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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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圧倒的な力

「坊っちゃま、はいあーん。」


豚ズラどもを皆殺しにして馬車に戻った俺は、お腹が空いたので母さんから渡された弁当を食べようとしたのだが、俺が戦っている間に起きたアリアが俺に食べさせるということを譲らないので渋々食べさせられている。


「あ、あーん」


うん、美味しい。さすが母さんだ。


「アリアも食べるか? 美味しいぞ? 」


「い、いえそんな事恐れ多いです! 」


両手を横に振りいいですと言うアリア。

しかし、朝から何も食べてないのだ。お腹は空いているだろう。

ならばアリアが逆らえないように言えばいい。


「アリア、これは命令だ。 食べて。」


サンドウィッチを手に取りアリアに差し出す。

アリアは最初のうちはあたふたしていたがやがて諦めたのか両腕を膝におろした。


「分かりました。 あーん 」


アリアが目を閉じ口を雛鳥のように開けた。


え? 俺が食べさせる感じ? え? え?


(色男ですね。流石です。 さあ、あーんして差し上げては? )


レヴィ何怒ってんだよ、でもどうしてこうなった? ただサンドウィッチを渡そうとしただけなのに。


(今の自分の体勢を見てご覧なさい。)


こ、これはあーんの体勢だと!?

抜かった!


はあ、やってしまったものは仕方ない。

やるか。


「あーん」


「美味しいです! 坊っちゃま! 」


頬に両手を当て満面の笑みで美味しいと言うアリア。

不覚にもお嫁さんに欲しいと思ってしまった。

最近どんどん可愛くなっていくんだよな〜アリアは。

この子がいずれどこの馬と知れぬど畜生のものとなると考えるとなぜか怒りが湧いてくる。

俺がガーディアンにならねばと考えていると、隣からゾクッとなるほどの視線を感じた。


ギギギ、と視線を感じる方向に顔を向けるとヴィオラちゃんがふくれっ面でこちらを見ていた。


「ルディ、何してるの? 浮気なの? お母さんが、ルディにつく虫に注意しなさいって言ってたけどこのこと、なの? 」


目の光が消え失せ淡々とした口調でいうヴィオラちゃん。

怖い、怖いよ。

それに何てこと教えてるんだエルさん、ヴィオラちゃんが勘違いしちゃってるじゃないか。

でも怖いことは変わらないのでご機嫌をとる事とする。


「ヴィオラちゃんもはい、あーん」


まだ弁当に残ってたサンドウィッチを手に取りヴィオラちゃんに差し出す。


「あーん、もぐもぐごっくん。」


俺からあーんを受けたヴィオラちゃんは徐々に目の光が戻っていた。

ふー何とかなった。

しかし青山といい、ヴィオラちゃんといいどこからこんな必殺技を覚えてくるのだろうか。

本能だとしたら恐ろしすぎる。


「ルディ! もっとちょうだい! 」


「はいはい、じゃあ‥‥。」


ヴィオラちゃんの要望に応え新たなサンドウィッチを手に取ろうとしていると危険察知がこの馬車に急速で接近しているものをとらえた。


「ヴィオラちゃんごめんね。 また後であげるから。 」


弁当に蓋をしてアリアに預ける。


「ルディどうしたの? 」


不安な表情のヴィオラちゃんを安心させるために笑顔で答えた。


「敵かな? でも大丈夫だよ僕が守るから。アリア、ヴィオラちゃんを見てて。」


「はい、坊っちゃまお気をつけて。」


アリアはただ頷くだけで了承してくれた。

アリアも俺が力を持っていると知っている人のうちの1人なのだ。


「父さん、また俺が行ってもいいよね? 俺の方が早く片尽くし。 ヴィオラちゃん達を連れて先に行ってて。すぐ終わらせるから。」


「ああ行ってこい。 ヴィオラちゃん達は任せとけ。」


「じゃあ行ってくるよ。」


ドアを開け放ち外に飛び出した俺は一旦空中に滞空して、こちらに近ずいてくるものの正体を探る。

危険察知で正体を探るがわざわざ探る必要もなかったようだ。

遠くに土煙を上げド派手に近寄ってきいる。

4足歩行のゴツゴツした体をした全長10メートル程のトカゲがものすごいスピードでギザギザと鋭い歯が生え揃った口を開けながら走っている。

あれはドラゴンか? 見た目的に。


(アースドラゴンね。 サイクロプスより強いわ。)


やっぱり、でもいいこと聞いたな。

サイクロプスより強いか‥‥。

狩り甲斐がありそうだ。最近は弱いものばかり相手にしてて単純作業だったんだよな〜。

ん? よく見ればあれ馬車を追ってないか?


