です。」


そう言って生徒会の列に戻る。


「生徒会長、ありがとうございました。 それでは一年生代表ルディア・ゾディック前へ。」


呼ばれた俺は、生徒会長達がいる地面にブロックが敷き詰められた広い場所に向かう。


うわ、早速かよ。

9年生は多分あの会長だろ? レヴィが言うに俺と同等。

楽しくなりそうだ。 まあ試験の時から魔力が大幅に上がったし、いざとなれば奥の手を使おう。負けたくないしな。


生徒会がいる所にたどり着いた俺に生徒会長が近寄ってくる。


「ルディア君、君の相手は私だ。 生徒会長として負けるわけにはいけないからね。 少し本気を出すよ。」


生徒会長は俺が入試で何をしたのか聞いてるだろうに、なめ腐ったことを言う。

顔も俺を格下と見ている顔だ。


何が少しだ。 この学校は相手を舐めてかかる風習でもあるのか?


「生徒会長、僕は本気で行きますからね。」


「悔いのないようにね。 」


そう言って手を差し出してきた。

握手という事だろう。俺も手を出す。


「生徒会長、ルディアくん。 試合方法は気絶又は寸止めで勝利だからね。 くれぐれも相手を殺すような技は出さないように。では会長、私たちはこれで下がりますね。」


そう言って生徒会のメンバー達は遠くにいる生徒の群れに戻って行った。


さあやるか、と肩を回していると声が聞こえて来る。


「ルディ! 頑張って〜! 」


「ボコして下さい! ルディ! 」


「頑張りなさいよ! 」


「ルディアくん! 頑張って! 」


「妹は渡さんぞ! 」


場違いなのが聞こえたが、聞き覚えのある声援が聞こえる。

誰が誰だか分かるのは数人だがそれ以外にも俺を応援してくれてる人は多いようだ。

1年生の殆どではないだろうか?


これは是が非でも勝たなくちゃな。


俺は帽子を外し、声援を送ってくれている子達に投げ込む。


「「「キャーーー!! 」」」


そんな俺を見て生徒会長は苦笑いだ。


「随分とファンサービスが良いね。 」


「声援には答えないといけませんから。」


「そんな余裕があるのかな? 」


目線を鋭くして聞いてくる。気に障ったようだ。


「どうでしょうか? 」


俺は、手を広げ誤魔化す。


俺と生徒会長が険悪な雰囲気になり始めたところで生徒会の人の声が聞こえた。


「これより、オリエンテーションを開始します! 」


「「「ウオーーー!! 」」」


先輩達が吠える。どうやら楽しみだったらしい。

こいう意味でもオリエンテーションなのか。


「では、試合開始! 」


開始と同時に俺はスキルを発動する。


「レヴィいくぞ。 【顕現せよ我が力、世界を恐怖のどん底に叩き込め、魔剣レーヴァテイ

ン】! 」


俺が魔剣召喚をする言葉を唱えると、胸に銀色の魔方陣が浮かび上がりそこから魔剣の柄が出てくる。

それを俺は掴み取り引き抜く。


(気を引き締めていきなさい。)


わかってるよ、レヴィ。


「【観測眼】 【身体強化】 【聖具召喚lv.4】 」


目が金色に変わり、体がキラキラと輝いて最後に全て黄金に輝く鉱物で造られた聖具を纏う。


俺がこの姿になると先輩達はザワザワとする。

まあ先輩達は初めて見るだろうからな。


「あれが、聖魔の真の姿‥‥。 」


「なんて神々しいの。」


真のってなんだよ、真って。


「すごいね、ここまで固有スキルを持っているなんて‥‥。 君の眼、魔眼だろう?

これは気を引き締めないとやられそうだね。」


冷や汗を流しながらそう言う。


「生徒会長そんな暇、ありますかね。」


ブロックを踏み砕き接近する。

あと少しで魔剣の間合いに入るというところで突然、生徒会長の周りに氷の壁がせり出す未来を観測眼が捉えた。


それを見た俺は、上空に急遽方向転換する。


上空で滞空した俺は氷の壁に囲まれた生徒会長を見る。


おい、あいつ詠唱してなかったぞ。

どういう事だレヴィ?


(たぶん、無詠唱スキル持ちね。 簡単には覚えられないスキルの筈よ。 厄介ね。)


無詠唱って事は詠唱しないでボコスカ魔法打って来るのか、厄介な。

面倒だ、押し潰そう。


俺は未だに氷の壁の中に閉じこもっている生徒会長に向け重力を掛ける。


ゴォォォ!!


氷の壁が砕け地面が陥没した。

氷の残骸が積み重なってるのを見て思わず‥‥。


「やったか。」


自分で言ってから、やっべ! フラグ立てちゃったよと後悔した。

俺が頭を抱えているとやはり氷の残骸が吹き飛んだ。

しかも、超重力内で平然と立っている。どういう事だ?


(恐らく、身体強化系の魔法を重ねがけして耐えてるわね。魔力の消耗が激しいはず、あと数分も持たないでしょうね。)


さすがレヴィ、伊達に魔剣やってない。物知りだ。


「いやいや、驚いたよ。 まさかその魔眼が最高位の魔眼だったとは、それにこの威力末恐ろしいね。」


さも余裕です。 といった感じで会長の言葉もレヴィの話聞いたあとでは面白くて仕方ない。


だってあんな攻撃、私には通じないよ? と外面では取り作っているのに内面では、魔力の消耗に焦ってると思うと思わず笑ってしましそうだ。


「でも、私には通じないよ? くらえ! 」


言った! 言ったよあの人!


俺が笑いを堪えていると生徒会長の回りに氷の槍が7本も出現した。

魔法か‥‥。


なあレヴィ、今回は重力操作だけで戦ってみるよ。

なにかと特訓になりそうだし。


(それはいいわね。 でもちゃんと勝つのよ? )


オーケー。


すると、俺に向け氷の槍が飛んでくる。

それに対して俺は左手に重力球を発生させ氷の槍達に向ける。

氷の槍達は7本全て俺に向かっていた軌道を曲げられ重力球に飲み込まれた。


かなりの長さだった氷の槍達は今では野球ボール位まで圧縮されている。


「な!? 」


さすがにこれは予測できなかったようで生徒会長は驚きの声を上げている。


「生徒会長、お返しです。」


そう言って圧縮した氷の塊を打ち出す。

会長に向け放たれた氷の塊は俺が重力でかなり加速させているので計り知れない威力だろう。

まるで青い隕石のようだ。


「なんてデタラメなんだ! 」


そう言って氷の壁を何枚も展開する。


でもどこまで耐えられるかな?


ドカァァァン!!


俺が放った氷の塊はものすごい音を立て氷の壁を貫いていく。

1枚目2枚目をたやすく貫き、3枚目4枚目5枚目を勢いが削がれながらも貫いて8枚目で止まってしまった。


お〜、耐えたか、やるな。


俺が素直に賞賛を送っていると生徒会長が膝をつく。

さっきので魔力をかなり使ったようだ。


次で決めるか。


俺は腕を上げ、闘技場の地面を大量に上空に浮かびあげる。

見渡す限り俺が作り上げた人工隕石だ。

ここまで揃うと壮観だな。


俺が満足げに頷いてから腕を振り下ろして全て落とそうとしたところで待ったがかかった。


「し、試合終了! ルディアくんそこまで! ストップ! ストップ! 」


え〜威力確かめてみたかったのに‥‥。


でも、終わりなら仕方ない。

俺はゆっくりと隕石群を下ろしてくのだった。



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