使用中トイレを死守せよ!
ドMの洗礼を受けた俺はスキルを解き、気持ちよさそうな顔をして気絶している教師から背を向け1-1のみんなの所に戻る。
あ、でもこのままあれを放置したままだと他のみんなが授業をできないな。叩きおこすか。
俺は歩きながら地面に転がっている小石をM教師の上に浮かべて勢いよく落とす。
「グヘ!? 」
よし、これで目が覚めただろう。俺はM教師の鳴き声を後ろから聞きながら此方に駆け寄ってきたアリウシア様に手を振る。
「ルディア様、お強いのですね。 ブレイド先生は武闘派で有名ですのに。」
「そうなのですか。 どうりで強かったわけですね。」
あのM具合を除いて最初の動きは目で追えなかった。 というより点と点で動いている様に見えたけど。 転移とかなのだろうか?
「ルディア。 お前いくつ固有スキルを持っているんだよ。 ありえないだろ。」
俺がM教師がどうやって移動したのか考えているとラインハルトさんがそう聞いてきた。
しかし、あのラインハルトさんを知っているとやりずらいな。
「ん〜たくさん? 」
「た、たくさんって何てアバウトな‥‥。」
俺は首を傾げ適当にはぐらかす。 こういう事はただでは教えてやらない。
「そういう、ラインハルトさんもいくつ持っているんですか? 」
あ、癖でさんつけちゃったよ。
「さん? 俺の事はラインハルトでいいぞ、ルディア。 そうだな〜1個かな。」
「へ〜 ラインハルトは固有スキルもっているんだ。 それだったら学園に来れたんじゃない? 」
俺が言うことじゃないが1個でも固有スキル何て持っていたら、天才と言われる領域だ。
何で学園に来なかったのだろうか?
「俺も行きたかったんだけど、家の方針でな。」
俺のそんな質問に悔しそうに顔を顰める。 なるほど貴族の家も大変な様だ。
「ごめん。変なこと聞いたな。」
「いいって。 それより今度訓練つけてくれないか? お前程最高な先生もいないぜ。」
俺の謝罪に対して手を横に振りラインハルトさんはそう返す。やはりこの人はいい人だ。
訓練に付き合うくらいなんでもない。
「あ、私も! ルディア様に教えてもらいたい! 」
「僕も! 」
ラインハルトさんの言葉を聞いた1-1のみんなも教えてくれと言い出した。まあ、1も100も変わらないのでいいか。
「いいよ。あんまり大したことは教えられないけどね。」
本当に大したことを教えられない。 全てレヴィ頼みだ。
俺たちがそんなことを話しているとM教師がこっちにやってきた。
「お前ら今日の授業は自習とする。 素振りなり何なりしておく様に私は急用を思いだしたのでこれで失礼。 」
そう言ってM教師は足早に闘技場を後にする。
え〜授業させるために叩き起こしたのに。
「あれ? あっちってトイレの方向じゃないか? 」
俺がM教師の背中を見ながら起こした意味ないじゃんと思っているとM教師が出て行った通路をみた男子生徒がそんな声を上げた。
‥‥あの野郎。 ナニをしに行ったんだ。 頭に石を落とせばよかった。
「お腹でも痛くなったのでしょうか? 」
頬に人差し指を当てそう聞いてくるアリウシア様。
そんなアリウシア様を見て俺は先ほどの心の傷がみるみる治るのを感じる。
「俺見てこようかな! 」
俺がアリウシア様に癒されていると1人の男子がそんな事を言った。
やめろ! そんなキラキラした目で言うな!
ま、まずい! あの目をキラキラさせた子がトイレなんか言ったら‥‥。
「ど、どうなんだろうね。 さて、みんな自習って事だし早速訓練しようか。」
俺は手を叩いて俺に注目を集めさせてトイレに行ったM教師から意識をそらす。
このまま好奇心に駆られてトイレにあの子が見に行ったりでもしたら一生のトラウマものだ。
それだけは阻止せねば。
そう心に決意した俺は何とか、何かにつけて見に行ってみようかな! と言う男子生徒をあの手この手で授業終了までトイレに行く事を阻止するのに成功した。
因みにブレイド先生は授業終了と同時にすっきりとした顔で出てきた所を見た俺はぶっ殺してやろうかと思ったのだった。
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