第一章:この学園には便利屋というものがあるらしい?(6)
「おはよー」
「あ、おはようございます。ジュン君」
「おはよう、ジュン眠そうだね」
「クラス決まった途端寝坊か?ジュン」
「少し寝坊してな」
「ジュンは委員決めた?」
「いや決めてない。トッシーは?」
「まだ俺は決めてないや。ジュンは委員長はしなさそうだな」
「ああ、面倒くさいのはゴメンだからな」
「ジュン君らしいですね」
「どういう意味だよ、桜子」
「そのままの意味よ、ジュン」
「そろそろ席におつきください」
「「びっくりした!!」」
「朝のSHR始めますよ」
「驚かさないで下さいよ、水島先生」
「ごめんなさいね、西島さん」
「いや、気づかなかった自分らが悪いので」
「それでは朝のSHRを始めます。本日の部活動紹介は講堂に10時50分までに集合してください。質問はあ
りますか?」
「ないです」
トッシーが代表して答えた。
「続いてLHRに移ります。この時間で委員を決めたいと思います。まずどのような委員があるか知らない人もいるので黒板に書いていきます」
そう言って水島先生は黒板に委員の種類を書いていったが、字がとても上手だった。
俺は黒板にスラスラと美しい字で書かれていく項目を見ながら、心の中でひとつひとつ読み上げていた。
・委員長 ・副委員長 ・体育委員 ・文化委員 ・風紀委員 ・保健委員 ・図書委員 ・園芸委員 ・会計委員 ・美化委員 ・選挙管理委員
「委員長、副委員長は男女ペアです。どちらが委員長でも構いません。保健委員までが男女ペアで美化委員までペア、選挙管理委員は一人でやってもらいます。何か質問はありますか?」
「会計委員って何をするのですか?」
あれは出席番号1番の藍川だったっけ。
「会計委員は文化祭などで予算管理などしてもらいます。」
「分かりました」
「他に質問がなければ、委員長、副委員長を決めていきます。誰か立候補者はいませんか?」
「私やります。去年もしましたから」
「ありがとう、井上さん。それなら男子で副委員長立候補者いませんか?」
「なら俺がやるよ」
「そうですか、それなら古賀君よろしくおねがいします。二人は前で自己紹介してください」
「分かりました」
「了解です」
「トッシー、大丈夫なんか?」
「心配すんな、ジュン。去年もしたから大丈夫だぜ」
「似合わねえの」
「お前が言うなや」
「トッシー早く」
「悪いな、アオ」
「委員長になりました、井上葵です。1年間よろしくお願いします」
「副委員長になりました、古賀敏也です。1年間よろしくお願いします」
「今から二人で司会お願いします」
「分かりました。水島先生」
「よし、今から早い者勝ちで決めていくぞ。どこでもいいから立候補者はいないか?」
トッシーの司会で委員がどんどん決まっていく。今朝寝坊したせいで、眠くなってきやがった。
「後は選挙管理委員だけだな。立候補者はいないか?」
「いないみたいね、どうするトッシー?」
「いや、そこでウトウトしているジュン、お前がやれ」
「えっ!?」
「それはいいかもね、先生もいいですか?」
「構いませんよ、勅使河原君はこれに懲りて授業中寝ないように」
教室中が笑いに包まれた。俺は顔が熱くなるのを感じながら、机に突っ伏した。
「次の時間は授業カリキュラムについて話しますのでそれまで休憩です」
「頑張れよ選挙管理委員さん」
「うるせぇな、トッシーお前のせいだぞ」
「まぁ、寝ていたジュンが悪いわね」
「頑張ってくださいね」
「そういやお前らは何委員なんだ?」
「私も桜子も入ってないわよ」
「変わってくれよ」
「ダメです、きっちり仕事こなしてくださいね」
「これが高校生活の洗礼ってやつかよ……チクショウ」
この後授業カリキュラムについての説明が終わった後、部活動紹介のため講堂へ向かった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
『~ようこそ栄櫻学園便利屋へ~』、略称「よう栄えい」です。
転校生・ジュンと、ちょっとクセのある仲間たちが巻き起こす、
学園ドタバタ便利屋コメディをどうぞお楽しみください!
本作は【毎週6話更新】を予定しており、全60話完結を目指して連載中です。
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次回は【5月8日(木)】に更新予定です。よろしくお願いします!