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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
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能力解放

今日は多めに投稿します。

朝早くにガラガラと喧しい音が聞こえてきて目が覚めてしまった。


「だれだ? こんな朝早くに、煩いな。 睡眠不足で背が伸びなかったらどうしてくれるんだ。」


夜遅くまで、観測眼を使っての魔力増量と、身体強化の練習をしていたので少し寝不足なのだ。


チリンチリン


俺が悪態をついていると、玄関のベルが鳴った。


「なんだ? こんな朝早くに家を出る人なんていないはず。 泥棒か! 」


玄関から堂々と入ってくるとは豪気なのか唯のバカなのか、まあどちらでも良い、排除する。


「まずは、泥棒の顔でも見るとするか。 【観測眼】! 」


俺の観測眼は、場所、物、生物,etcを思い描く事が出来ればその未来を魔力の量に比例して視る事ができる。

つまり、未来を見る対象を思い浮かべる事さえできれば遠くからでも対象の未来が視える。


未来が見える監視カメラだ。


今は泥棒が入ってきたであろう玄関を対象として設定した。


すると紅い鎧を着て、腰に剣を下げた赤髪の男が歩いてるのが視えた。

それを、見て俺は焦りを隠せない。


「この泥棒、武装しているのか!? 」


(ルディ、この男相当できるわよ。どうする?)


レヴィが言うとは相当強いらしい。

でもこのままでは、母さんたちが殺されてしまう!


「レヴィなんとかしたい。 方法は無いか? 」


(あるにはあるけど、ばれたら大変な事になるわよ? それでも良い? )


やけに真剣な声色で聞いてくる。

だが、愚問だ。今の時代に母さんたちより大切なものは無い。


「構わない、その方法を教えてくれ。」


(わかったわ。 今の貴方じゃまともに戦える体じゃない。 でも唯一方法がある。 それは私を召喚して私の魔剣としての能力を使う事、能力の使い方は感覚で分かるはずよ。)


「ああ、分かった。 行くぞレヴィ! 」


一応召喚する前に確認を取る。


(きて! ルディ!)


「【顕現せよ我が力、世界を恐怖のどん底に叩き込め、魔剣レーヴァテイン】!」


胸に手を当てながら、魔剣を召喚する言葉を唱えた。すると、胸に銀色の魔法陣が浮かびそこから魔剣の柄が出てきた。


「うわ! グロいな。」


そりゃあそうだ、俺の体から考えて不釣り合いな大きさの柄が飛びたしてきたのだから。

でも、今はそんな事を考えている暇はない!


俺は、魔剣の柄を掴み胸から引き抜く。


そして引き抜いた瞬間この魔剣、レヴィの使い方が頭の中に流れ込んできた。

それを感じ、俺は笑みを浮かべる。


「すごいぞ、レヴィ。 これならいける、守れる! 」


しかし、振り抜いた魔剣を見て一瞬見惚れてしまった。

淡く輝く深紫色をした少し反っている片刃で、とても美しかったからだ。


「後でじっくり見るとして、行くか。」


そして俺はその場から掻き消えた。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



ルディの家の廊下に男が1人歩いている。

その男は、口元に浮かべた笑みを隠そうとしているようだが隠しきれてなく逆に不気味な笑みになってしまっていた。


「久しぶりだ、本当に‥‥。 今日はタップリとあの顔を見せてもらおう。ああ、思い出すだけで、クククク。」


あの顔とやらを思い浮かべているのか口元に手を当て笑いをこらえている。


するとそこに襲いかかる者が現れた。


「!? 」


男は、咄嗟に腰に下げている剣を抜き攻撃を凌ぐことができた。

しかし、襲撃者の正体を見て目を見開く。


「な、なぜ赤ん坊が宙に浮いている!? 」


そう、その赤ん坊は手に不釣り合いという度を越した剣を持っており、その豪華な金髪を揺らし、目を金色に輝かせていたのだ。


「その眼、魔眼か! それにその剣、魔剣レーヴァテインだと!? 」


男の驚愕の声に赤ん坊、ルディが答えた。


「ほう、薄汚い泥棒の癖にレヴィを知っているのか。 ならこの魔剣の恐ろしさは知っているだろう。まあ、この家に入った時点で殺す事に変わりはないけどな。死ね。」


そう言って、魔剣を振り下ろす。

それを見た男は焦り気味にスキルを唱えた。


「【身体強化】!」


すると、男の体の回りが淡く輝き出し、後ろに床が凹むほどの強さで回避する。


ズドーン!


