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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
34/220

戦慄のルディ

ヴィオラちゃんと会ってから2年経った。


2年の間に結構スキルを取ることができた。日々の訓練の賜物だ。

今の俺のステータスはこうなっている。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥




名前 ルディア・ゾディック 暦年《813》


年齢 3


職業 魔剣王 勇者


lv.5


[体力] 1000

[魔力] 10000

[智力] 600

[攻撃力] 600

[防御力] 500

[耐久力] 500

[俊敏性] 200


スキル 魔剣召喚 〈lv.-〉 聖具召喚〈lv.-〉 魂喰〈lv.-〉 観測眼〈lv.-〉 以心伝心〈lv.-〉

重力操作〈lv.-〉魔力操作〈lv.6〉身体強化〈lv.6〉


称号 最恐最悪の魔剣の契約者 魂を喰らう者 魔剣王



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


家の中での訓練でlvは5まで上がった。3年でこれしか上がらないのは訓練しかしてないからだ。 早く魔物、狩りに行きたい。 そしてもっと強くなりたい。

しかし、lv5でこの能力値しかもまだ完全じゃないとは嬉しい誤算だった。

特に魔力、これは毎日観測眼を使っていたので桁が違う。

もう戦闘中に魔力切れは無いんじゃないかと思う。


次にスキルは新たに固有スキルの重力操作と普通スキルの魔力操作、身体強化を覚えた。


重力操作は、レヴィを使って重力のコントロールを訓練している時に覚えた。


普通、固有スキルは生まれてから例外を除いて覚えられないのだが職業の魔剣王の特性で

魔剣が持っている能力を使うことによって覚えられるらしい。

これで俺は、レヴィを召喚しなくても重力を操ることが出来るようになった。


ここで、ふと魔剣を使いまくればいろんな能力覚えられるのでは? と思ったがそうは問屋が卸さないらしい。


レヴィ曰く、1人につき魔剣は1本しか契約できないとのこと。


まあ、レヴィの能力で十分だ。

俺の中では重力操作は最強だからな。


魔力操作、身体強化はようやく俺の訓練が身を結んだ形になった。


魔力操作は観測眼で、身体強化はばれずにお菓子をとろう!訓練で覚えた。

頭の中に声が聞こえた時は嬉しくて泣きそうになったものだ。


さあ、今日も訓練だ! と意気揚々に調理場に向かっていると玄関の鈴がチリンチリンとなった。


そして、ドタドタと足音が聞こえてくる。


「この足音! 今日も来たのか! 」


(本当に好かれているわね、諦めたら? )


レヴィが呆れ気味に行ってくる。


「うるさい! 毎回顔をベタベタにされる気持ち、お前に分かるか! 今回こそ逃げ切ってやる! 【観測眼】! 」


俺は観測眼を、家の中のありとあらゆる所を対象に設定して発動する。

この使い方は頭の中に何十個も視点ができる事になり、最初の頃は気持ち悪くて吐いたがもう慣れた。


俺が観測眼を発動して、足音の持ち主を捜していると家中に可愛らしい声が響いた。


「ルディー! どこー! ルディーー!! 」


ヴィオラちゃんだ。

ヴィオラちゃんは俺と会ってからほぼ毎日うちに遊びに来ている。

俺がこうしてなぜ避けているかというと、それはヴィオラちゃんの遊びに起因する。


耳ハムハムから始まり、何時間も抱きつき続け、締めに顔をペロペロだ。


最近では、新婚ごっこなるものを覚えてきたらしく、同じことを永久ループだ。

疲れるし、汚れる。

終わる頃には、もうゲッソリだ。


「よし! 捉えた! 5秒後に突き当たりの廊下にくる。一先ずこの部屋に逃げ込もう! 」


ヴィオラちゃんとの地獄の新婚さんごっこに身震いしていると、観測眼がヴィオラちゃんを捉えた。

そして俺はすぐ隣の部屋に逃げ込む。


「よ、よし! これで今日こそ逃げ切れるはずだ。」


俺が部屋に逃げ込んだことで安堵していると観測眼がヴィオラちゃんが扉を勢いよく開けて入ってくる未来を捉えた。


クソ! ヴィオラちゃんなんでわかるんだよ!


(だから言ったじゃない。無理だって)


レヴィが無理と言っているが俺は諦めない。

重力操作を発動して天井に張り付いた。


これならどうだ!

流石にこれは見つからないだろう。


バタン!


