ゴブリンに黙祷
データが一度消えたので書き直し中です。今日中にもう一度投稿します。
「オロロロ」
緊張の糸が切れた龍太は、これまで我慢していた吐き気に襲われリバースしていた。
そんな龍太を青山はまるで子供を見るような慈愛の眼差しを向けながら、背中をさすっていた。
「大丈夫? 水あるけど飲む?」
甲斐甲斐しく世話をする青山を竜太は好ましく思って、さらに青山のことが好きになったようだ。
傷心中の乙女に優しくするところっと落ちるというあの方程式が龍太に作用したようである。
「貰うよ、ありがとう青山。」
青山から水を受け取り口をすすぐ。だいぶ吐き気が抜け、すっきりしてきた。
「それにしても、そんなにあの見た目がだめなのね。 苦手なものをみて吐いた人始めて見たわ。なにか苦手になった理由とかあるの?」
その青山の質問を聞いた龍太はピクッと肩をを震わして、懐かしむような遠い目になった。
「いろいろあったんだよ、本当にいろいろと。 今はいえないけどいつかこの語るもゲロ、聞くもゲロの話を聞かせてあげるよ。」
龍太はその聞くからにおぞましい話をいつか青山に聞かせるつもりらしい。
「遠慮しとくわ。聞く側も話す側も吐くなんてなんの罰ゲームよ。」
「え~、きいてくれないの~十八番なのに・・。」
「あんた、その話どんだけしてるのよ。引くわ。」
そう言って後ずさる青山。
「いや、違うんだ!ただ俺の話が全米が吐いたとか、日本中嘔吐とかそんな口コミが広まちゃってさしかたなくなんだよ!信じてくれ!」
それを聞いた青山は、龍太にジト目を向ける。
「私は、そんな口コミがあることを信じたくないわ。」
そんなやり取りをしてると、上空に魔法が3発あがった。
「あら? もうそんな時間? じゃあ帰りましょうか。」
いろいろやっていたら結構時間がたってたらしい。そういい、テクテクと帰っていく青山。
「よかったー、俺が喜んでゲロばなしてると思われるとこだったぜ。」
それを見た龍太は、ほっと胸をなでおろす。
「なにやってるの? いくわよ?」
そんなことを言っている龍太に青山が声をかける。
「ああ今行く。」
こうして青山と龍太の初実践訓練は終わった。
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森から抜け、朝集まった場所に到着したが、いまだ誰も着ていないラインハルトさんがいるだけである。
「俺たちが一番乗りみたいだな。」
「そうね、あんまり奥のほうに行ってなかったしね。」
俺たちはあんまり奥のほうに行ってなかったらしい。そりゃあそうだよな、青山は俺に合わせていたわけだし。悪いことしたな、今度の休みとやらにいくデートでお返ししないと、そう考えて青山に話しかける。
「なあ、青山みんなが来るまで時間がかかるだろ?だからさ今の内にデートなに回るか決めないか?城下町結構広いみたいだし。」
そう俺が提案するとあごに手を当ててしばし考えてからひとつ頷いた。
「そうね。そうしましょ!で彩月はどんなとこを回りたいの?」
俺が回りたい所・・・特にないな。 それに今回のデートは青山にお礼の意味をこめているから、俺の意見を言っちゃまずいだろ。
「いいや、俺はないよ。青山が回りたいとこはどうなんだ?」
「そうね、まずは服ね! 国から支給されてるものもあるけどやっぱり自分で選んで買いたいし、それに女の子として服は何枚も、持っとかないとね! あと、スイーツも食べたいわよね!この世界にはどんなスイーツがあるのかしら!」
どうやら俺は地雷を踏んでしまったらしい。迂闊に聞くんじゃなかった! 女の子の買い物は果てしなく長いんだって、母ちゃんとの買い物帰りの父ちゃんがやつれきった顔で念を押してきたのに!うわー、っと自分の迂闊さを呪う。でも、青山が楽しいんだったらいいかと開き直ることにした。
「あ! 彩月君先に帰ってきていたんだね。 お疲れ、僕たちは二番目かな?」
そういいながら、光輝と正義が近づいてきた。
「ああ、光輝か。そうだよ、俺は光速で動けるからな余裕さ。」
「青山さんもお疲れゴブリン多かったよね。疲れたなー。」
ふざけたことを抜かす龍太を軽くスルーする光輝。
「おい! スルーするなよ。悲しくなるだろ。」
泣きそうな目で光輝を見つめる龍太。そんな龍太を見た光輝はプッと噴出した。
「ごめんごめん。男にそんな目で見つめられる趣味はないからやめてくれ。」
「そんな目にさせた色男さんが言うな。」
「ハハハ、冗談きついよ。」
お腹を抱えて笑い出す光輝、最近思うのだがこいつの笑いの沸点はかなり低いと思う。
「おう、龍太。お疲れ、そんでお前どれだけ魔物狩った? 俺は、あと一体で三桁だったぜ!」
ドヤっと自慢げに言ってくる。しかし俺も負けてはいない。
「チッ! 負けちまったか。残念、あと4体で2桁だったぜ。」
おれの討伐数に驚きを隠せないのか正義は目を見開いている。
「お前すごいな! そんなに狩れるなんて思わなかったぜ。せいぜい5、6体がいいとこだと思ってたんだけどな。見直したぜ。」
なにか盛大な勘違いを犯している正義。だが俺は、修正などはしない。俺にドヤ顔した罰だ!
「おいてめーら、また騒いでんのか?森ん中まで聞こえたぞ。」
頭をガシガシとかきながら先生と山田さんが帰ってきた。
「あ、先生お疲れ様です。 首尾はどうです?」
「はあ? ああ、あの雑魚どものことか。 それなら森ごと消した。」
「「「...は?」」」
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