リトルモンスター
前回アリアを受付嬢の台詞のところに書き忘れていないみたいになってしまったので書き直しました。
すいません。
チチチ、と小鳥にさえずりが聞こえてくる。窓から入ってくる朝日に目を細め、起き上がった。
「ふあ〜 」
口元に手を当て欠伸をする。かなりぐっすり寝たな。
もう疲れは微塵も残ってない。一つ伸びをする。
「ん〜! 」
確か昨日はヴィオラちゃんとエルザちゃんをベットの寝かせてから簡単なパンを食べてベットに倒れこみ俺も眠ったんだったな。
俺がボーッと外を眺めているとガチャッとドアを開け父さんが入ってきた。
どうやら顔を洗いに行ってたようだ。
「ああ、起きたのかルディ。 すぐに出るから準備しろよ。後はお前だけだからな。」
ん? 本当だ。 俺が眠ってたベットにもちびっ子達がいない。
もう起きてたのか。
「はーい、分かりました。」
そう言って俺は立ち上がる。するとドアがノックされた。
「旦那さま、坊っちゃまはお目覚めになりましたか? 」
アリアだ。よく年頃の女の子が父さん達と同じ部屋で寝れたものだ。
まあ、何があっても俺が寝る前にアリアのベットの周りに重力を張り巡らせたので大丈夫だろうが。
「ああ、間抜けズラ晒してるよ。」
「ぼ、坊っちゃまのレアショットですって! そ、それは本当ですか! 」
それを聞いたアリアはドタバタと部屋に入ってきた。そして俺と目合う。
「すみませんでした! 坊っちゃま〜! 」
俺と目が合ったアリアは顔を真っ赤にして部屋から出てってしまった。
「父さんアリアで遊んだでしょ? 」
俺は父さんにジト目を向け問い詰める。それを受けた父さんは頬を人差し指で掻きながら悪びれもせず笑顔で言う。
「いや〜、思った通りの反応だったぜ。」
「はあ〜 、父さんもう行くよ。」
俺は呆れながらもドアを開け、父さんにそう言ったのだった。
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ラングを出発して早くも3つの都市を回った。
ラングを出た時何か兵士たちが俺をチラチラ見てヒソヒソしていたが大したことではないだろう。
最初のうちはいろいろな都市を回ることを楽しみにしてたのだが何処もかしこも似たり寄ったりで正直言って飽きた。
これが後何個続くんだと、都市を出るたびに思ったものだがそれも今日でおしまいだ。
毎日毎日見てきた景色はこれで見納めだと思いながらモンスター(幼女2人)の寝顔を見ていると、久しぶりに危険察知で魔物が近寄ってくるのを捉える。
思わず口元に笑みを浮かべてしまう。
そう、ここ最近は魔物が出なくて地獄を見たものだ。
魔物が出ないことは平和でいいのだがモンスター(幼女2人)の相手をしていた俺としては有難い。
ここでストレス発散をさせて貰おう。
「父さん魔物が来たよ、行ってくるね。」
ただ一方的にそう告げ馬車から飛び出す。後ろについてきていたガルフさんは俺を見て驚いているが後で説明すればいいだろう。
「あ、こら! ルディ! 」
父さんが何か言っているがすでに大空にいる俺には届かない。
「久しぶりだよ、レヴィ。 強いといいな〜、すぐに片付くなんてつまらないもんね。ああ、でもそれは贅沢かな。来てくれただけで感謝しなくちゃな〜。フフフ、アハハハハハ!! 」
(そ、そんなにストレス溜まってたわけ? )
レヴィが声を震わせ聞いてくる。
「当たり前だよ! 新婚ごっこ56回! 結婚ごっこ30回! お姫様ごっこ24回! etc‥‥。
合計152回だぞ! 頭おかしくなるところだった。 夢でも永遠とそれが繰り返されるんだ。 寝ていても、起きていても全てがおままごと! これがどれだけ辛いか分かるか! 」
(わ、分かったわ。あなたが辛いことはよーくわかったわ。ほら、魔物が来たわよ。)
「そうだな、今は魔物狩りを楽しまなくちゃな。お! サーベルタイガーみたい魔物だな。」
俺が見た方向には犬歯が口から飛び出るほど長く、黒い体毛をした4足歩行の魔物が馬車に向かって走り寄っている。
(あれはファングタイガーね。中の中くらいの強さで、一般人には脅威だけど貴方にとっては雑魚ね。)
「いいよ! いいよ! 全然おっけいデス。【体術:彗星拳】」
そう言ってスキルを発動させファングタイガーに突っ込んでいく。
