表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

10.加護は去ったけど(ぐぽは常駐)

 カカポたちの加護ビーズがすべて回収されてから、しばらくが経った。


「なんか、人生がちょっと静かになった気がする」


 朝の通勤電車。私は、特に何も起きないことにほんの少し寂しさを覚えていた。

 スマホはちゃんとある。鍵もある。誰にも話しかけられない。水たまりを踏んだら靴下はぬれる。静かで、普通。


(ああ、これが……)

(『通常モードの自分』かあ)


 職場も、もとどおり。


 市川は相変わらず声がでかい(音量加護は切れた)。

 山形は副業に戻った(投資じゃなくて、今度は家庭菜園ブログ)。

 佐藤元課長は、発酵事業部でいまだに「漬物 is 最高」と言っているらしい。


「……なんか、全部が夢だったみたい」


 私はコーヒーを飲みながらぼんやり思った。


 でも、家に帰ると。


「ぐぽ~♪」

「ぐぽ!」

「ぐっぽ……(おなかすいた)」


 リビングには、カカポたちが常駐している。


「……お前たち、加護、もう禁止じゃなかったっけ?」


「ぐぽ(そうだよ)」

「ぐぽーぐぽー!(加護なし、ゆるふわ常駐!)」

「ぐぽぽ(リンゴ受付中)」


 弟いわく、“めずらしいペット”としての登録に切り替えたらしい。

 つまり、加護はもう使えないけど――私の家には、カカポがいる。


 週末のベランダ。

 遊びに来てた茜さんが、TVの前でゴロゴロするカカポに目をやりながら、缶ビールを飲む。


「……結局、いなくならなかったのね」

「うん。加護は消えたけど、カカポは残った」

「アレね。恋人と別れても猫は置いていくパターン」

「それそれそれ! 感覚が近い!!」


 次の瞬間、ベランダの洗濯カゴからカカポが顔出して「ぐぽーーー!!!」


「ほんとにやかましいわ!!!!!」


これにて完結、お付き合いありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