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召転のルディア  作者: NTIO
壊れゆく日常
22/220

龍太血の海に沈む

やっと終わりました

先生が邪魔だから消したみたいな軽いノリで言った衝撃の事実からいち早く回復した俺は顔が引きつるのを感じながら尋ねる。


「先生今なんとおっしゃいましたか?」


あまりにも信じがたかったもんで一応、念のため聞いておく。


「ちゃんと聞いとけよ。もう一回言うぞ、森ごと消した。」


うわーほんとに言ってやがったこの先生。教師が森ごと消し飛ばすなよ。あんた本当に教師ですか? どっかの戦闘民族が紛れ込んできたんじゃないんですか? 


「ちなみに、どうして森ごと?」


「それはだな、最初のうちは楽しく殺ってたんだ。 毎度毎度同じパターンばっかでイライラしてきてどうすっかなって思ってるところにちょうどゴブリンの大群が現れたんだよ。そんでまとめて吹き飛ばした。」


先生、やるが殺るになってますよ。意図的に間違えているんですか? ...どうかそうであってください。自然にやってたらかなり怖いんで。


「さいですか。」


そう俺が、うなだれていると袖をひょこひょこと引かれた。


「彩月くん、本当に先生凄かったんだよー。こうね、しゅっと腕だすだけで森とゴブリンが跡形もなく消え去ったの!」


体全体を駆使して、いかに凄かったのか語る山田さん。...本当に森を消していたんだ。何かの比喩表現かと思ってた。でもかわいいからいいか、かわいいは正義だ。あれ?なんか誤解を招きそうな言い方になってしまった。まあいいか。


俺たちが話している間にも続々とクラスメイトたちが集まってくる。

もうそろそろ、全員集まるんじゃないだろうか?

そう考えていると、とうとう最後のクラスメイトが森からでてきた。

それを見たラインハルトさんが実践訓練の終わりを告げる。


「これで、皆さん集まりましたね。お疲れ様でした、これで今回の実践訓練は終了です。初めての実践訓練で心身ともに疲れたでしょう。明日の休みで十分に休んでくださいね。ああそれと、実践訓練は毎週この曜日に行いますので、解散!」


うわ、来週もあるのか実践訓練。ちなみに、この世界の1年は365日12ヶ月4週である。地球とまったく同じだ。それと、明日が休みだったのか初めて知ったぞ。


「それじゃあ、帰るとしようぜ龍太。」


そう言いながら、肩を組んでくる正義。こういう気兼ねない友達はうれしいんだが、自分の状態に気づいてほしい。訓練終わりで汗をビッショリかいてる状態で肩を組まれたら俺じゃなかったら絶叫ものだ。


「ああそうだな。動いたからかなり腹が減ったぜ。今日の晩御飯はなんだろうな。」


「肉だろ! 肉あるのみだ!」


こいつ、ご飯のたびに肉肉言うのはやめてほしい。毎回、肉の呪詛を聞かされる身にもなっていただけたいものだ。


「私は、魚がいいわ。斉藤が毎回肉、肉言うから魚が出ないのよね。なぜかしら?」


そこは正義クオリティーということで気にしないほうがいいんだ青山。


そうこうして俺たちは、今晩の晩御飯のメニューを考えながら、王城に戻っていくのだった。



...............................................................................



俺は今、目が冴えわたっている。

なぜかというと、ぶっちゃけ明日のデートが楽しみすぎて眠れないのだ。

なにを子供っぽいことをと思うかもしれないが、俺は思春期の高校生だ。

どこの高校生も大体同じなのではないだろうか。

そんな言い訳じみたことを、考えているから眠れないのだとまた考えて眠れないというジレンマに嵌る。


「眠れん。」


そうつぶやいてみる。

ツイッターなどではいいね!など押してくれるかもしれないが帰ってくるのは静寂のみ。

なんの解決にもならない。


こういうときには、どうしたら眠れるんだっけ?と考えてみるが、羊を数えるとか円周率の呪文を唱えるとかまったく眠れそうにないものしか浮かんでこない。


...どうすればいいんだ?


あ!そうだ発想の転換だよ!眠ろうとするからいけないんだ。眠るんじゃなくて結果として眠ったに持っていけばいい。

そうと決まれば話が早いぞ!


「【妄想】」


俺の考えた作戦は、現実と見分けがつかないほどの妄想で理想の色っぽいお姉さん思い浮かべて鼻血で気絶しよう作戦だ。その効果はゲイボルグ戦で実証済みだ。...決して俺が見たいわけではない。


なんともアホな発想の転換である。


「リョウくん? 夜更かしはだめよ? お姉さんがおねんねさせてあげましょうか?」


龍太が思い描いた妄想が形となる。どうやら龍太の理想のお姉さんは黒髪で巨乳で裸ワイシャツを着た人のようだ。現実だったらただの恥女である。


「ぜひ!」


目を輝かせながら、うなずく龍太。


「あらあら、甘えん坊さんね。いいわよ。お姉さんの胸で眠りなさい。」


そういって、龍太の頭を抱える理想のお姉さん。頭を抱えられた龍太はというと、にやけ顔を隠せないようだ。


ひやふうう、裸ワイシャツだから胸の感触が感触が----!!


言っておくが、これはすべて龍太の妄想である。


おっぱい、おっぱい。

サイコーだぜー。ん?これは! ワイシャツの間から、乳首が見えそうになっているぞ!

どうやら、ボタンとボタンの間から男の夢が顔をのぞかせようとしているようである。

みえ、みえ、見えたーーー!!

やばい鼻時が止まらない。

ああ、意識が遠のいていく。

こうして、龍太はベットを血の海にしながら、幸せな気持ちで眠りについたのだった。


再三言うようだが、これは龍太の妄想である。

はたから見たら突如にやけだし、鼻時を垂れ流して気絶した、ただの変態だ。


ちなみに、朝約束どおり起こしにきた青山が悲鳴を上げることになるが龍太はまったくそのことを考慮してなかったのだった。



感想おまちしてます。次回はデート回です。

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