(そうね、捕食される寸前ね。 )


そう言っている間にもアースドラゴンが馬車に食らいつく。

食われたか、と思ったが馬車には戦える奴がいるらしい。食いつかれる寸前に炎の魔法がアースドラゴンに炸裂した。


アースドラゴンは大したダメージはないようだが、怯ませることは成功したようでその間に馬車の速度を上げた。しかし、その攻撃はアースドラゴンの怒りに火をつけたようだ。

さっきより数段上がったスピードで馬車を追っている。

このまま何もしなければ馬車ごと喰われるだろう。


ふう、頑張ってるようだし助けてやるか。

レヴィが言うからにアースドラゴンはサイクロプスより強いらしいので全力で行くとしよう。


「レヴィいくぞ。 【顕現せよ我が力、世界を恐怖のどん底に叩き込め、魔剣レーヴァテイン】」


胸に浮かんできた銀色の魔方陣からでた柄を掴み魔剣を引き抜く。

いつもならこれでおしまいだがまだまだスキルを発動する。


出血大サービスだ。まあ、相手側の出血だがな。


「【観測眼】 【身体強化】 【聖具召喚:lv1】 」


目が金色に変わり、キラキラと輝きだした体を最後に聖具が包み込む。

はたから見たらあ、こいつ強いなと言われること請け合いの姿となる。


しかし、一度にこれほどまでスキルを使ったことはなかったので今の俺がどこまでできるか未知数だ。


この体から湧き出る力から見て最低でも数十倍に跳ね上がっていることはわかるが‥‥。

まあ全力でやれば良いだろう。大は小を兼ねるというしな。


この時ルディは気づいてなかった元の能力値の時点でこの国の騎士団団長と互角以上である事を。

それが数十倍に増幅された力で本気の攻撃を打ったらどうなるかという事を。


そんな事を全く考えてないルディは馬車と、アースドラゴンの間に高速で接近し割り込んだ。


「うお!? 」


「な、なに!? 」


馬車の御者をしていた男性とアースドラゴンにむけ両手を突き出していた子供の女の子が驚いているが後回しだ。


割り込んできた俺に向けアースドラゴンが噛みついてくる未来を観測眼が捉えた。

顎を開け迫ってくるのが見える。


「あぶない! 」


女の子が俺にあぶないと警告しているが大丈夫だ。そもそも遅いし、次に動く軌道を知っているからどうとでも対処できる。

俺はアースドラゴンの口の中に重力を発生させ強制的に口を閉じさせた。


ガチン! と勢い良く強制的に口を閉ざされたためか歯が少し欠ける。


アースドラゴンはいきなり閉じた口に驚いて開こうとするが、ビクともしない。

当たり前だ全方向に100倍の重力を掛けたのだから。

しかしこれで頭がぐちゃぐちゃにならないとは、流石アースドラゴン。

サイクロプスなら即死だ。


「でも、もう終わりだ。 【グラビティソード】 【剣術:瞬突 】 」


魔剣を振った方向に超重力を掛けるグラビティソードを瞬突に上乗せしたその攻撃は直線上のありとあらゆるものを破壊していく。


ゴゴゴゴゴゴ!!


「グワアアアアアア!! 」


アースドラゴンの自慢の鱗をパラパラと簡単に砕き、その鱗に守られた肉を引きちぎり、

骨を砕く。


もうその時点でアースドラゴンは絶命していたがルディの放った攻撃は止まらない。

地面を削ぎ、木をなぎ倒し、山を破壊したところでようやくその破壊の嵐は終わりを迎えた。


破壊の嵐の後にはボロボロの死体となったアースドラゴンとその死体の直線上の破壊の跡だけ残った。



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