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221.朝食はエルと二人でした!

 毎朝恒例のギャース! でお目覚めです。なんか爽やかじゃないよね……。どこの怪獣世界に紛れ込んだんだ!? って毎回思うよ……。

 今日から淑女教育がはじまるのかなぁ? 絶対疲れそうだよねぇ。


「おはよ。ノア、ハムちゃん、子青ヘビちゃん」

「おはよー」


 ちっさい三匹が可愛いね。いいけど……。


「ノアはいつ大きくなる?」

「え? えー……まだ、いいかなー?」


 ノアがふいと顔を逸らした。


「そうねぇ……まだいっか。あまり目立っちゃってもね……父がいなくなってからの方がいいかもね」


 そういえばすっかり王様達に父の事はお任せ状態だったから存在を忘れてたよね。安心しきっちゃってたけど、ツィブルカはまだ父の領地なわけだし。ここ最近はちょっと気が緩んでいたけどそれじゃいけないよね。

 ……おとなしく淑女教育を受けとけって事か? はぁ……。


「……ディア、疲れてる? 大丈夫ー?」

「大丈夫だよ! ありがと。今日もノア達はセンの所かな?」


 うん! と元気よく三匹が返事する。可愛い。昨日のセンの背中の上で三匹がクッキーをハムハムしてるとことかマジで可愛かった! 画像で欲しいよね! 動画でも可だ。スマホが欲しい!


「お嬢様、おはようございます」


 ノックの音がしてダナが入ってきた。


「おはよー」

「スラヴェナ様はお部屋で朝食をお召し上がりになるそうです」

「……分かりました」


 やったー! 朝はエルとゆっくりできるらしい! ちょっとほっとしちゃった! 別に嫌だとかそういうのではないんですけど。食べている時位のんびりしたいよねぇ! ……スラヴェナ様に嫌われたとか、同席したくないとかそういうんじゃないよね!?


「お嬢様が緊張なさっているようだから、とご配慮してくださったみたいですよ?」

「あ? そうなの?」


 ダナがはい、と優しく笑って頷いた。


「あー……うん。やはり空気読める方だねぇ……怖いなぁ……」


 私なんて取り繕うの苦手だし。表情とか気持ちとか全部読まれちゃいそうだよね。


「アデーラもさすが王宮で侍女をされていた方だけあります。私達も見習わなくては、と侍女達も意気込んでおりますので、お嬢様もがんばってくださいね」


 おおう……アデーラ様はすでに侍女として動き始まっていたのか……。うん。出来る女官についてきた侍女が出来ない人のわけないよね。


「……ガンバリマース」



「エル、おはよー」

「おはよう。スラヴェナ様はまだだ」

「朝はお部屋で食事をするそうです」

「そうか」


 エルは通常通りみたいですね。そりゃそうか。淑女教育にエルは関係ないもんね。


「ディアは大分疲れているようだな」

「疲れているというか……気疲れだよね。私の事は気にしなくて大丈夫だよー。今日はエルは……あ、警備隊の方か」

「そうだな。王都に帰す方も纏めなくてはいけないし。新しい兵とも打ち合わせとかした方がいいかと思っている」

「うん。お願いします」


 本当はうちの騎士団長が先頭に立たなきゃないんだろうけど、何故かエルが先頭に立ってるよね。騎士団長もエルを頼っているみたいだし。うちの騎士達はすっかりエルが掌握してるよ。

 昨日の件だってテオドルが報告に来てエルが対処してるんだもんねぇ……。私はありがたいんだけど、うーん? エルも居心地がいいって言っていたしいいのか? ずっといてくれる気ならいいよね!


 でもエルは本当は公爵家ご子息なわけで。でも銀級冒険者なのも本当なわけで。表向きには公爵家ご子息は病気療養中になっているらしいけど。このままずっと冒険者でいるつもりなのかな? どうなんだろうね?


「帰すのは二日後の予定だ。ハヴェルには言ってあるから商人にも伝わっているはずだ」

「ありがとー……あ、王妃様のデザート!」

「…………ハヴェルが料理長に頼んでいたから大丈夫だ」


 エルが遠い目をしている。うん。王妃様、エルのお姉さんのご要望だもんね。


「ソーセージとかの注文も俺の方に手紙が来ていたからそれもハヴェルに全部言ってある」

「そうなの?」

「ああ。日中に手紙を寄越すなと言ったら夜に何回も舞い込んでくるようになった……」


 何回も! あ、なんかすみません。王都からの注文は全部エルに回っていたらしい。


「商人に拡張バッグを持たせたのは正解だったな……」


 え? そんなにですか!? え? 大丈夫? 噂とかならない? 父大丈夫?


「あ! 商人の帰りの護衛だが、こっちに戻ってくるつもりの兵を護衛にしたらいいかと思ったんだがいいか? 希望を出している者は独身者で身軽な者ばかりだからすぐに戻ってくるつもりでいるらしいんだ」

「わー! いいですいいです! そのまま私直属にしてドプラーの専属護衛とかしてくれないかなー? 行き来しない時はうちに所属って感じで臨機応変に!」


「ふむ……予定外の増員だからな。本人達がいいといえばいいんじゃないか? あとで確認しておこう」

「もし専属になってくれたら拡張バッグあげなきゃない? 料理付きにしてあげなきゃないんじゃないかな?」

「…………ディア専属になったら拡張バッグが貰えるのか? 希望が殺到するんじゃないか?」


 うん? あら、そうだね。私の直属には拡張バッグ付きって事になっちゃう?

 


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい教育係が来てくれましたね。食事のマナーも淑女教育必須ですが、初日からじゃ大変。 [気になる点] 王様だって持っていない時間停止拡張バッグ。 ぽいぽい上げてたら色々と問題が出てきそうな。…
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