一人芸「ホームルーム その2」
笑ってもらえるとうれしいです。文化祭、学園祭、会社の余興などで使ってもらえたら、なおうれしいです。
登場人物 一人
教師(50歳)
〇教室(朝)
ガラッ
教室のドアが開いて、教師が入ってくる。
教師のおでこには、絆創膏が貼ってある。
教壇から生徒に向かって話しかける。
「おはようございます。ホームルームを始めますねー」
「今日は報告が三つあります。よく聞いてくださーい」
「ひとつめー」
「昨日は急に休んですみませんでした」
頭を下げる。
「休んだ理由は、大体はニュースでやっていた通りなんだけど、ひとつだけ言い訳をさせてください」
「喧嘩のきっかけを作ったのは先生だけれど、先に手を出してきたのは向こうの学校の教師の方だからね、これは解っておいてください」
「心配かけたな」
「先生は大丈夫だから」
「えー、ふたつめ」
「先日の、校長先生の不祥事についてです」
「処分が決まりました」
「今日から謹慎生活に入りまーす」
「校長室で、反省文と腕立て伏せを一週間」
「みんなの校長先生、反省してます。頑張ってます」
「どうか許してあげてください」
「みっつめ」
「来月予定されている二泊三日の修学旅行ですが、日帰りに変わります」
「奈良、京都、どこの旅館もホテルも、断られてしまいました」
「どうやら、去年先生たちが起こした騒動のことが知れ渡っているようです」
「残念だけど、仕方ないな」
「そんな状況なので、来年からは、行き先を海外に変えることになりそうです」
「留年が確定している生徒諸君は、楽しみにしておいてください」
「以上、今日も一日頑張りましょう」
読んでくださり、ありがとうございました。