男が先程までいた場所は円形におよそ1メートルほど陥没していた。

それを見た男の額には汗が浮かんでいく。


「なんで、こんな所に魔剣レーヴァテインとその契約者がいるんだ! クソ! 」


さすがにそれは予測できなかったのか悪態をつく。


「それは、俺の家だからだ。 クソ野郎。」


ルディのその言葉を聞いた男は顔を真っ赤にして激昂した。


「ふざげるな! ここは俺の夢だったんだ。 そこを汚すなど例え誰だろうと許さない! ウオオオオ!!」


男の体中から真っ赤な炎が吹き出した。

廊下の温度が急激に上がる。


「おまえ、放火犯だったのか! させない! 」


メラメラと、燃え始めた男に向け再び魔剣を振り下ろす。

しかし、今度は余裕を持って避けた。


「な!? クソ、もう遠距離攻撃は効かないか‥。 なら接近戦だ! 」


フワフワと浮いていた状態から残像残すほどのスピードで男に向け飛び込む。


「接近戦で俺に勝てると思うな!」


飛び込んできたルディに向かって手に持っていた剣で向かい打とうとするがその瞬間、ルディの眼に魔法陣が浮かびするりと避けられ、自慢の鎧を深く切られてしまった。


「クソ!、赤竜の鎧が簡単に切られるなんて、馬鹿げた切れ味だな。それにさっきはその魔眼の能力か‥。」


一回の魔眼の使用で使っていることがバレるとは思っていなかったのか眼を見開いている。

しかし、一瞬で元の無表情に戻す。


「さあ、何のことかな? 」


「しらばっくれるな、大方相手の攻撃の軌道を読むか、若しくは未来を視ることが出来る、違うか? まあどっちでもいい。どちらにしても最高位の魔眼ということは分かった。 最悪だ、魔剣レーヴァテインにその魔眼、俺が本気でやって勝てるかどうか‥‥。」


更に冷や汗の量を増やした男だが、覚悟を決めたようで剣を構えた。


「行くぞ!」


ダン!、とルディに踏み込む。


「無駄だ! 【観測眼】! 」


ルディの眼に再び魔法陣が浮かび、男の剣をよけ、切り返す。

しかし、ガキン!と男の剣に受け止められてしまった。


「な!? 防いだだと!? 」


「ぐ! 流石に重いな。 だが、レーヴァテインでも炎龍王の剣は切れなかったようだな。ほら! お返しだ!」


ルディを弾き飛ばし、剣を振り下ろした。

それを後ろに飛ぶことで避ける。


「みえみえなんだよ! 死ね! 放火犯! 」


そう言って再び斬りこむ。上段から、魔剣に能力を乗せ振り下ろすが、受け止められる。


「おまえ、剣は初心者だろ! 剣筋が見え見えだ! 」


ルディの魔剣を後ろに流し、後ろに回りこみ炎を伴った突きを放つ。

それを、振り向きざまに魔剣の腹で受け止めた。

だが、勢いまでは殺せなかったのか、壁をぶち抜き外に飛び出した。

それを男が追う。


「ゴホゴホ! クソ、人のうちをぶっ壊しやがって! だがこれで能力を制限しなくていい! 【グラビティワールド】!」


すると、ルディの半径10メートルに超重力空間が生まれた。

その、円の中にあるものは全て潰され、砕かれている。


「まだそんな能力を! だが、俺は負けない!」


超重力によりいつもの数百倍の重力が掛かり膝をつくが立ち上がった。


「放火犯の癖にやるじゃないか。でも俺が、勝つ!」


「ウオオオオオ!!」


「アアアアア!!」


お互い同時に踏み込み、斬り合う。

ルディは超重力内で能力の影響を受けないことを生かし上下、右左、後ろと縦横無尽に切り込む。

それを、何とか紙一重で避けたり、防いだりしているがやはりぶが悪いようで、身体中に切り傷を作り、血に染まっている。


しばらく防ぐことができてたが、足を切られて体勢を崩した。

それを見逃すルディではない。


「しまっ! 」


「死ねえええ! 【グラビティソード】! 」


魔剣に全力の重力を込め、男に向け振り下ろす。

男は両手で剣を抑え何とか受け止めるが、ミシミシと剣が悲鳴を上げているうえ、この攻撃の効果なのか先程の比ではないほどの重圧が体にかかっている。

ルディに殺られるのは時間の問題だろう。


「行けえええええ!! 」


雄叫びと共に更に剣に力を込める。

あと少しで仕留めるというところで、大声が死闘を妨げた。


「あなた! ルディ! 何やっているの!? 」


「「‥‥。え?」」


サーシャ、ルディの母のその声を聞いて両者共に固まるのだった。


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