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ここは異世界らしく  作者: つぶらな瞳
5/8

4 1つ目の村 ①

「はよぅ……」

「…おはよう。」

「おはようございます。」


寝ぼけ眼でテントから出て挨拶をすると、呆れ顔のガルインと苦笑いのサイルがテントを片付けている所だった。


「ライズさんは?」

「父様は近場で狩りをしている」

「へー。」


頭の中でマップを展開すると、1キロ程離れた所に黄色い点が見えた。近くに赤い点が3匹。

どうやら囲まれているようだが、中々の魔力量だったし大丈夫だろうと背伸びをする。


「ところで何でそんなに離れてるの?」

「……近い。」

「何で下がるかな」


一歩近寄れば一歩下がる。

3メートル程の距離は縮まらない。


「え。あたし変な匂いする?」


獣人と言えば鼻はききそうだ。

一応クリーンをかけたとはいえ、クンクンと自分を嗅ぐ。変な匂いはしない、多分。


「しない!むしろ良い匂っいでっ。」


ベシっと音と共に、ガルインの声が途切れる。

ライズが後ろから頭を叩いたようだ。


「おかえり」

「すまないな、教育がなっていなくて」


頭を抱えて蹲る横でサイルが残念な物を見るような目でみていた。

今日の収穫は中位のレッドボア三匹だったらしい。血抜きをすませると持っていたマジックバッグに入れていた。












「さて。じゃあ此処からその3箇所の村を周ってライズさんの領主館行くって事でいいのね」

「ああ、付き合わせて悪いが人族のマカを一人で館に行かせるのは正直歓迎されないからな」


獣人にとって人族はかなり警戒対象らしい。

むしろいいのか、そんな人族と仮とはいえ婚約させて。



 







2日後の昼前に最初の村に着いた。

因みにご飯はこれ以上甘える(調味料)わけにはとそれぞれ別に食べたが、味を覚えてしまった二人ガルインとサイルが寂しげにクーンと小さく鳴いたのに私が耐えられず、材料を貰う(狩ってくる)代わりに調理をした。

ライズは腹を抱えて笑っていたが、彼のお腹も正直にないていた。



因みに朝何も無い所から私がホイホイ物を出すのを見て(夜はカバンが近くにあったためそれがマジックバッグだと思われていたらしい)、ガルインとサイルが目を見開き、ライズさんには真剣な顔で革製のウエストポーチ?のような小さ目のバッグを渡された。

アイテムボックス持ちは今世界に一人もいないらしく、いた時代も国に保護(という名の戦争の道具)にされていた記録しかない為、絶対に人(他種族も)前では決して使ってはいけないと言われた。





アイテムボックスは貴重……と。

にしても言わずに国に突き出す事も出来ただろうに…いい人だな本当に…。

戻ったら3人とも魔法の誓約書を書くそうだ。

メルディスは時間の感覚がちがうからなぁ、百年前がつい最近のような言い方をする。

やっぱり知らない事ばかりだな、町に入る前に少しでも知ることが出来て良かった。





















外壁などはなく、あばら家のような物がいくつかと壁すらない支柱を4本立てて、上に板や葉を乗せた物があるだけの到底村とは言えないものがそこのあった。


「………村…?」


「そうだな、村とも言いづらいが……。フードを深く被っていてくれ、話した通り私達から離れないようにしてくれ。」


頷いて深めにフードを被る。

このフード付きのマントはサイルから借りたものだ。

獣人はとても鼻がきくらしく、人族だとバレると攻撃されかねないとの事。

私が攻撃されても怪我すらしないだろうが、無闇な争いはない方がいい。

サイルのマントを借りたのは、最初ライズの物を借りようとしたらガルインとサイルが唸りを上げたからだ。

ニヤニヤしたライズがどちらかのを貸すように言ったのだがガルインの物は魔獣の返り血が着いていた為サイルのを借りる事になった。(クリーンしてしまえば良いと言ったら匂いまで消えてしまうと言われて確かにと納得した。)






門(木を両側に打ち立てただけ)を抜けると、70代ぐらいの犬系獣人とその両側に50代くらいの熊系獣人が膝を付き頭を下げて居た。3人とも骨の形が分かる程に痩せている。


「ハルガ、膝をつかなくていいと言っているだろう。」

「お久しぶりで御座います。ルビリット様」

「ああ、話し辛いらいから立ってくれ」


ゆっくり立ち上がると話をし始めた。

半年程に一度訪れていると言っていたから慣れたやり取りのように話をしながら此処に着くまでに狩ったであろう魔獣の肉を出していく。

マジックバッグには時間停止機能はないらしく、昨日からここに着くまでに狩った魔獣のみだ。

村長らしき人が有り難いと何度も頭を下げると、此方を覗っていた他の獣人が出てきた。代表?らしき人が指示を出しそれぞれ頭を下げながら魔獣を運んで行く。












マカのマップにはオレンジがかった赤の点が近づいていた。





ちょっとした紹介


ライバス·ルビリット(ライズ) 105歳

ノルトラ国 ルビリット辺境伯領主


ガルイン·ルビリット  20歳

ルビリット辺境伯家 次男


サイル·ルビリット  18歳

ルビリット辺境伯家 三男


この世界は寿命が長め、獣人は15歳で成人となる。

他種族もだが長生きする人?は500くらいは余裕で生きる。

人族も15歳で成人だが、魔力が高い者は長生き。

今は普通の人族で長く生きても150歳くらい。

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