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四大国物語  作者: 上崎新一
一章 シアトル村のリーファ
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教会へ

 ……こうなることは分かっていた。あまりにも退屈だ。永遠と意味の分からない聖典を読み聞かせられる。リウィツィは起きていた。今日に限って、早起きであった。自分が早く起きたなら、また相手も然りということか。

 心のなかで不平不満をつらつらと吐きながら、ずっとリウィツィの話を聞いていた。

「我らが大陸ゴルセを創りし創造神フィリシアは、ヴォリア大陸より来た。その時、創造神フィリシアはこの大陸を四つに分けた。この時代を聖フィリシア歴の始まりとする。」

 とてつもなく長いため、要約させてもらおう。リウィツィはいつもサボっているから、自分もこのくらいしてもバチは当たらないだろう。

 今は聖フィリシア歴600年。つまり、今から600年前に創造神フィリシアはヴォリア大陸から来たことになる。そして、西側2国に神の力である魔法を行使することを許したらしい。禁止事項は2つ。命や天候を操るのは本当に神の力に等しいため、使ったものは死を強要するらしい。そこまでする?

 西2国だけ魔法を使えるのはずるい、と思う。然し、創造神フィリシアがこの大陸を作るために来たとき、付いてきたストーカー神ハルセは風を司る神らしいので、そのおかげで東側からずっと風が吹いている。これは俗に偏東風と呼ばれている。神話に基づいて言うなら、神ハルセはまだフィリシアが作ったこの地に固執していると言うことになる。しかし、そのおかげで我々は農作物を育て、豊かになるのだが。創造神フィリシアは、西にも東にも平等に恵みを与えてくださったらしい。600年の愛は純愛と言っても過言ではないだろう。

 シャアリ平原の近くには軍事施設があり、そこにも教会がある。然し、主に使うのは多くの人が住む本村だ。今日来たのもそこである。

 軍事施設は本村より少し小さい家の集落で、平原との境界に少し低めの防壁が築かれている。戦士が死亡した時にしか、そこの教会は使わないのだ。

「おーい!みんな!って、3人か……朝ごはん出来たよ!」

 とても可愛らしい顔立ちをしていて、つるつるな栗毛色をした髪を後ろで結んでいるのは、カヤだ。一見30代半ばに見える。しかし、御年50を迎えるカールが呼び捨てをしているので、カールよりかは年下だか、4年前の36のルーファの母は、敬語で呼んでいた。恐るべきことに、少なくとも40は超えている。本当に怖い。何か秘訣があるのであろうか。

「いつ見ても若いですね〜。カヤさん。ご飯ありがとうございます。」

「いやいや、全然いいのよ。毎日毎日リウィツィとルーファちゃんくらいしかきてくれないし…。若さの秘訣は早く起きて誰かを叩き起こしてるからかしら。」

 リウィツィは、もう見えなかった。危機察知能力は、高い。

「あら、そうですか?じゃあ私も毎日ルーファを起こそうかしら?」

 私はまだリウィツィさんには敵わないようだ。

「ほら、座って座って!いただきましょう!アイツどっか行ってちょうどよかった。ルーファちゃんも食べられるわね。ごめんね!いつも来るの、リーファちゃんくらいだから、私とリウィツィとリーファちゃんの分しか用意してなかったのよ。」

 カヤが出してくれた料理はどれも美味しそうだった。シアトル村の伝統料理、トルツィア芋のバター焼きや、同じくトルツィア芋とトルキャ(キャベツのようなもの)を和えたサラダなどが並んでいる。カヤは料理上手、姉は聡く賢い。村の皆は戦士の仕事をしていて、勇猛果敢。何故か、置いていかれている気がしてルーファは少し悲しくなった。

「おや、元気がないですね。」

いつの間にか前に座っていたリウィツィが、ルーファのご飯をじっと見ながら声をかけてきた。

「おおよそ、自信なくしちゃったってとこですかね。」

 ルーファは目を見開いた。なぜ分かったのか。

「分かりますよ。お姉さんは賢いし、敬虔なフィリシア教徒ですからね。早起きだし。今日あなたも教会にきたってことは、カールさんにも言われたことでしょう。」

「ゲッ。なんで分かるの!?」

「図星でしょう。私も今朝カヤに言われました。今朝は早く起きたのに、さっきもネチネチ言ってましたから。ここ3日は、ぐっっすり眠れましたから、今朝は早起きできたんですよ。」

「リウィツィさんもだったんですね…」

「大丈夫ですよ。私もリーファさんとよく比べられます。でも、ルーファさん、貴方は貴方で絶対何か突出した物があるはずです。」

 リウィツィが慰めてくれている。そして、説得力というか、似た者同士慰められる度が高い。

「ですよね!!私まだ15だから、朝寝坊でも賢くなくても敬虔なフィリシア教徒じゃなくても、まだまだこれからですよね!!」

「ルーファさん、今年45を迎える私の前で、そのようなことを言わないでください。私、慰めたでしょう。仇で返すどころか大仇です。私の心には埋められないほどの大きな穴が空いてしまいました。」

 リウィツィとルーファが大いに盛り上がり話している横で、リーファはカヤと談笑していた。本当に大いに盛り上がっていたため、ルーファには聞こえなかった。

「リーファちゃん、ここ最近祈り来てなかったでしょう?今日は来るって信じてたのよ。これも神の思し召しね。」

「…そうですね。今日はここ3日分神に祈りを捧げます。」

最後までお読みいただきありがとうございます。お手数をおかけしますが、もし誤字脱字等あれば、教えて頂けるとありがたいです。

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― 新着の感想 ―
拝読いたしました! まだ始まったばかりのようなので、今後の展開が楽しみです!! 壮大なストーリーが展開されそうな予感… 応援しております!!
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