スキルを発動した拳は淡く蒼色に輝きだす。
遠目に見たら昼間なのに流れ星が流れているように見えるだろう。
上空から攻撃してくる俺に気づいたファングタイガーはしかし空から攻撃されるとは思ってなかったのか、まともにその攻撃を食らってしまった。
「グガアアアア!! 」
ベキベキと拳に骨を砕く感触が伝わってくる。
ファングタイガーの骨を砕いた彗星拳はファングタイガーごと地面を砕いたところでその役目を終えた。
「ふー、スッキリした。」
拳をフリフリして艶々した顔でそう言う。
するとファングタイガーの魂が体の中に流れ込んできた。
その魂の味に俺は驚くことになる。
「なんだこれは!? ウ二か? いやいやなんでどう見ても肉類のモンスターからウニなんだよ。 意外すぎだろ。」
そうウニなのだ。 しかもかなり濃厚な。
不思議だ。これまではその魂の持ち主で大体予測できたんだけどな。
でも美味しいからいいか。
やる事やったし馬車に戻るとする。ああ、まだ起きてないといいなモンスター達(幼女2人)。
俺はその場から浮かび上がり遠くに見える馬車に向かって飛び立ったのだった。
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「ねえ、あなたお風呂にする? ご飯にする? それともわ・た・し? 」
ヴィオラちゃんが私の部分で両頬に両手を添えしなを作りながら言ってくる。
「じ、じゃあご飯にしようかな。お腹ペコペコなんだ」
俺はお腹を押さえ、ご飯を選択する。しかしそれは間違いだったようだ。
「ルディ違うよ? そこはお風呂でご飯を食べながらお前を食べようかな! って言わないと私が、もうあなたのよ・く・ば・り ♡って言えないでしょ。」
ヴィオラちゃんは腰に片手を当て、もう片方の手で人差し指を立てながら言ってくる。
な、なんてことを言うんだヴィオラちゃんは。
どこから覚えてきたんだよ。
「ヴィ、ヴィオラちゃん。どこでそんな言葉を覚えたのかな? 」
俺の質問にヴィオラちゃんは目を輝かせ答えた。
「あのね! お母さんとお父さんが夜やってたの! 」
あなた達何やってんですか。 子供に見られてますよ。
俺が額に手を当てため息をついているとヴィオラちゃんがしょぼ〜んとして涙目になってしまった。
「ルディたのしくない? ヴィオラと新婚さんごっこたのしくない? 」
「た、楽しいよ! うん本当に楽しいなぁ〜。」
ルディが馬車に戻るとヴィオラちゃんとエルザちゃんが目を覚ましていた。
つまりルディの願いは虚しく散った事となる。
それを見たルディは覚悟を決め決戦に挑み今に至る。
「じゃあ最初からね。あなたお風呂にする?ご飯にする? それともわ・た・し? 」
ま、まさか言わないといけないのか!? あ、あの大人のおままごとのセリフを‥‥。
俺がリトルモンスターに戦慄していると、別のリトルモンスターが割り込んできた。
「ヴィオラだめだよ! 次は私の不倫ごっこなの! 」
最近の子供は、こんなおままごとばっかりやっているのだろうか?
世も末だ。
「新婚さん! 」
「不倫! 」
ヴィオラちゃんとエルザちゃんが新婚、不倫と言い合っている。
単語だけ聞くと物凄いスキャンダルの匂いがするな。
そう現実逃避気味に考えていると俺に矛先が向いたようだ。
「ルディ!新婚さんと 」
「不倫どっちがいい!? 」
どっちもやだ!と声を大にして言いたい。
しかしそれをしてしまえば泣いてしまうだろう。それはダメだ。
だがどうしろというのだ、かたやアダルト新婚さん、かたや不倫と、どっちを選んでも地獄は確定だ。
俺が究極の選択を迫られていると天からの救いが舞い降りた。
「おい、お前達学園都市が見えてきたぞ! 」
「「ほんと!?」」
そう父さんが言うとそれを聞いたリトルモンスター達はそちらに興味が向いたのか、窓から身を乗り出してうわ〜!と大声を上げている。
た、助かった〜。
安堵のため息をつき父さんを見ると目が合う。すると父さんはニカッとサムズアップした。
ありがとう父さん!
俺もお礼の意味を込めてサムズアップし返す。
これを通してまた俺と父さんは通じ合った気がしたのだった。
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