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67.星降る夜。

 夕ご飯は唐揚げにパスタ。スープはあっさり鳥出汁スープ、野菜も和え物で、でも昨日とは違う野菜とドレッシングを使ったもの。デザートにプディング。もう、ほんっと食生活が充実してます! もっともっとレパートリーを増やしていって欲しいよね! 料理人には頑張れ! とエールを送ります!


 自室に戻ってレシピを書き出しだり、ダナとちょっと話をしてベッドに入って就寝。


 星降る夜ってエルに教えてもらったので少し興奮していたけど、お子ちゃまな体はすぐに寝ちゃいました。ちゃんと窓の鍵は開けておきましたよ! 

 二階なのに窓から侵入とか。崖を上り下り出来るエルなら出来るんでしょうね。ドアの外には不寝番の護衛騎士が二人いるんだけれども、護衛の騎士意味なくない? エルがいつでもドアの外には護衛の騎士を置けと言ったからいるのに、その本人が私を部屋から連れ出すつもりな件。

 ……勿論言わないけど。

 



「ディア、起きられるか?」


 体をそっと揺らされて目が覚めた。OK! 声は出さない! こくこくと頷くとエルが毛布で包んで私を子供抱っこで縦に抱き上げた。お? いいの? ダメって言われてるのに。でも勿論言わない。人肌と接触できるのはカモンだね。自分からもエルの首に手を伸ばして抱き着いた。


「そのまましがみついてろ」


 エルのイケボの声が耳を擽っておうふ! ってなりそう。なんて悠長な事は言っていられなかった。

 エルが窓に足をかけ屈んだと思ったら一気に外に出て、何故か館の壁を走り登っていく。なんで!? どうなってんのよ!? トーントーンとジャンプしてるのと走ってるのが混じるかのように壁を上り、そして音もなく屋根の上に上がった。

 すぐに魔法陣を出してぱっと放つと頭の上に魔法陣が現れて消える。


「これでいい。話していいぞ」


 どうやらまた音の結界魔法を張ったらしい。エルが屋根に座り、そのエルの足の間に毛布で包んだ私を座らせた。星降る夜ってどういうの? と空を見上げるけど普通に綺麗な星空があるだけ。


「これが星降る夜?」

「いや、これからだ」


 これから?


「星降る夜は季節ごとにある。春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から春、年に四回」


 へぇ……。


「星降る夜はどこの国でも見られる現象でこの日は離れ離れになっている家族などが夜空を見上げる。離れていても見える光景が同じだから」

 

 エルの説明を静かに聞いていた。

 故郷を離れた人や仕事で家族と別れて暮らす人とかそういう人達が夜空を見上げるのか。同じ時間を共有できるという感じなんだろうね。


「魔獣もこの日は出なくて夜でも安心出来る。戦をしている最中でもこの日ばかりは中断する」

「特別な夜なんだね」

「そういう事だ」


 魔獣も出ないってホントどうなっているんだろうね? あ、女神様の計らいなのか。神話によると女神様がこの世界を創ったんだもんねぇ。なるほど。


「はじまるぞ」


 え? と思ったら一斉に星がまるで降って来るかのように流れ出した。


「うわーー……」


 前に見た二つあった月が今日は出ていない。星が出ているだけだったのだが、今度はその星達が一斉に降り出した。流星群どころじゃない位にばーっと降って来る様に流れている。エルに抱え込まれたまま私は夜空を見てぽかんと口を開けて見入っていた。


 すごい……綺麗……さすが異世界、不思議な夜だ。


「こんなに星が降ってくるみたいって……星なくならない?」


 思わずエルに聞いてみるとエルがぷっと笑った。


「明日には普通の夜に戻る」


 ほえええ……ホント不思議世界だなー。幻想的ですんごい綺麗……。

 ツィブルカに戻ってくる途中で見た夜空も綺麗だなと思ったけど、これはそれ以上だった。特別な夜らしいから勿論そうなのかもしれないけど。

 笑う木とか塩の木とか変なのもあるけど、これは素晴らしい。星降る夜って素敵だね。魔獣も出なくて戦も休むなんてね。女神様粋だねー。


「エル……見せてくれてありがとう。また見せてくれる?」

「……俺が傍にいる時ならな」


 むぅ……いなくなるつもりなのかな。是非ずっと近くにいて欲しいけど。

 それは私の我儘なんだろうけども。

 

 この現象はどれ位の時間続くのだろうか? ずっと星が流れているけれど空から星は減ってはいないみたいだし。その瞬く星がある空の色はエルの髪と目の色だ。


「ね? ほら、夜空の色がエルの髪と目の色でしょ?」


 間違ってないよ? 綺麗な夜空の色だもん。再々エルは黒色を忌避させようとしているけど、エルの色は黒じゃないからね? まぁ私は黒が嫌いじゃないし。忌避感も全くもってないけども。


「…………夜空の色」


 エルもぼうっと夜空を見上げていた。


「綺麗だねぇ」

「……………………そうだな」


 私を抱え込んでいるエルの腕がぎゅっと強くなった。

 エルがいなかったらこんな素敵な夜があるなんて知らなかった。是非もっとエルには色々教えて欲しいなーなんて思ってしまう。

 

 そんな事を思いながら、夜空をぼーーっと見入って見上げていたらお子ちゃまな私はいつの間にか眠っていたらしい。

 朝、目が覚めたら自分の部屋でちゃんとベッドに寝ていた。エルが戻してくれたんだね。

 そっと起きると窓の鍵を閉めた。ダナやテオドルにバレたら怒られ案件だろうからね。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ふぁー、雨みたいに降る流星群とか、見てみたいなぁ(*⁰▿⁰*) [気になる点] それはそうとして嫌なフラグがですね ぜひへし折って欲しいところ
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