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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
50/220

一次試験通過




Cと書かれた紙が貼られている控え室に入った俺は、先に控え室に入ってたクロエの椅子の隣に座り寛ぐ。


「なあクロエいつ結果出ると思う? 」


「‥‥すぐに出るわよ。 一次試験が終わってもまだ二次試験があるんだから。まあ、あなたは気にしなくていいでしょうけど。」


刺々しく言ってくるクロエ。

まだ怒っている様だ。


「クロエまだ怒ってるのか? さっきのはゴメン。許してくれ。」


両手を合わせて頭をさげる。

それを見たクロエは溜飲を下げてくれた様だ。


「いいわよ。私もからかおうとしてたしお互い様ね。 」


笑顔でそう言ってきた。


「ああそうだな。お互い様だ。」


「調子に乗らないの! 」


俺が頭を下げている体勢を解き、そう言うとクロエに頭をコツンと小突かれた。


「いてーな。 強めにやるなよ。」


頭をさすりながらそう言うとクロエは驚愕の表情を顔に貼り付けた。


「聞き違いって思っていたけど、あなた口調が変わっているわよ? 」


「え? 」


俺はクロエにそう言われて元の口調に戻っているのに初めて気づいた。

この口調は転生前と心の中で以外では意識して使い分けていたはずだ。それがなぜ‥‥。

顎に手を当て考え込む。

俺はこれまでこの口調を崩したことはない。

という事は原因は相手にある。


そう結論付け、クロエに視線を戻す。


「な、何よ。」


顔を赤くして狼狽えているが構わない。俺はクロエの顔をじっと見つめ続ける。

暫く穴が開くほど見続けようやく気付いた。

この雰囲気、青山に似ている。

それで俺は元の口調に戻ってしまったのか。

成る程、納得だ。


「いや、何でもない。 ただ昔の知り合いに似てただけどよ。 それで自然にその知り合いと話すときの口調になっただけだと思う。」


「そ、そうなの。 随分と変わるのね。」


「これが地。何時もは気を張っている感じかな。」


俺がそう言うとクロエはモジモジとし出した。


「ル、ルディ。これからは私にも地で話していいわよ。 」


そう目を潤ませながら上目遣いで言ってくる。

こいつ意識してやってるのか? 無意識だとしたらこれまでどれ程の男が餌食になった事か。


「ああそうさせてもらうよ。いつもの口調もいいけどたまにはこっちも使いたいんだ。」


「ええそうして。」


俺がそう言うと嬉しそうに頷くクロエ。

クロエに対して地で話すことが決定したがまだまだ一次試験の結果が出るのは時間がかりそうなので暇つぶしにこれまでストックしたおもしろ話を話し始めるのだった。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



「俺が受験登録しに行った時に、双子の兄弟に絡んだ貴族の親子が居たんだよ。その名前がゲースィ男爵て言ってな。その次期御当主が‥‥。」


「うそ! ゲースィがそんな意味だと思ってたの!? 」


ここ2時間ほど話し続けていた間に他の試験会場で測定していたC会場の受験者達が帰ってきた。

もうそろそろ一次試験の結果が出てもいいと思う。

そう考えているとガチャッとドアが開かれ、ゼンツさんが入ってきた。

どうやら結果が出たようだ。


「一次試験の結果がでた。 上位150名が二次試験に進むこととなる。1位から名前、数値を発表する。」


「1位 ルディア・ゾディック 測定不能。 2位 クロエ・アークライト 5000 。 3位 ジルコ・ベイン 4970 。」


それを聞いてザワザワと控え室が騒がしくなった。


「剣聖と、轟魔を抑え得てあいつが1位になったぞ!」


「そりゃあそうだろ、会場をぶっ壊して1位じゃないわけないだろ。」


「しかし、あいつ寝てやがったからザコと思ってたのに、とんだダークホースだぜ。」


剣聖と轟魔を抑えてという事は、クロエは剣聖か。

随分有名なんだな。


「クロエ、お前結構有名なんだな。」


「そうよ、私と轟魔のどっちが主席かって世間では騒がれてたんだから。まあ、あなたが現れた時点で霞んだでしょうけど。」


ザワザワとしている間にもどんどん発表は続いていく。


「‥‥96位 エルザ・ワーライト 2504 97位 フラン・レーベルシュタイン 2301 」


「お! エルザ、一次試験通過か良かった良かった。 」


エルザの名前が呼ばれ安心して頷いていると、エルザが腕を引いてきた。


「エルザって子知り合い? 」


「ああ、一緒に試験会場に来たんだけど別々の会場になちゃってな。 心配だったんだ。」


「ふ〜ん」


そう言って掴んでいる腕に力を込めてくる。


「あのクロエさん、腕に力入ってますよ。痛いんですけど。」


「気のせいよ。」


そう言ってさらに力を込めてくる。ミシミシ


「いいえ気のせいではありません。あなたには聞こえないのですか、この腕の悲鳴が。」


「幻聴よ。」


そう言って腕をやっと離した。

だが腕を組んでそっぽを向いてしまう。

さっきの何処に怒る要素があるのか全くわからない。


(あなた変なところで鈍いわよね。)


何が?


(なんでもないわよ。)


「‥‥以上150名の内に呼ばれた者はこの後、A会場に集まるように。解散! 」


俺がクロエと話しているうちに一次試験通過者全員が発表されたらしい。


「クロエ、A会場に行こうぜ。 」


「そうね。確かA会場は第一グラウンドだったはずよ。」


俺とクロエはA会場の第一グラウンドに向かうのだった。


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