突撃!!隣の晩御飯
更新がだいぶ遅れてしまいましたm(_ _)m
少々忙しくて小説の方に手が回りませんでした(泣)
〜あの惨劇(2話参照)から10日後〜
-迅のマンション前-
あぁ…自分の家が懐かしい。病院ってのはゆっくり出来ていいんだけど、看護師がウザったいんだよな。家でゆっくりするほうが楽だ。
ガチャ…
「あ…おかえりぃ♪」
………………。
「………う〜ちょっとは反応しようよぅ。」
目の前で小動物が騒いでいる。
どういう展開だ?知らんうちに同級生が俺の部屋にいる。
「どうしてお前がここに居るんだぁ!!とかさぁ。」
「俺は子犬を飼った覚えはねぇぞ?翡翠。」
そう。俺の部屋に居るのは俺を入院まで追い込んだ張本人だった。
「いやぁ〜♪お隣さんが迅って知った時は驚いたよ。」
…は?お隣さん?コイツが?俺の?
「…リアリィ?」
「…もち!!」
ビシッっと親指を立てられました。
長いようで短かったなぁ…俺の平穏な日々。
「……それでなんで俺の部屋に居るんだ?鍵は掛かってたはずだが?」
そうだ。鍵を掛けたのになんで?もしやピッキング技術でも習得してんのか?
「心ちゃんに貰った♪」
〜2日前〜
「じゃあ、迅ちゃんが退院してきたら渡して下さいねぇ〜♪」
「……って感じで♪」
あぁ…そういや荷物を持ってきて貰う為に合鍵を貸してたんだったな…
「ってそれは貰ったんじゃなくて渡されただけだろうがぁ!!」なんつう女だ。普通それを使って他人の部屋に侵入するか?
「むぅ…。」
翡翠は、少しぐらいいいじゃない。…的な感じで頬を膨らましていた。
常識を持とうぜ、お嬢さん。
「じゃあこの前隣に越してきたのは翡翠ってわけか?」
「う〜ん、なんかよそよそしいなぁ。……私のことは愛と呼べ!!」
再び満面の笑みで親指を立ててきた。
「断る。」
なんで命令されてまで呼ばなきゃならんねん。
「こんな美少女が名前で呼んでいいって言ってるんだ。泣いて喜ぶとこだろ?」
「治療と詐って人の肩を破壊しようとした女を美少女とは呼ばない。」
「そんなん気にしてたら紳士にはなれないぞ♪」
別に紳士になりたいと思ったことはないっての。
「ぷっ…くはははは。」
奥から知らない男の笑い声が聞こえた。
「……おまえ以外にも誰か居んのかよ?」なんだろう…この不安感は?
「そりゃ私の父さんと母さんが居るに決まってるじゃん♪」
別に決まってはないがな。
…確かに越して来た時の荷物は一人暮らしをするには多かったな。
「おぅ、いらっしゃい!!まぁ上がれや。」
知らん大男が笑顔で俺を招き入れてくれた。
………俺の部屋なんだけどね。
「おめぇが迅って奴か?ウチの娘が世話んなったな!!」
あぁ…なんか歯が光ってるよ。
「そりゃもう殺してやりたいぐらいに感謝してるさ♪はっはっはっ。ていうか死ね♪」
やべぇ!!このおっさん目が笑ってねぇ。てか血走ってる。
「はっはっはっ♪覚悟しっ!?げふっ!!」
瞬間。大男の身体が後ろに吹っ飛ぶ。
「なぁにやっとるか、この甲斐性無しがぁ!!」
少し下を見ると、翡翠より少し背の高い女性が片足で立っていた。
どうやらこの女性が回し蹴りであの男を吹っ飛ばしたらしい。…冗談だろ?
「ナイスキックだね。母さん♪」翡翠がニッコリしていた。
…はぁ?母さん?あの男が父さんってことは…あの二人が夫婦!?
「なんてでこぼこ夫婦なん…」
ギロッ!!
「あぁん?なんか言ったか?」
…怖ぇ。殺されるかと思った。
「あんたが迅君だね?愛の母親の沙希だ。気軽に姐さんとでも呼んでくれ。」
そういって微笑む姐さんこと沙希さん。
「……。」
俺が呆気に取られていると…
「返事は?」
「は、はい。姐さん。」
会って五分で怒られた。なんかスゲェ人だ。っうかあんな殺気感じたことねぇよ。
「そこで死にかけてる奴は、私の夫の真吾だ。まぁ馬鹿と呼んでやってくれ。」
…憐れなオッサンだ。
「父さん大丈夫?…ただの屍のようだ。」
「縁起でもないこといってんじゃねぇ小娘!!」
「迅君はツッコミ派なんだねぇ。愛との相性が良さそうだ。」冗談じゃねぇよ。
「やだぁ母さんったらぁ♪」
テメェも嬉しそうにしてんじゃねぇよ!!
「俺の娘は渡さんぞぉ!!」
あぁ…俺の平穏で退屈な日々よ。
「今日は迅君の退院とお近づきの印に宴会するぞ?」
「俺は交際なんて認めねぇぞ!!」
……はぁ。もうどうしてくれようかこのオッサン。
このオッサンは絶対苦手だ。
「じゃあ今日は母さんの得意なすき焼きだね♪迅持ちで♪」
は?なに言ってやがりますかこの小娘は。
「おぉ!!今日はママのすき焼きか♪小僧持ちで♪」
大の大人が小僧に奢って貰おうとすんなよ。
「じゃあ今日はすき焼きにしようかね。迅君持ちで♪」
あなたまで仰いますか。
「俺は嫌です。」
ここはバシッと言っとかないとな。うん。
「賛成3、反対1で迅の負け♪」
ぐぁぁ。なんなんだこの親子は…。
「異議あり!!異議あ〜り!!」
「迅君…却下だ♪」
ていうか俺の退院祝いとか言ってなかったか?
「あ!!昌と木乃葉ちゃんも呼ばなくちゃ♪」
…勘弁してくれよ。
結局その後、昌と葉っぱがやって来て大宴会になってしまった。そして俺の財布からは諭吉さんが3枚も消えた。
…今月は切り詰めないとなぁ。