俺が天井に張り付いたのとほぼ同時に扉を勢いよく開けてヴィオラちゃんが入ってきた。


「ルディ! あれ〜? 此処からルディの匂いがしたんだけどな〜? 」


に、匂いって‥‥。

ヴィオラちゃん貴方は犬ですか、そうですか。

俺が初めて見つかっている理由に戦慄していると、ヴィオラちゃんがキョロキョロと部屋を見渡して立ち止まった。


「ううん。 この部屋にいるはず、ルディの匂いの残滓は此処から出ていない。」


そこまで分かるのかよ! そりゃあ逃げられんわ!

それに口調変わってるし。

どこでそんな言葉覚えたんだよ‥。


そしてしばらく部屋を嗅ぎまわっていると、カッと目を見開いた。


「上か! 」


勢いよく上を振り向き俺と目が合う。


‥‥。

ヴィオラちゃん本当に貴方は何者ですか‥。

もう俺はヴィオラちゃんから逃げられない運命なんだ。


俺が打ち拉がれていると元の口調でヴィオラちゃんが話しかけてきた。


「ルディ、何やってるの? 」


「いや、天井に張り付きたくなったんだよ。」


この言い訳は自分でもどうかと思うが3歳児相手なら十分だろう。


「そうなんだ〜。 あのね、ママたちがルディを呼んできなさいっていってたよ。」


ほら、大丈夫だった。


「分かった、じゃあ行こうか。」


そう言いながらゆっくりと床に降りる。


「うん! いこ! 」


ヴィオラちゃんが俺の手をぐいぐいと引っ張っていく。


またあの地獄が来ると思うと憂鬱だが、捕まったからには仕方ない。

は〜、とため息をつきながらヴィオラちゃんに成されるがままになりながら歩いて行った。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


リビングについた俺とヴィオラちゃんを母さんと父さんとエルさんがイスに座って出迎えた。


「ルディきたか、早く座りなさい。」


にこやかに言ってくる。

何でも父としての威厳なんとかとか言って、最近になって喋り方を変えた。

本人としては威厳を醸し出しているつもりらしいがまったく出ていない。


しかし、父さんまでいるとはなんでだ?


「はい。」


そう返して俺は母さんの隣に座った。


ヴィオラちゃんはエルさんの膝に座ったようだ。

嬉しそうに足をブラブラさせている。


見る分には可愛いよな、見る分には。


「どうして父さんまでいるの? いつもはいないのに。」


気になっていたことを聞いてみる。

俺の予想としてはそろそろあれが許可されるだろう。

そうであってほしいな。


「ルディ、もうお前は3歳になっただろ? そろそろ外で遊んでもいい頃だと思うんだ。 それはヴィオラちゃんも同じ、でもこの歳の子を1人で外に出すのは心配なんだ。お前は何があってもその力でねじ伏せることが出来るだろう、でもヴィオラちゃんは違う。そこで、ルディにヴィオラちゃんと外で一緒に遊んでほしいんだ。 そして何かあったら守ってほしい。」


そらきた、そうだよね外で遊んでいい頃だよね。友達達(魔物)と。

外にでる事が許可されるならヴィオラちゃんのボディーガードをするくらい何てことない問題だ。


因みに、エルさんの前で俺に力があることをペラペラと喋っているのは母さんがエルさんには話していいと判断したかららしい。


「ルディくん、私からも頼むわ。 ヴィオラと外で遊んでくれない? 」


それに俺は自分でも最高と思う笑顔で答える。


「いいですよ。 僕もヴィオラちゃんと遊びたいですし。」


(さっきまで、必死になって逃げてた人のセリフじゃないわね。)


人には言葉に出さないほうが幸せなこともあるんだ。

よって、俺は人を幸せにしているのだから悪いことは何もしていない。


(はい、はい)


「ありがと〜ルディくん! ヴィオラよかったね! 」


俺にお礼を言って、ヴィオラちゃんの頭を撫でる。


「うん! 」


眩しい笑顔で頷いている。

俺がそれを見てこれは俺にないものだな〜、と思っていると母さんが話しかけてきた。


「ルディちゃん、男の子なんだからちゃんとヴィオラちゃんを守るのよ。 いいわね? 」


人差し指を立て俺に念を押してくる。


分かっているって母さん。ヴィオラちゃんに手を出すものは全部潰すから。


「はい!」


そうして俺の外で遊ぶ許可が下されたのだった。

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